御蚕ぐるみ / 残鶯の聲
おかいこぐるみ / ざんおうのこえ
◆御蚕ぐるみ
えっとさあ、
君がさあ
前、言っていた星
あれはさあ、
きっとさあ
君等にしか見えてないよ
だってさあ、
俺はさあ
この腐ってる街の住民
だけどさあ、
君はさあ
あちらの光ってる方の住民
なにが違うかって
顔や容姿、目の色も
そりゃ見えるもん全てが違わないか?
それでもって
匂い、心、のうみそも全部
見えなくたって感じてるだろ
この四畳半の塵の墓場だってさ
妄想じゃ君と俺の愛の巣さ
駄目・駄目ってそんなん知ってるさ
だけど求めずにはいられない
だから
愛と言って
贅沢なんだって事は
わかってるよ
触れて、ねぇ
だって欲しくなっちゃうんだもん
白・黒と違い過ぎる
君と俺なのに愛を育むの
御預けなんて言われたら
もっともっと接近しちゃうんだもん
贅沢に君を全て抱いて
一緒になってしまおうか
ラーラーと歌って気付いた
顔や容姿、目の色も
そりゃ見えるもん全て
匂い、心、のうみそも全部
見えなくたって
白・黒と違い過ぎるように
俺等なにもかもが違うように感じるの、
実は当たり前なんです(笑)エヘ
◆残鶯の聲
鳴くか鳴かれる
この森の何処かで
その哀しみを
禍々しい程に綺麗な聲で歌うものがいた
その聲の持ち主は
去ったものに
懐かしみのような、問いかけのような歌を捧げて
枯れてしまう程の想いに焦がれた
この聲が聴こえるだろうか
きっと怪しげに深過ぎる森が
綺麗に掻き消してしまうだろう
死に、行く末はあるのだろうか
もしあるのならば、それは
死に対する死だと
鳴くか鳴かれる
この森の何処かで
その哀しみを
禍々しい程に綺麗な聲で歌うものがいた
また季節が変わる前に
ほろ苦い実を口にして鎮魂歌を歌うのを最後に
哀しい歌に終止符が打たれた
きっとさがしにいったのだろう
死の行く末を
また哀しい歌を歌う事になる事も
知らずに。




