灼熱を掬する / 鶴唳の才
しゃくねつをきくする / かくれいのさい
◆灼熱を掬する
この悲しみは貴方の為に在るもので、
この悔しさは貴方を想う心
沈んだ魂に注ぐのは
己に偽る事のない愛という名の真実
枯れた涙を掬うのは
己の心臓に突き刺さる慈悲という名の哀情
この掌に掬するは、
篤く冷めた灼熱の祈り
その行く末に、
枯菊に似た暗黒の瞼を開く誰か
震えた場所は鳥肌を貫き
溢れた涙は血の如く清らかに滲む
何故に己は震えたのかと
奥底は気づきながらも聴きたがる
教えようか、
己が人だと忘れたか
この掌に掬するは、
篤く冷めた灼熱の憂い
その行く末に、
衰滅した暗黒の瞼を閉じる誰か
この灼熱は誰が為に燃えたぎる
教えようか
己が誰だか忘れたか
この掌に掬する灼熱
この悲しみは貴方の為に在るもので、
この悔しさは貴方を想う心。
◆鶴唳の才
美しいようで儚い声
鮮麗された湖は漆黒に似る
麗しの舞いは悲劇の第一部
頬を伝うのは己の涙か神の血か
水面は闇を引き立てる
光を宿すは夜の瞳ただ一つ
荒んだ心と瞳の奥を
嘘と祈りで埋め尽くす
優雅に踊るように
孤独と笑顔を交互に見せびらかす
七色のようで暗黒の瞳
閉じた瞼は鮮明よりも全てを見透かす
震えた鎮魂歌は悲劇の第二部
沈めた刃は己の心か神の眼か
水面は憎悪と混ざり合う
息を揺らすは夜の暗雲ただ一つ
千切れた願いと瞳の奥を
嘘と祈りで埋め尽くす
叫びを呟くように
狂気と静寂を交互に見せびらかす
煩わしい程の生還の歌
勇ましい声は喜劇を匂わす
華やかな足取りは悲劇の終焉部
終わりに向かう道のりは己の夢か神の指か
水面は真実を隠す
心を殺すは夜の暗黒ただ一つ
閉ざした本当と瞳の奥を
嘘と祈りで埋め尽くす
演じ死んでしまうように
殺意と憂いを交互に見せびらかす
くだる輪廻は悲劇の再演
頬の歪みは己の嘆きか神の笑みか。




