輪廻と背徳 / 唾の筆
りんねとはいとく / つばのふで
◆輪廻と背徳
愚かなる群をなして
触れぬ命に畏れを懐く
理屈を求める、幻を拒む
廻る生命に畏まる器
廻り廻る愚者の群に
外れる道など存在しない
生とはただの死への道程
死とはまたの生の始まり
骸は焼ける蛻で
消える事の無い魂に
時を統べる者は何を思う
続く行く先が何処であろうと
戒めが在るのは変わらない
変われない存在に終わりの無い生命
それこそが己という我々の感覚
化け物であろうとそれは神と同等で
修羅であろうとそれは人と同等、
鬼であろうとそれは畜と同等にすぎない
見えないものにこそ真実はあり
そしてその真実さえも矛盾している
見えぬなら信じるな
それでも、信じなければ見えぬものも在る
消えた灯りも何処か知らない場所でまた灯る
時には煙にもなる、
時には草花にもなる、
時には虫にもなる、
時には人にも、痛みにもなる
“何か”の神にさえなりうる
それの繰り返し、
止まる事など赦されない
廻り廻る愚者の群に
外れる道など存在しない
ただ繰り返し、繰り返される
そしてその誰もが歩む輪廻さえも矛盾している。
◆唾の筆
喉を裂いて尖った凶器を吐く
滲んだ涙は赤い雫にとても似ていた
揺れていた闇には少しも光は射さない
射た後に気付いたその痛みにも
止めどなく転がる舌に
食い縛る物も自分じゃないの
流れた涙は僕の物だった
垂れ込む闇にもそれは届いた
どうすればいい
どうすればいい
刻まれた傷に僕の印がついてる
どうすればいい
どうすればいい
ねえ、この暗黒よ。




