閉じた世界の先で

夫を亡くしてからずっと一人で暮らしていた沙依は、ある日役所から遠縁の親戚である男の子を引き取ってほしいとの連絡が来てそれを了承。遠縁の親戚である高校生の伸茂と一緒に暮らし始めることになった。ある日伸茂の忘れ物を届けに行った先で、忠次に一目惚れされ告白を受けた。拒否するも、全く引かない彼に半ば押し切られる形でちゃんと彼のことを知ってから改めて返事をすることになってしまった。新しい家族との生活、それを通してできた出会いや経験の中で、沙依は知らなかった自分にまつわる出来事や、それに関わる悲劇を知ることとなり、その先で忘れていたある事実を思い出すことになった。紆余曲折のうえ、沙依はある決断と行動をし、全てが終わった時、忠次に保留にしていた答えを伝えるのだった。