↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘告? そっちがその気なら一か月でその唇奪ってみます  作者: 幻影


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/29

第19話 秘密が増えていく

交際十八日目、木曜日。朝の待ち合わせ場所へ行くと、莉奈はいつも通り先に来ていた。


昨日までなら顔を見て、そのまま並んで学校へ向かっていた。でも今日は、挨拶をしたあと一瞬だけお互いの右手を見る。


「おはよう」


「おはよ」


何も言わない。昨日は俺から手をつないだ。


駅までそのまま歩いて、別れたあとには七十五点と採点された。


『次頑張って』


そんなことまで言われた。だから今日はどうするのか。


朝からつなぐのか。学校が近いからやめるのか。


考えているうちに、莉奈が歩き始めた。


「行こ」


「うん」


結局、手はつながなかった。それでも昨日までとは少し違う。


歩いていると腕同士の距離が近く、たまに手が触れそうになる。そのたびに少し意識する。


莉奈も同じなのか、一度だけこちらを見た。


「何?」


「高瀬こそ」


「俺何も言ってないけど」


「顔が何か言ってる」


最近、家族にも莉奈にも同じことを言われる。


「今日も採点あるの?」


俺が聞く。


「何の?」


「手」


莉奈が少しだけ笑った。


「今日はまだ何もしてないじゃん」


「だから聞いた」


「採点してほしいの?」


「そういうわけじゃない」


「じゃあ自分で考えて」


また難易度が上がった。手も、嫌ではないらしい。


それだけは分かる。学校へ着く少し前、莉奈のスマートフォンが震えた。


画面を見た莉奈が小さく笑う。


「誰?」


何気なく聞く。


「凛ちゃん」


まただ。


「朝から?」


「昨日の夜の続き」


「何話してんの」


「秘密」


「最近そればっかりだな」


莉奈は楽しそうにスマートフォンをしまった。


「女同士には色々あるの」


「俺の妹なんだけど」


「今は私の友達でもあるから」


さらっと言われる。俺は少しだけ驚いた。


友達。二人が初めて会ったのは、まだ一週間も前ではない。


それなのに莉奈にとって、凛はもう『彼氏の妹』だけではないらしい。


「凛もそう思ってる?」


「聞いてみれば?」


「俺が聞いたら絶対否定する」


「それは高瀬だからじゃない?」


たぶんそうだ。教室へ入ると、真帆と由依がすでに来ていた。


莉奈が席へ向かう。俺も自分の席へ行こうとしたところで、真帆に呼ばれた。


「高瀬」


「何?」


「今日普通だね」


「昨日も普通だったけど」


「昨日は二人とも変だった」


まだ言っている。


「何もなかったって言っただろ」


「そうなんだよねえ」


真帆は納得していない。俺はそれ以上相手にせず、自分の席へ向かった。


莉奈の方を見ると、今度は由依と何か話している。その横から真帆も加わる。


三人だけの会話。俺には関係ない。


そう思ったが、真帆が一瞬こちらを見て笑った。嫌な予感しかしなかった。


一時間目と二時間目の間の休み時間。莉奈は真帆と由依に連れられて廊下へ出ていた。


俺は席で拓真と話していた。


「今日さ」


拓真が言う。


「何?」


「お前んち行っていい?」


「また?」


「凛ちゃんに用がある」


「帰れ」


「まだ行ってない」


「じゃあ来るな」


拓真は机に肘をつく。


「冷たくない?」


「凛本人に断られてるだろ」


「それとこれとは別」


「どう別なんだよ」


こいつの思考は時々分からない。


「昨日LINEしたんだけどさ」


「凛と?」


「既読だけついた」


「よかったな」


「返信ないんだけど」


「答え出てるじゃん」


「まだ分からないだろ」


「何が」


「文章考えてるかもしれない」


一晩かけて?俺は黙って拓真を見る。


「その顔やめろ」


「何も言ってない」


「言ってる」


俺も最近、顔で色々言うようになったらしい。拓真はスマートフォンを取り出す。


「見て。昨日送ったやつ」


「嫌だよ」


「いいから」


勝手に画面を見せてくる。


『凛ちゃん、今度の日曜映画どう?』


その下。既読。


それだけ。


「完璧に終わってるじゃん」


「まだだ」


「何でそんな前向きなの」


「好きだから」


あまりにも即答だった。俺は少し黙る。


拓真は本当に凛が好きなのだ。相手にされなくても。


何度断られても。理由を考えるより先に、好きだと言える。


「何?」


拓真が俺を見る。


「いや」


「また水瀬のこと考えた?」


「何でそうなる」


「今の顔」


こいつまで言う。


「別に」


「お前さ」


拓真が少し笑う。


「最近、水瀬のことで考え込む時間増えたよな」


「そう?」


「増えた」


自覚はある。否定しなかった。


「好きかどうか、まだ分かんない?」


昨日も聞かれた話だ。


「前よりは」


「前よりは?」


「かなり近いとは思う」


自分で言って、少し変な感じがした。好きという答えに近い。


そんな言い方をしている時点で、ほとんど答えは出ているのかもしれない。拓真が笑う。


「面倒くせえ男」


「うるさい」


「俺なら凛ちゃん好きって即答できるぞ」


「相手にされてないけどな」


「そこは今関係ない」


「一番大事だろ」


話していると、莉奈たちが教室へ戻ってきた。真帆は満足そう。


由依は少し困ったように笑っている。莉奈だけが顔を赤くしていた。


「何かあった?」


俺が聞く。


「何もない!」


強い。絶対何かある。


でも聞かない方がよさそうだ。昼休み。


いつもの六人で机を寄せた。真帆はまだ妙に楽しそうで、莉奈はできるだけ目を合わせないようにしている。


「莉奈」


陸が聞く。


「何?」


「朝から何か機嫌悪くね?」


「悪くない」


「真帆と喧嘩した?」


「してない」


真帆が笑う。


「むしろ仲良くなった」


「余計なこと言わないで」


ますます分からない。蓮も少し不思議そうにしている。


「何の話?」


「女子だけの話」


由依が静かに答えた。それで男三人は追及できなくなった。


昼食を食べながら別の話に変わる。週末のカラオケ。


陸がまた同じバンドの曲を入れると言い張り、真帆が拒否している。俺はその会話を聞きながら、隣の莉奈を見る。


「水瀬」


「何?」


「今日変じゃない?」


「高瀬まで言うの?」


「朝から」


莉奈が少しだけ俺を見る。


「高瀬のせいだから」


「俺?」


何もしていない。


「何した?」


「知らない」


「俺が原因なのに?」


「そう」


理不尽だ。真帆が笑いを堪えている。


由依まで少し笑っている。絶対何か知っている。


「真帆」


「何?」


「何の話?」


「言っていいの?」


そう聞かれた瞬間、莉奈が真帆の腕をつかんだ。


「駄目!」


大きな声。周りがこちらを見る。


「分かったから」


真帆が笑う。莉奈は手を離し、俺を睨んだ。


「聞かないで」


「俺何も悪くないだろ」


「悪くないけど」


「じゃあ何」


「恥ずかしいの」


そこまで言ってから、莉奈が止まった。真帆の笑顔がさらに大きくなる。


莉奈は顔を伏せた。俺もそれ以上聞けなくなった。


放課後。今日は莉奈が真帆と由依と一緒に帰ることになった。


「ごめんね」


莉奈が言う。


「何が?」


「今日は一緒に帰れないから」


「別に謝らなくていいだろ」


「でも最近ずっと一緒だったし」


その言葉が少し嬉しい。最近ずっと一緒だった。


俺だけがそう感じていたわけではないらしい。


「じゃあまた明日」


「うん」


莉奈は少し迷ってから続けた。


「明日は一緒に帰ろ」


「分かった」


「約束ね」


「うん」


それだけで、明日の予定が一つできた。俺は拓真と一緒に学校を出た。


「で」


拓真が言う。


「今日うち来るの?」


「行く」


「本人に連絡した?」


「した」


「返事は?」


「既読」


何も進んでいない。高瀬家へ着く。


「ただいま」


「お邪魔します」


リビングへ入ると、彩花姉がソファで雑誌を読んでいた。俺たちを見る。


「拓真?」


「こんにちは」


「凛ならまだ帰ってないよ」


今日も一発で目的を見抜かれた。拓真が少し傷ついた顔をする。


「俺、そんな分かりやすいですか?」


「かなり」


「悠斗より?」


「恋愛に関しては拓真の方が百倍分かりやすい」


それはそうかもしれない。俺たちは冷蔵庫から飲み物を出し、リビングでゲームを始めた。


二十分ほどして玄関が開く。


「ただいま」


凛。拓真がすぐ反応する。


俺はゲームから目を離さない。数秒後、リビングのドアが開いた。


「ただい――」


凛が拓真を見る。


「……またいる」


「おかえり、凛ちゃん」


「昨日LINE返さなかったですよね」


「だから直接聞こうかなって」


強い。凛は鞄を置く。


「日曜は行きません」


「まだ映画って言ってないけど」


「昨日LINEで言ってました」


「じゃあ見てくれてたんだ」


「既読つけましたから」


「嬉しい」


「怖いです」


俺は笑った。拓真がこちらを見る。


「笑うな」


「無理」


凛は冷蔵庫へ向かう。拓真が諦めずについていく。


「じゃあ映画じゃなくてご飯」


「行きません」


「買い物」


「行きません」


「散歩」


「犬いないですよ」


「俺がいる」


「もっと嫌です」


彩花姉が雑誌で顔を隠して笑っている。


「凛ちゃん」


拓真が言う。


「一回くらいチャンスくれてもよくない?」


凛は飲み物を取り出しながら少し考えた。拓真の顔が明るくなる。


「嫌です」


「考えた意味は?」


「ちゃんと断ろうと思って」


俺は耐えられなくなって笑った。


「悠斗!」


「ごめん、無理」


凛が俺の隣へ座る。


「お兄ちゃん」


「何?」


「莉奈さん、今日変じゃなかった?」


今度は俺が止まる。


「なんで知ってる?」


「LINE」


またか。


「何て?」


「秘密」


今日何回目だ。


「みんな俺の知らないところで何話してんの?」


彩花姉が雑誌を閉じる。


「彼女と妹が仲いいんだからいいじゃん」


「それはいいけど」


「悠斗が知らなくていい話もあるでしょ」


「俺の話してる?」


凛と彩花姉が同時に黙った。している。


「してるだろ」


「少し」


凛が認める。


「何を」


「言わない」


「何で」


「女子会だから」


「LINEでも女子会って言うの?」


「言う」


知らなかった。拓真が横から言う。


「俺も入れて」


凛が即答する。


「絶対嫌です」


「俺、女子の話聞くの得意だよ」


「それ以上近づいたらブロックします」


拓真が黙った。初めて効いた。


彩花姉が笑う。


「凛、それは強い」


「これくらい言わないと分からないから」


「分かりました」


拓真が素直にソファへ戻る。俺は少しだけ可哀想になった。


少しだけ。夕食前。


俺が自分の部屋へ戻ろうとすると、凛に呼び止められた。


「お兄ちゃん」


「何?」


「莉奈さんのこと、大事にしてる?」


急だった。


「何で?」


「いいから」


少し考える。最近のことが浮かぶ。


朝一緒に学校へ行く。帰りも一緒。


休日に呼ばれれば会いに行く。家族とも仲良くなった。


そして昨日、一昨日は手をつないだ。


「大事にはしてると思う」


「思う?」


「してる」


言い直す。凛は俺の顔を見る。


「ならいい」


「何なんだよ」


「別に」


またそれだ。


「水瀬、何か言ってた?」


「言ってない」


「じゃあ何で聞くの」


凛は少し迷った。


「莉奈さん、たぶん色々考えてるから」


それだけ言った。


「何を?」


「それは本人から聞けば?」


「教えてくれないだろ」


「じゃあ待てばいいじゃん」


美咲姉みたいなことを言う。


「お兄ちゃん、人の気持ち読むの得意なんでしょ?」


「他人なら」


「莉奈さんは?」


答えられない。凛が小さく笑った。


「やっぱりね」


「何が」


「お兄ちゃん、莉奈さんのことだけ全然分かってない」


また言われた。そのころ。


駅前のカフェでは、莉奈が真帆と由依の向かいに座っていた。放課後、二人に半ば強引に連れてこられた。


理由は分かっている。朝からずっと追及されていたことだ。


「で」


真帆が言う。


「もう逃げないでね」


「何から」


「昨日」


莉奈はストローで飲み物を混ぜる。


「何もないって」


「じゃあ聞き方変える」


真帆が少し身を乗り出す。


「高瀬と手つないだ?」


莉奈の手が止まった。由依が小さくため息をつく。


「真帆、直球すぎ」


「回りくどく聞いても莉奈逃げるし」


莉奈は二人を見た。


「……なんで分かったの?」


真帆がテーブルを軽く叩く。


「やっぱり!」


「声大きい!」


「いつ?」


「昨日じゃない」


真帆が止まる。


「昨日じゃない?」


莉奈は視線を逸らした。


「一昨日も」


数秒。真帆も由依も黙った。


「二日連続?」


「……うん」


真帆が椅子にもたれる。


「莉奈」


「何」


「それもう完全に普通の彼女じゃん」


言われると思っていた。だから言いたくなかった。


由依が静かに聞いた。


「どっちから?」


「最初は私」


真帆が目を丸くする。


「莉奈から?」


「人多かったから」


「二回目は?」


莉奈は答えにくい。でも二人は待っている。


「……高瀬」


真帆が顔を覆った。


「何その順調なカップル」


「だから違うって」


言ってから。自分でも、その言葉に違和感があった。


何が違うのだろう。二人で会う。


毎朝一緒に学校へ行く。毎日のように一緒に帰る。


家へ行った。姉妹とも仲良くなった。


休日にも会いたくなる。そして手までつないだ。


真帆が静かに聞く。


「莉奈、本当にまだ罰ゲームだと思ってる?」


笑っていなかった。莉奈は答えない。


由依も言う。


「最初に決めたことと、今莉奈がしてること、もう別じゃない?」


「……分かってる」


小さく答えた。


「分かってはいるけど」


その先が出ない。真帆も急かさなかった。


少しして、莉奈は両手でグラスを持つ。


「高瀬、何も知らないんだよ」


二人は何も言わない。


「私が最初に何で告白したか知らない。なのに普通に彼女だと思ってて、家族にもそう言ってて……美咲さんも彩花さんも凛ちゃんも、普通に私のこと受け入れてくれて」


声が少し小さくなる。


「お母さんも。また来てねって言ってくれて」


由依が聞く。


「だから言えない?」


「……うん」


「それだけ?」


莉奈は止まった。それだけではない。


本当は分かっている。言ったら終わるかもしれない。


高瀬に嫌われるかもしれない。家族にも嫌われるかもしれない。


でも一番怖いのは。高瀬の隣にいられなくなること。


「莉奈」


真帆が静かに言う。


「最近、高瀬の話ばっかりだよ」


「そんなことない」


反射で否定する。


「ある」


「ないって」


「今日だって、学校来て最初に話したの高瀬のこと」


由依も頷く。


「昨日も」


「一昨日も」


二人に言われる。莉奈は何も返せない。


真帆が続ける。


「高瀬が女子に見られたら嫌で、デートしたら楽しくて、家族と仲良くなって、休みの日に自分から呼んで、蓮のこと気にしてる高瀬見て嬉しくなって、今は手までつないでる」


一つずつ並べられると逃げ道がない。


「それでもまだ、高瀬に何も思ってないって言う?」


莉奈はグラスを見る。答えられない。


由依が静かに言った。


「好きって認めるのが怖い?」


胸が大きく鳴った。


「……違う」


声が弱い。真帆も由依も何も言わない。


莉奈はしばらく黙っていた。そして。


小さく息を吐いた。


「好きになったら」


初めて口にする。


「もっと最低じゃん」


真帆の表情が変わった。


「最初は騙すつもりだったのに。高瀬が本気になったところで笑って終わらせるつもりだったのに」


そこまで言うと、胸が苦しくなる。


「それで途中から私本気になったから、やっぱり付き合ってくださいって……そんなの都合よすぎるでしょ」


由依がすぐには答えなかった。少しして言う。


「都合がいいかどうかを決めるのは、高瀬くんじゃない?」


莉奈が顔を上げる。


「莉奈が勝手に答えまで決めることじゃないと思う」


真帆も頷いた。


「最初のことは謝るしかないよ。それで高瀬が怒るなら、ちゃんと怒られないと」


「……うん」


「でも」


真帆は少しだけ笑う。


「好きになったことまで悪いことにしなくていいんじゃない?」


莉奈は答えなかった。まだ。


好きだとは言えない。でも。


嫌いではない。友達とも違う。


罰ゲームの相手なんて、とっくに違う。そして今日。


高瀬と一緒に帰れないことを、少し残念だと思った。明日は一緒に帰ろうと、自分から約束した。


それが何なのか。もう分からないふりをする方が難しくなっていた。


その夜。莉奈はベッドの上でスマートフォンを見る。


凛とのトーク画面。


『今日、お兄ちゃんと帰ってないんですね』


『真帆と由依と寄り道してた』


『珍しい』


少し迷ってから送る。


『凛ちゃん』


すぐ既読。


『はい』


指が止まる。書いては消す。


また書く。


『もし』


消す。もう一度。


『もし私悠斗に何か隠してたら、凛ちゃん怒る?』


送った瞬間。後悔した。


重い。消したい。


でも既読がついた。返信は少し遅かった。


『内容によります』


凛らしい。続けて、


『でも、お兄ちゃんを傷つけることなら怒ります』


胸が痛む。当然だ。


さらに一件。


『莉奈さんのことも好きなので、莉奈さんが一人で悩んでるならそれも嫌です』


莉奈は画面を見たまま動けなくなった。凛は何も知らない。


それでも。自分を好きだと言ってくれる。


『ありがとう』


それだけ送る。しばらくして、悠斗からもLINEが来た。


『明日朝8時?』


いつもの確認。莉奈は少し笑う。


『うん』


送る。少し迷って。


もう一件。


『帰りも一緒ね』


すぐ既読。


『約束したからな』


その返事を見た瞬間。胸が温かくなる。


嬉しい。明日会える。


一緒に帰れる。また手をつなげるかもしれない。


そんなことを考えている。莉奈はスマートフォンを胸元へ置いた。


「……もう無理じゃん」


小さく呟く。好きだと認めたら。


もう罰ゲームではいられない。でも。


認めないまま続けることも。もうできそうになかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。