墨の眼 / めがまわる
すみのめ / めがまわる
◆墨の眼
笑ってみせたけど
ほんとは笑ってなんかなかった
僕の奥の目はずっと泣いてたよ
優しくしてたけど
ほんとは突き放したかった
僕は偽善者の意味を知ってる偽善者なんだ
慈しみの果てにある情けはなんなの
同情とは違う、
そんな目で僕を見ないでよ
苦しみの果てにある絶望はなんなの
痛みとは違う、
瞼と心の奥が渇いていた
空の青さに僕は目がくらんだ
閉じた瞼も日常に貫かれてく
真っ白に戻して、影さえなかったかのように
見上げたらまだ青、閉じても続く日々
不安で不安で、千切れかけた羽のように
軋んで軋んで、もう墜ちてしまおうか
笑ってみせたけど
ほんとは笑ってなんかなかった
僕が送ってたのは助けを求めるサイン
優しくしてたけど
ほんとは突き放したかった
僕は嫌われるのが怖いただの弱虫なんだ
眠って眠って、生きてた事さえも忘れられたら
空の青さに少しは心が鎮まるのかな。
◆めがまわる
超快晴で暑いくらいの今日この頃
僕はいつも通りの平坦なアスファルトを行く
すると突然、君が降ってきた
40メートルくらい上から真っ逆さまに
あと60センチくらいで地面直撃なのに
それでも君は笑っていた
僕の目をしっかりと捉えて
「やあ、さよなら」と言わんばかりに
笑っていた
だから僕も笑ってやった
君の逆さの目をちゃんと捉えて
「ああ、お疲れさん」と言い放つように
笑ってやった
ぐしゃってなってた
べちゃってなってた
それでも僕は歪んだ君の目を捉えて
笑ってあげた
そういえば君は誰なの
僕は僕だけど
そしたら君の笑顔の先に落ちてた
血まみれの免許証に書いてた
僕とおんなじ名前
なんだ君も僕か。




