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美しきこの世界で  作者: 猫柳
第二章  歩き出したら
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第十九話  強くなりたい

激しい剣戟の音が響く。

好んで使っている細身の剣で激しい追撃をさばきながら、痺れるような力強い攻撃に内心舌を巻いた。


「このっ……馬鹿力!!」

「うるせぇこの鼠女!ひょいひょい動くな打ちにくいだろうが!」

「動かなきゃ撲殺されるでしょーが!ていうかなんでそんなバカでかい剣振り回せるの!?実は熊なんじゃないの!?」

「誰が熊だ、ど阿呆!、――――っ……」


ロドの攻撃がひときわ大きくなった隙を狙って、横に飛んで突きを放つ。しかしその動きを読まれていたのか、捻りをかけた大剣が私の剣先を捕らえて巻き上げる。予想以上の力で引っ張られ、思わず私は剣を手放してしまった。


「わ……―――っ!」

「胴体がら空き。俺の勝ちな」


私の手を離れた剣を追いかけるように伸ばした胴体に、ぴたり、とロドの剣先が当たる。

一息遅れて、カラン、と私の剣が地面に落ちる音がした。


「ぅ―――ッ、この熊男おおおおおおっ!」

「俺のどこが熊なんだよおい。でかくもむさくもねーぞ」

「その馬鹿力だよ!肩脱臼したらどーすんの!?」


たかだか剣先で絡めとられただけなはずなのに、衝撃が手首から肩まで響いている。反対の手で庇いながら叫べば、相手は飄々とした顔で「脱臼程度で音を上げてたら鍛錬にならねぇだろ」とのたまう。


「……あんた、今までどんな稽古してきたの」

「貴族のお上品なお稽古とは程遠いこと。てか、俺からするとお前のほうが訳わかんねーな。お前剣習ったことある?」

「ないよ」

「だと思った」


私は取り繕うこともせず、堂々と胸を張った。


中学の頃はテニス部所属で、体力とフットワークには自信がある。下級生の頃はもっぱら素振り等をやらされていたので、細身で軽い剣であれば腕力的な面ではそこまで苦痛ではない。ロドの振り回す身の丈レベルの大剣になると話は別だが。

でも、攻撃とかはまったくできないヨ!


「まず刃の向きがそろってねぇ!剣の腹で殴るとかもう別の武器になってくるだろ!?突きが出せたところは褒めてやるがそのへっぴり腰じゃ当たんねぇよ!」

「……うんまぁ、ソウデスネ」

「お前ほんっきで武術科進むなら、せめて基礎だけでも教師つけてもらったほうがいいぜ?そういう奴らには事欠かないだろ?公爵家の娘なんだし」


呆れたようなロドの言葉に、私はあいまいに笑う。


「……あんま、親には頼りたくないっていうか。本当の親じゃ、ないし」

「その気持ちは分かるけどよ。そのへっぴり腰で武術科入っても馬鹿にされて放り出されるのがオチだぞ。手言うかその前に体力テスト……あ、駄目だ。終わった気がする俺」

「だからぁ、あんたに稽古の相手をお願いしてるんじゃん」


私の剣術がそりゃあもうひどいモノだってことぐらいは、他でもない私自身が理解してる。なんせ初めて剣を握ったのが数ヶ月前の話で、他の人に教えてもらう、と言うのがどうも気恥ずかしかったせいで完璧な独学。中学の頃に選択授業で剣道をやったことがあるけれど、大した役にも立たなかった。どうせならフェンシングでも習っておけばよかった。どこで習うんだかは知らないけど。


「……俺、人に教えるのは得意じゃねーんだよ。稽古っつーか、チャンバラごっこの発展系みたいなもんだったから」

「それでも教えてもらえると助かります。お願いしますマジお願いします」


教えてもらう立場である以上、呆れられるぐらい下手に出る。一応危機感はあるのだ。


「ここまできたらそれしかねーのかよ……分かったよ、手伝うよ。その代わり怪我しても知らねーからな!」


訓練用の大剣を地面に突き刺し、ロドはそれに寄りかかって渋々と言った様子でそう言った。申し訳ない、とは思うけれど、他に頼めそうな人がいないから、しょうがない。


「ありがとう。恩に着るよー」

「おう。この貸しはでかいぞ」


引きつった笑みを浮かべるロドに苦笑を返した時、誰かの足音が聞こえた気がして私は振り返った。


「……お、あれはお前の知り合いじゃなかったか?」

「あ、ウォルトだ。どうしたんだろ」


中庭を突っ切って、ウォルトが独走している。ずいぶんと慌てた様子で、私を視界の端に収めると一旦停止し、それからこっちに駆け寄ってくる。


「アカネッ!ス、クー……ッ!」

「え、スクーター?」

「スクーターって何だよ」

「えぇとね、乗り物の一種。一人乗りで二つの車輪で馬車の何倍も速く走る」

「お貴族の乗り物ってのはすげーんだな……」

「いや、貴族の乗り物ではないんだけどな……」


ロドとのんきなやり取りを交わしていると、やっと呼吸の落ち着いたらしいウォルトが「ちっげーよ!!」と突っ込んだ。


「スクープ!王太子殿下が、今日から学園に通われるんだと!しかもアカネ、今お前を呼び出してるぞ、王太子殿下が直々に!」

「……え゛」


何その悪目立ちしそうな呼び出し。

思わず顔の引きつった私の肩を、ウォルトとロドが同時に叩く。


「逃げないで行って来い」

「俺が途中まで案内してやるからさー。ま、諦めろって」

「……一緒に来てくれても、良いのよ?」


「「だが断る」」

半年ぶり?いいやもうそろそろ四分の三年ぶりダヨ!

キャラクターがブレブレで「誰だよこいつ」になってそうだから後で多分書き直すヨ!

放置していて大変申し訳ありませんでした。

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