意思に棲む黒 / 霧雨丑三つ
いしにすむくろ / きりさめうしみつ
◆意思に棲む黒
広い広いこの狂気の国に
僕の自惚れた心を閉じ込める
いつしか出口を忘れていた、
鍵も失くしていた
狭い狭いこの僕の身体に
驕り溢れる心は入りきらない
いつしか理由を忘れていた、
意味も失くしていた
暗い暗いこの脳味噌の隙間に
僕の苗と心を植え付ける
いつしか花は枯れていた、
種も腐れていた
荒い荒いこの迸る感情は
動かぬ様に心を撃ち抜く
いつしか血は枯れていた、
傷痕も腐れていた
淡い淡いこの景色と僕の目の色よ
震えている心をどう伝える
いつしか言葉は詰まっていた、
喉も裂けていた
温い温いこの愛に何を感じる
皸割れる心に“闇”という愛情
いつしか歌声は詰まっていた、
愛も裂けていた
白黒、白、白、黒、白
白黒、白、黒、白、白
丸い丸いこの星は何を望んでるの
繰り返される命に何を求めるの
いつしか存在を忘れていた、
感覚を失くしていた
嫌い嫌いこの意味は本当は好きだよと
言えないでいる命が俯いているんだ
いつしか本当を忘れていた、
真実を失くしていた
白黒、白、黒、黒、黒
黒、黒、黒、黒、黒
いつしか忘れていた、失くしていた
いいから塗り潰してよ、
濁るならせめて一色に。
◆霧雨丑三つ
揺れる灯り
消えてしまった
濡れる髪に
駆け抜ける雫
僕の染まらない夜が
また闇に陰る
二つの手、絡み合った
僕の温度、遮る霧
歩いてみた、俄に光る夜の瞳
歩いてみた、足音と交わる水の音
夜が奏でた軋る灯り
君の闇よ。




