存在証明 / 猜疑心の座
そんざいしょうめい / さいぎしんのざ
◆存在証明
軋る骨、届かぬ刃
萎れた鋒に貫けるものなど
己の挫けた本能でしかない
鬼の様だ、
そうでなければ砕かれるしかないのだから
獣の様だ、
そうでなければ屈せぬ力など夢のまた幻
突き刺せ神の頭蓋を
射殺せ軟弱な己の張り巡る細胞を
風程の情けに揺れるのなら鋭い鞘で串刺せばいい
無謀にも高みを望むのなら神の懐を抉り取ってしまえ
消えぬ灯りなど嘗ての残像でしかないのだ
愚かに慈悲を求めるなら、本能を剥き出すしかない
抗いを拒むな
抗いなど背いた己の闇に似た狂いを抱えた己の刃
斬れぬからと嘆いてしまえばそれは己の最期を確めるだけ
強くなれ、もっと貪欲に強く
探しあてた限界さえもとうに越えてもまだ強く
誰もが崇める神でさえ、
己の座る心地好い王座の空白を未だに埋めてなどいやしない
軋る骨、届かぬ刃
どんなに己が悲しくても
萎れた鋒に貫けるものなど
己の挫けた本能でしかないのだから。
◆猜疑心の座
名を刻め、
その傷に名を
埋める事など出来ぬ腐りかけた虚しい傷痕
手を翳せ、涙で潤せ
結局意味を持たぬ事は感じて初めての疎い脳味噌
嗚呼、こんなにも無力なのか
嗚呼、これ程に己を掴めぬ事が悔しいものか
強く、ただ強くあればいい
弱さなど持たぬ方がいい
己の秩序を見極めろ
軟らかい脳味噌などいらない
貪欲でいいのだ、そして冷酷さえも携えて
猜疑心を深く持て
あらゆる暗黒さえも纏えばいい
猛獣の様に荒々しく、神の如く気高く
そうでなければ溺れてしまう
この流れの速い世界の波に
さあ名を刻め、
その傷に名を
己の軟弱さに気付いたのなら
それこそが瘡蓋の一部となるのだから。




