雨が降る、翳す掌 / 墨痕に揺れる
あめがふる、かざすてのひら / ぼっこんにゆれる
◆雨が降る、翳す掌
「雨が降るんだ、今日は」
こんな快晴な空を見てないんだか知らんけど君が言った
ケータイから聞こえる君の声は
元気に聞こえるのに、何故か震えてたんだ
春の匂いすらしない冬の午後
悴んだ手は寂しく小刻みになる
白い吐息、凍える肌、僕の熱を奪う
こんな時に君が傍にいてくれたら
「雨が降るんだ、今日も」
そんだけで理解なんてどうでもいいみたいに君が言った
ケータイから聞こえる君の声は
笑って聞こえるのに、今日も震えてたんだ
春の匂いすらしない四角形の部屋
悴んだ手は寂しく熱を求めてる
瞼の裏は泣いてる君が全てを占める
こんな時に君の傍にいてあげれたら
「雨が降るんだ、今日は」
こんな快晴な空の下で瞼を閉じたままの僕が言った
雨が降るんだ、きっと
僕の空から降るんだ
きっと君の瞼にも届くだろう
雨が降るんだ、
雨が降るんだ、
君の世界から降るんだ
きっと僕の心にも届くだろう
ほら、僕の瞼に翳した掌。
◆墨痕に揺れる
正面から向き合う事って実は難しいんだね
だって先にぶつかってしまったら
それはおあいこじゃないから
はじめから正直になんて本当に出来るんだか
だって境界線もないようで
見透かされるのは怖いから
君が見てる先に本当の僕はいるのかな
僕が見てる君は真実だというのかな
壁はそこには無いのに殴って壊そうとした
拳は痛くないのに心はもう血まみれだった
血溜まりの上にぽつんと立って傷だらけの僕がいた
自分がかわいい訳じゃないけどちょっと可哀想になった
瞼を閉じた僕がいた
ああ、良い事したな
けど正解じゃないと思った
真っ直ぐ見つめる僕がいた
きっと悪い事だろうな
けど間違いじゃないよね
でもやっぱりそんな事わかんないや
正面から向き合う事って実は難しいんだね
だって目を反らしてしまったら
それは逃げてるって事だろう
はじめから正直になんて本当に出来るんだか
だって真実が目の前にあると
実は逃げたくて仕方ないから
でもやっぱりそんな事わかんないや
なぁ、結局どうなんだろう
僕らの心の奥は。




