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『あるマッド魔導具職人の日常 〜死の大陸に核ミサイルを撃ち込んでレベル6311になった件〜』  作者: すわ


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『馬を超えた馬!黒龍号!』

「さぁて、完成品を持っていきますかね。」


今日は領都に納品に行く日だ。

商品の検品をして配達。

だがうちには馬がいない。どうするか?


「馬型ゴーレムの黒龍号!今日は頼むぞ!」

「ブルィイイイイイイン!」

『なんですかこの生き物は?!馬とはなんですか?』

「どう見ても馬だろ!かっこいいだろ!」

『子供が描いた、なんともしれない生き物ですよ。よく現実に表現出来ましたね』

「ふっ絵心がありさえすれば、ゴーレムとして再現出来るのだ!絵の通りにな!」

『絵の通りだからこんな生き物になってしまったんでしょう。かわいそうな黒龍号』

「かわいそうとかいうな!よし荷物を積むからな!黒龍号!」

「ブルィイイイイイイン!」


そこに荷物を取りに行ってたトトが帰ってくる。

「シャチョー!かっちょいい馬ですね!名前はなんですか!」

「さすがトト!すぐ良さがわかったな!名前は黒龍号だ!」

「コクリューゴー!よろしく!」

「ブルィイイイイイイン!」

『鳴き声も同じなんですね』

「設定が1つなんでな」

『手抜きですか?』

「いや、別に手抜きというか……いらなくないか?」

『やっぱりかわいそう黒龍号』

「ブルィイイイイイイン!」

「怒ってるのか?よくわからんが、いくつか作るから今回は我慢してくれ!」

「ブルィイイイイイイン!」

「よしよし。落ち着いたな!」



「さて、確認も終わった。出発しようか」

「いくぞー!コクリューゴーはっしーん!」

「ブルィイイイイイイン!」


領都 ヴァルカナス


「ここはなんていう名前なんだ?」

『ヴァルカナスですよ。領都の名前も忘れちゃったんですか?』

「普段使わないからな。ギルバート様が治めてるんだろ?それは知ってる」

『それまで忘れてたら、バルトさんに怒られますよ』

「ほんとだな。今日のお客さんだからな。バルトさんとの待ち合わせ場所はあそこかな?」


「こんにちは。ケイといいます。商品の納入に来ました」

警備の人間に話しかける。

「こんにちは。話はバルト様から聞いてます。こちらへ。すぐバルト様に使いを出します」

「ありがとうございます」


荷物をおろしていると、バルトがやってきた。

「おーケイ殿!よく来てくれました!」

「バルトさんこんにちは!」

「これが注文していた街灯ですか。重いんじゃないですか?」

「使いやすいように、軽い素材を使用してます。今回は持って来られるだけ持ってきたんで、全然足りないと思います。大量に運ぶ場合はバラして運ぶことも可能ですよ」

「すばらしい!まずはこれを1つ設置してみましょう」

「ブルィイイイイイイン!」

「うわっ!この生き物はなんですか?これ馬じゃないんですか?」

「馬です。黒龍号といいます」

「馬……ケイ殿がそういうなら馬なんでしょう。ゴーレムですか?すごい精密ですね」

「ふふふ。わかりますか。完璧に馬。完璧な嘶き。もはや馬を超えた馬なのです」

『馬を超えたせいでこうなったんですか?超えなければよかったのに』

「ははは。ケイ殿は我々の予想を超えてきますからな!」

「ははは!」『はははじゃないですよ……』


「まず、この街灯は下の部分を地面にここの線の所までは差し込んでください」

「これだけでいいんですかな?倒れてきそうですが」

「大丈夫です。これだけ入れば、電源をオンにするだけで、地面に対して魔法陣が刻んであるので、下に押す力が働くようになってます。一旦ここまで埋めれば、よほどの力がかからない限り動きません」

「移動させる場合は?」

「一旦魔法陣を切る必要があるので、電源をオフにするだけです」

「す……すばらしい!とんでもない商品を作ってくれますね!ギルバート様も満足されるはずです!」

「あとは灯りがどれだけ明るいか見ましょう。それと電池の効率ですね」

「そもそも電池とはどういう意味なのです?」

「これは形式的なもので、私がそう呼んでるだけです。魔池とかでもいいです。魔力が詰まってるんで」

「いえいえ。もはやこの形はデンチとみんな呼ぶようになってます。ケイさんのブランドになってますから、みんなわかりますよ」

「それなら電池と呼びましょう。この電池をここにセットするだけです」

「2個でいいんですか?」

「はい。2個セットします。大体2か月くらいもつんじゃないでしょうか」

「とんでもない効率ですな。いつも魔石をたくさん入れた箱に、3日に1度継ぎ足してるんですから」

「使用してる魔石のマナ量にもよりますからね。仕方ないですよ」

「では灯りをつけてみましょうか」

バルトが合図する。

「おおお。まだ夜ではないのに明るいですな!」

「ふむふむ。電気がついたので壊れてはないですね。これは一旦消して夜まで待ちましょう。あとの街灯も配置しましょうか」

「夜までにやってしまいましょう」


領主館前にも両側に1本配置。今回持ってきた6本を全部配置した。


「ギルバート様が食事に誘われてますぞ」

「ありがたいですが、みんな連れて行けますか?」

「問題ないようです。アルさんも全然問題ないです」

「良かった。ならみんなで食事に行きますか。服装はいつものでいいんですかね?」

「問題ないです。正式なものではなく、あくまでただの食事会なので」

「ありがとうございます。準備したら伺いますよ」

「お待ちしております。迎えもやりますので」

「了解しました」


ギルバート邸


「こちらです」


ドアが開かれる


「ギルバート様。初めてお目にかかります。ケイと申します」


「おお!よく来てくれた!領主のギルバート・ヴァルカナスだ。今日は食事を用意している。せっかく設置してくれたのだ。街灯をみながら食事をしようじゃないか」

「はい。食事まで準備いただきありがとうございます」

「よいよい。さっそく点灯しようじゃないか。バルト。点灯させるのだ」

「はい。点灯!」


指示により、両側の電灯がずらっと点灯する。


「うむ!よいな!さらに運ばれてくれば、この道が全体的に明るくなる。明るくなれば犯罪も減るのだ。警備もしやすい。だが今までは経費が掛かりすぎて出来なかったのだ。ケイのおかげでその問題も解決した!ありがとう!」

「いえいえ、そのご英断をされたのはギルバート様ですから。私は電灯を作っただけです」

「ははは。謙遜するな。そなたの魔導具は質がいいとみんな言うておるわ」

「そう言っていただけるとありがたいです」

「うんうん。食事を取り給え。乾杯の音頭だけとろう」


「みんな飲み物は持ったか?今日は我がヴァルカナス領が一段と明るくなった日だ!めでたい!明るくなるという事は縁起がいいのだ!今日はみんな好きなだけ食べて飲んでくれ!乾杯!」

一同 「「「「乾杯!」」」」


しばらく歓談していると……


「ん?ケイよ。あそこに何か生き物が見えるな?そなたの馬か?」

「はい。黒龍号といいます。おーい黒龍号!」

「ブルィイイイイイイン!」

「おお!近づいてくると、とてもカッコいい馬であるな!」

(かっこいい?)アル

(かっこいいですと?)バルト

(かっこいいなぁ)トト

「カッコいいですよね!」ケイ

「普通の馬を超えた馬というか、最高の馬だ!なぁバルト!」

「はい!最高の馬ですな!」

「わしもああいう馬が欲しいな!ゴーレムか?センスがあるな!」

「はい!ゴーレムです!ギルバート様もお目が高い!ご要望でしたら、2頭引きの最高の馬車を最高の馬にひかせて見せましょう!」

「うむ!すぐに注文しよう!頼むぞ!」

「お任せください!」

「はっはっは!気分がよいわ!」

「ケイ殿さすがですな!」(いくらなんだろう・・・)

『ギルバート様と気が合うなんて素晴らしい事ですね』

「うんうん。馬を超えた馬 黒龍号なんだよ」

「コクリューゴーすごいなー」

「ブルィイイイイイイン!」


しばらくすると、領都ヴァルカナスには「領主お気に入りの馬」

ケイ制作の「馬を超えた馬ゴーレム」があちこちでみられるようになるのだった。


『ご主人様のせいで、とんでもない風景になってしまいました……』

「すばらしい風景だろ!かっこいいだろ!」

「ブルィイイイイイイン!」

『たくさん鳴き方作っても、これしか使わないじゃないですか』

「褒められてうれしかったんだろ。仕方ないな」

「ブルィイイイイイイン!」

『はぁ……』

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