眇の禿鷹 / 牙と称える
すがめのはげたか / きばととなえる
◆眇の禿鷹
朔の早すぎる生き方が
一刻一刻を、俯く心臓に轟かす
獲物を啄んでは、味わう事なくのみ込んで
貪欲な腹を宥めおろす
生きている間の繰り返しにも
その意味を問うのは可笑しいか
理を求め過ぎる脳みそは
一瞬一瞬を、忘れぬ様にと刻みこむ
大空を飛んでみれば、おちない様に羽ばたいて
無能な己の無二を呪う
生きている間にみる憧れにも
その狂おしい心は笑うのか
何が嬉しくて生を求めるのか
この本能は掴めぬままで
時が経つのが一番の理解だと
感じていながらそれを拒む
朔の早すぎる生き方が
一刻一刻を、俯く心臓に轟かす
理を求め過ぎる脳みそは
一瞬一瞬を、忘れぬ様にと刻みこむ
生きている間の繰り返しにも
その意味を問うのは可笑しいか
生きている間にみる憧れにも
その狂おしい心は笑うのか
いったい、
この感覚は
何を感じる為にある命なのか。
◆牙と称える
人の畏れに交わりながら
砕ける愛に墜落の雫
跨げる雑草は柔かな肌に鋼の心臓
轟く己の音は脳に悪く耳障りだと、
眇の人を何と説く
紅い血の乱れる群は
踏みつける屍の頭蓋骨と臓と呪い
崇める指先は何処に向く
のぼる階段に滴る憎悪
締め付ける鈴の音を何と説く
駆り立てられた衝動に
焦がれた狗の刃に似ている
研ぎ澄まされた歪な剣に鞘の殻は皹割れる
同志の背に刻む荒傷
冷めない熱に食い込む爪を何と説く
昇る光に裏切りの足跡
足下を独り確認するのは己の眸が傲るが故
肌の癒しを求める獣に
宥めの涙は揺るぎの根元
貫く矢の錆に染み込む悔いを何と説く
強く弱く、溶け込み反発する
その狂いに浸る感情
大きな掌の体温の高鳴りに降り頻る偽の雨
鬣を燃やして睨む鏡の行く末に
それでいいのだと佇む己を何と説く
それが歯痒いしきたりか、
吠えた喉を裂いてしまう
思い通りにならない心を
鋼を貫く牙と称える。




