追憶の綴り / 砂の光
ついおくのつづり / すなのひかり
◆追憶の綴り
熱く逆上せあがる激流の感情
身をも裂く程の電光石火の速さで
この避雷針の脳味噌を貫通する
画面の黒は焦げた骨を振動させて
伸縮する筋肉を破裂させる位に
僕の血を爪の先端まで流してるみたいだ
目を開いた先には煌めく物も在るけど
それは友情だの愛情だの、割れ物ばかりで
なにかを伝える時もそれは探りながら
そのかたすぎる物に皹が入っていないか
確かめるかのように
牙を穿てば血が騒ぐ、
脳を掻き乱すのは脳自体
身体が追い付く前に心は穴を潜ませる
堕ちる羽に銃口を向けるが
それもまた忘却の果てに沈んでいく
嘲笑う獣の滲み出る憎悪は
吠える声帯を焼きつくし、喉を引き千切る
血は出ないけど、虐げられた生存目的を
知らずにはいられない僕という感覚は
雫を目から零さないように
ゆっくり、ゆっくり、目を閉じる
六十億個の細胞の中の一つにも満たない僕が
自らの生を感じる以外、何ができるだろうか
牙を穿てば血が騒ぐ、
脳を掻き乱すのは脳自体
感じた存在が“幸せ”というものだとしても
それもまた忘却の果てに沈んでいく。
◆砂の光
零れ落ちる、少しずつだけど
時を刻む
未来が少しずつ、零れ落ちる
時を刻む
過去が少しずつ、重なり合う
時を刻む
今が少しずつ、だけど追いつけない速さで
時を刻む
待ってはくれない、それも瞬く間に
時を刻む
時を生きる愚か者だと、
時を刻む
その重みを感じていながらも、
時を刻む
止まらない、止まらないよ
時を刻む
時を刻んで、時を刻んで、それでもまた
時を刻む
きっと、それ以上を望んではいけない気がした。




