12.「六年越しの対峙(その2)」
「さぁ、さぁ、存分に足掻きなさい、藻掻きなさい。どうせ貴方たちはワタシに殺されるのですから!」
巨大なキメラとなったソウのドラゴンとキマイラの頭部から炎が吐かれ、多種多様な四肢が攻撃を繰り出す中、僕らは縦横無尽に動き回りながら回避。
「ギギギッ!?」
数ある頭部の中で一番御しやすそうだったゴブリンに肉迫、切断した左腕を体内に侵入させて、増殖。
「どうしたのですか? 御自慢の攻撃は大して効いていませんよ!」
頭上から勝ち誇った声が注がれるが、気にしない。
「彼女は貰うね」
「なっ!?」
だって、巨躯の中に埋め込まれていたカエの身体を救出するのだが目的だったから。
無数の左腕を鋭く変形させた刃で、迅速にソウの体内を移動、カエの周辺の肉ごと切断して抱えた僕は、その場を離脱、距離を取った。
「ビクトさん、彼女をお願い出来る?」
「分かった! 任せてくれ!」
探索者ランキング一位に返り咲いた彼にそんなことをお願いするのは気が引けたけど、ビクトさんは即座に頷いてくれた。
きっといつもチームとして阿吽の呼吸で戦っている僕らに気を使ってくれたのだろう。
「そんなことをしても無駄ですよ!」
「無駄じゃない!」
そう。無駄どころか、彼女の救出は必須条件だった。
だって。
「『聖光』!」
「『聖炎』!」
「『精霊光矢』!」
そうすれば、全力で攻撃出来るから。
光線と炎塊と光を纏った矢が次々と襲い掛かり、ソウの身体を構成するモンスターたちを屠っていく。
「よくもやってくれましたね! ですが、ワタシにはまだまだ余力がありますよ! 今度こそ貴方たちを皆殺しにして――」
「いや、もう終わりだよ」
「あぐっ!?」
巨体の最上部に位置するソウへと跳躍して接近した僕は、左腕を彼の口内に強引に入れて切断。
「バイバイ」
内部に侵入させた左腕を一千万倍に増殖させると。
「そ、そんな……ワタシは……もっと……殺しを……楽しみ……た……かっ……た……の……に……ごげッ!? ぎょごッ!? ごびゃッ!」
ソウは破裂、死亡した。
「やったわね!」
ミシロたちが歓喜の声を上げる中。
突如空間の一部が歪曲。
「せっかく儂が脱獄の手助けまでしてやったのにのう」
「!?」
漆黒の悪魔が現れた。




