僕等がいた / 海の高音
ぼくらがいた / うみのこうおん
◆僕等がいた
僕等は閉ざされた思い出の部屋に放り投げられた
カーテンはかかりっぱなしの窓
景色は見えるはずもなく、白い吐息でくるめられた
過去の埃まみれの瞼の裏
消えかかって、掴もうとしたけど
見えるはずもない空気の様だ
青く、滲んでみえた雪の下の様に冷たい心の内側
淡く、映してみせた目の前の様に荒んだ記憶の灯り
涙よりも流れた僕等の時間に迷って瞼閉じた
未来なんて見えなくてもいいと思ってた
過去なんて時間と共に流れ行くものなんだって思ってた
ただ、ただ、ただ、今が無い様にと願った
震える両手、どうにもならなくて
ただ今が怖かった、眠れない夜も、
瞼の裏には荒れた現状しかなくて
眠れないけど目を伏せる僕等がいた
ただ、ただ、ただ、今が消える様にと願った
その間に時は刻まれていって
ただ今を終わらせたかった、苦しさなんて
辛いだけだと知ってた
瞼から雫を落とす僕等がいた
祈りなんて届くはずないって
無表情で伝えてた、
日陰でさえ苦しく感じる僕等がいた。
◆海の高音
夜の淡い群青に染まった空は
貴方の事を思い出させる
寒さに凍え独りで眠る夜は
涸れない涙に震えるだけ
何だか、嗚呼、笑えてくるよ
こんな想い在る訳無いと思ってたのに
あいたいよ、
あえないよ
寂しさなんて何とかなると思ってたんだ
あいたいよ、
あいたいよ
ただ一分電話で話すより十秒でもいいから
笑って触れてたいよ
瞳閉じれば浮かんでくる顔は
貴方以外の誰でもないの
眩い様で、でも常に憂いを帯びた
悲しい顔は貴方以外の誰でもないの
何だか、嗚呼、零れてくるよ
こんな想いする訳無いと思ってたのに
あいたいよ、
あえないよ
寂しさなんて一時の感情だと思ってたんだ
あいたいよ、
あいたいよ
ただ瞼の裏に描くより幻でもいいから
貴方を感じたいよ
あいたいよ、
あえないよ
あいたいよ、
あいたいよ
ただ貴方を想った、
少し恥ずかしくなった
あいたいよ。




