幻因り伸び入る / 驟雨に戦ぐ
まぼろしよりのびいる / しゅううにそよぐ
◆幻因り伸び入る
吊り下げた棒の様に
何も出来ぬ自らを
夢をみているかの様な蔑む心臓を
この心臓の高鳴る行く末は
終わりという名の永遠のもの
瞼という名の開けぬもの
光という名の極上の暗黒、
終焉という名の繰り返される命
瞳に映る幻に、肌に触れる現実に
ただ執拗に脳味噌を掻き巡らせる
希望など、在るかもわからぬ奇跡を
長々と長々とただ待ち侘びる
そんな己の愚かさを鋼の瞳に磔る
悔いよ、悔いよと手を伸ばせば
意味を問いてはならない死が
生命よりも永く先にそこに在った事に気付かされるだけで
意味を知って何になる、理由を知って何になると
神よりも気高く、存在よりもはっきりとしたものが
無と闇を引き連れて、そこに在る
そして吸い込まれそうになる、
ただそれだけ
吊り下げた棒の様に
何も出来ぬ自らを
夢をみているかの様な蔑む心臓を
愚かな己が怖くて、
掴めぬ光が怖くて。
◆驟雨に戦ぐ
淡い雨に濡れた
黒ずくめに揺れた
滴る雫に乗った思いを地面に垂らした
曇る空を見上げた
光は遮られてた
僕の胸の檻と同じ様に堅く閉ざされて
影を並べて歩いた
光の無い場所ではとても薄くしか映らなかったけど
言葉なんて無かった
とても出せなかった、ただ君が愛しくて、愛しくて
この空と一緒に僕も泣いた
雨は消してくれた、僕の瞳の雫も
ふと見れば君も空と泣いてた
雨が邪魔してたけど僕にはわかったんだ
淡い雨に濡れた
僕も君と濡れた
世界は全て濡れた
見えないくらいに濡れた
そして何も無かったかの様に笑ったりする
でもきっとそれも当たり前の事なんだ
濡れて揺れて、濡れて。




