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『暴走懐石マッド・キッチン ~古代魔獣を食い尽くす! 溶氷期(メルティング・エイジ)のグルメハンター~』   作者: 筆のキュイジニエ
最終章 その2:水菓子(みずがし)は、ハチミツ・ベアーと氷山シャーベットの死闘
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〇沸騰シロップVS絶対零度マンモス! 奇跡の熱衝撃


「さすがに無理だ! なんとかしてやりてぇが、あの分厚い脂肪と糖分の鎧、徹甲弾でも貫通しねえぞ!」

「なら、俺が『冷凍庫』を開けてやるよ!」 

ジョーカーが、秘密のコンソールをリズミカルに叩き、密林エリアと隣接する「極寒ツンドラエリア」の環境隔壁を手動で強制パージした。 

バキィィィィン!! 

ガラスが割れる轟音と共に、マイナス150度の超低温のブリザードが、熱帯雨林エリアへと雪崩れ込んでくる。 

そして、その吹雪の中から、全身が絶対零度の氷で構成された巨大なマンモス――『氷山シャーベット』が突進してきた!「パオオオオオンッ!!」

「ジョーカーてめぇ! また敵を増やしてどうする!!」

「いや、リズならこれを『調理』に使うと思ってね!」 


「正解よっっ ジョーカー!」

ジョーカーの言う通りだった。 

リズは、迫り来る氷山マンモスと、強酸ハチミツ・ベアーの間に立ち、巨大なミスリルの鍋蓋を構えた。

「デザートの極意は『温度差』! 熱々のフォンダンショコラに冷たいアイスを添えるように!」 

リズが鍋蓋でマンモスの牙を弾き返し、その軌道をハチミツ・ベアーへと強引に向ける。


「激突しなさい! 100℃の沸騰シロップと、マイナス150℃の氷山! 『液体窒素瞬間冷凍』ッ!!」

燃え盛るシロップと絶対零度の氷が激突した。 

凄まじい熱衝撃サーマル・ショック。 

物理法則が悲鳴を上げた。

急激な温度変化に耐えきれず、ハチミツ・ベアーの糖分の鎧と、マンモスの氷の体が同時にガラスのように砕け散った。

「今よ! シルヴィ!」

「ええっ!? 私!?」

一番純粋ピュアな氷の破片に、一番濃厚な蜜をかけて! あんたの無菌魔法で包み込むのよ!」 


シルヴィは泣き叫びそうになった。

だが、横目で見えたアッシュは、なにかボヤキながらもみんなを守るため汗と泥まみれで銃を構え、ジョーカーは笑いながらでも素早くコンソールを叩き、リズは命がけで物理法則を無視した動きで鍋蓋を振るっている。

ギルドの連中がこの激烈を極めた非常に高度な戦いを目撃し全体を俯瞰することができたなら驚愕に打ち震えることは間違いないことだった。


この不潔で、野蛮で、()()()()()()()()()()()

(……シェルターの無菌室で一人震えていた時より、泥だらけの今のほうが、ずっとずっと息ができる……!)


「もう、なんて扱いなのっっ! (でも、()()()()()()()()()()()()()!)」

シルヴィはヤケクソ気味に、だが温かい気持ちでその渾身の魔力を込めて杖を振るった。


「バイ菌ゼロ! 不純物ゼロ! 『絶対無菌包装アブソリュート・クリーン』ッ!」 

空中で砕け散った極上の「氷」に、黄金の「ハチミツ」が絡みつき、シルヴィの魔法によって空中でキラキラと輝く結晶となって固定された。


「完成よ……」 

リズが、空から降ってくるその輝く結晶を、銀の皿でふわりと受け止めた。


「懐石コース最終・八品目。水菓子……『ハチミツ・ベアーのシロップがけ・氷山マンモスの奇跡のシャーベット』!」


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