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王立学園の死神は放課後に命を弄ぶ ~両親を殺された侯爵令嬢が死神となって悪人を楽しくざまぁする異世界近代魔法ミステリー!?~  作者: 猫月九日
第四幕 王都の闇編

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第13話 討伐と準備

「殿下への連絡は、早い方がいいでしょう」


 方針が決まってすぐ、リーネはシリウス宛の手紙を書いた。

 先日のお誘いどおり、次の定期討伐を見学したいこと。少しは成長した姿を見せてくださるのでしょう、とだけ添えて封をする。


「ずいぶんと素直だね」


 向かいで書類を見ていたレイヴンが、手元を覗いて小さく笑った。

 おそらく皮肉を込めているのだろうが、リーネは気にせずに続ける。


「殿下にはこれくらいでちょうどいいでしょう」


(ああいう自慢は、見てくれる相手がいて完成するものですからね)



 返事はその日のうちにやってきた。


「早いですね」


「『大歓迎である! 余の勇姿を見届けるがよい!』だそうだ」


「予想通りの返事すぎて笑ってしまいますね」


 しかも、騎士団側にも既に話を通しているらしい。

 手回しの早さは成長したみたいだ、とリーネは少し感心した。


「グレン殿は面倒と思ってそうだね」


「隠したがっていそうですからね」


 あの場でも、シリウスが魔道具を取り出した瞬間に止めていた。

 現地でも目を光らせてくるのだろう。


「とはいえ、決まったからにはやるだけです。今のうちにノエラにも声をかけておきますか」


「頼むよ」


 リーネはすぐにノエラに連絡をとってオカルト研で待ち合わせをすることにした。

 忙しいかと思っていたが、どうやらちょうどよく時間があるらしく会えることとなった。


「それでどういたしましたの?」


 オカルト研にやってきたノエラは席に座ると早速話を切り出してきた。


「お願いがありまして」


「珍しいですわね。リーネ様からお願いだなんて」


「単刀直入に言いますが、次の第二騎士団の定期討伐に同行することになりました。ノエラにも来ていただけませんか」


 ノエラが一瞬だけ目を瞬かせた。


「定期討伐、ですの?」


「ええ。昨夜、殿下が教団のすごい人に作ってもらったという魔道具を見せてきたんです」


 リーネはパーティでのシリウスの自慢話と、それをグレンが止めたことを手短に話した。

 商会でノエラも聞いていた、王都周辺の魔物の話や騎士団の魔道具の話に、昨夜の出来事が重なってきた、ということだ。


「なるほど……商会で伺った話と、昨夜のお話が繋がってきたわけですのね」


「ええ。ですから、現地で魔石や魔道具を見られたらと思いまして」


「でしたら行きますわ」


 返事は早かった。

 あっさりしているようで、目はもう少し先を見ている。


「私も状況をきちんと見極めたいと思っていたところですわ」


(ノエラの家からすると魔石不足は深刻な問題ですからね)


「リーネ様とレイヴン様が一緒にいるなら危ないことも少ないでしょうし」


「ええ、死なない限りは回復させられますよ」


「できれば傷つく前に止めてほしいですわよ」


 ノエラは肩をすくめた。


「それでは、鑑定具はいくつか持って行きます。現地でないと意味のないものもありますし」


「お任せします」


「ふふっ、どうせだから、魔物に使ったらどうなるか気になっていた魔道具とかも持っていこうかしら」


(随分と楽しそう、まあ、ストレス発散をさせてあげるとしましょう)


「では、詳しい段取りが決まったらまた」


「ええ。レイヴン様にもよろしく」



 オカルト研へ戻ると、レイヴンの方も話を進めてくれていた。


「合流は北門だそうだ。表向きの装備も向こうで多少は融通してくれるらしい」


「親切ですね」


「殿下が張り切っているだけだと思うよ」


「それはそれで扱いやすそうで助かりますね」


 リーネは机の上に指先を置いた。

 段取り自体はこれで十分だ。


「残るのは、やはりグレン殿ですね」


「僕もそう思っていた」


「また止められたら面倒ですからね」


「殿下とグレン殿を引き離すような方向に持っていくしかないか」


「それはまた面倒そうですね」


 しかし、言ってしまえばそれさえ解決すれば、あとはなんとかなりそうだ。


(あの子が変わっていなければ扱いやすい。でも、少し王子としては心配になりますね)


 かつてたもとを分かった弟のような存在。

 その将来が若干心配になってしまったリーネだった。


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