15.「決戦(その3)(※決着)」
〝おい、何か海外がヤベーよ!〟
〝悪魔の言ったことが現実になってるって!〟
僕ら各々のパーティが持つ配信用ドローンの横に投影されたウインドウに流れるコメントが一気に増える。
ブンッ
メリカが指示を出すと、彼女たちのドローンの上に新たなウインドウが複数浮かび上がり、そこに世界各国の映像が映し出された。
『『『『『人間たちよ、お初にお目にかかるのじゃ』』』』』
アメリカ、ロシア、中国、イタリア、フランス、ドイツ、ペルー、オーストラリア、などなど。
北米・南米・アジア・ヨーロッパ・アフリカ・オセアニア、等々。
世界各国の首都の上空に出現した漆黒の悪魔の分身たちは、
『『『『『早速じゃが、人間は邪魔だからのう。死んで欲しいのじゃ』』』』』
各々漆黒の魔力玉を頭上に出現させると、更に魔力を加えて膨張させていく。
〝コレ完全に詰みだろ!〟
〝どうしようもねぇよ、こんなの!〟
『『『『『安心するのじゃ。まずは都市じゃが、次に町、そして村と、人間が住む場所は等しく破壊して全員殺してやるのじゃ。誰一人として孤独ではないからのう、仲良く死ぬのじゃ』』』』』
阿鼻叫喚。
人々が泣き叫ぶも、どうすることも出来ず。
『『『『『死ね』』』』』
〝〝〝〝〝うわああああああッ!〟〟〟〟〟
都市そのものを丸ごと呑み込める程に巨大化した漆黒魔力玉を、世界各国の魔王の分身たちが眼下に投げようとした。
瞬間。
『『『『『あがっ!?』』』』』
突如、凄まじいスピードで何かが飛翔、悪魔たちの口から体内に侵入した。
即座にスロー再生がされると――
〝腕!?〟
それは、左腕だった。
そう、僕の。
「こんなこともあろうかと、海底の更に下を通って、世界中に僕の左腕を送っておいたんだ!」
僕は、世界各国の左腕たちに命じる。
「一億倍」
体内で増殖させると。
「『聖光』『精霊光』!」
一億の腕が彼らの体内で一斉に光線・精霊の光を放出。
つい先刻浴びた分の大量の聖光・聖炎・精霊光矢はないものの、聖光と精霊光は、既に何度も内臓に受けていたので(今回程の量ではないが)、それを使って精製して、内部から浄化する。
足りるかどうか、ちょっと心配だったけど。
『『『『『ギャアアアアアアッ!』』』』』
良かった! 足りたみたいだ!
世界中に配置されていた悪魔の分身たちが、次々と光の粒子となって消滅していった。
「どうやら、分身は本体ほどは強くなかったみたいだね」
「……おのれ! おのれええええッ!……!」
僕の目の前にいる本体もまた、形を保てなくなっている。
首から下が完全に消えて、頭部、更には顔も消滅しそうになった時。
ふと、顔を覗き込む僕の胸に目を向けた悪魔が、口の端を吊り上げた。
「フ……フハハハハハ……! ……お主もそう……長くはないようじゃのう……! ……先に……地獄で……待って……おる……の……じゃ……! ……フハハ……ハハハ……ハハ……ハ………………」
悪魔が完全に消滅した。
直後。
「がはっ!? ……あれ……?」
大量に吐血して、僕は倒れた。
「サク君!」
慌てて駆け寄ってきたミシロが僕を抱き起す。
「……大丈夫……」
「何言ってるの!? 全然大丈夫じゃないわよ!」
ミシロが、僕の胸元に目を落とすと。
「そ、そんな……!? 残り……三十秒……!? いやああああッ!」
深淵に悲鳴が響いた。




