『掃除機って速い方がいいじゃんね?』
「ブィーーーーーーーーーーン」
「いいぞいいぞ!追い越せ!」
「ブィーーーーーーーーーン!」
赤い機械を青い機械が追い越した!
「よーし。やっぱりな。赤の方が末脚が違うのよ」
『何やってるんですか。謁見室で』
「ここが一番コースが長いのよ」
『いや、そうじゃなくて。ここで何をやっているのですか?』
「お掃除君レースだけど?」
『これ、掃除機なんですか?』
「そう。掃除機だけど、イマイチ速さが足りないのよね」
『こんな速さで掃除する必要あります?』
「エンターテインメント性も持たせていかないと。これからの掃除機は」
『どういう観点でものを言ってます?』
「まだまだじゃな。アルは」
『一生わからないと思います』
(面倒なことはセレスティアに任せておく。これが一番うまくいく。
俺は新作の開発に専念しているのだ)
「末脚の伸びもだが、初っ端の加速がなぁ」
『まだ早くしたら、みんな撥ねられちゃいますよ』
「ふむ。それはあぶないな」
『気づかなかったんですか?!』
「じゃあこの辺で勘弁してやろう」
『もう少し遅くていいですけど』
「じゃあアルはこの青いので勝負な」
『しませんよ』
「ケチー」
『はぁ、1回だけですよ』
しばらく一緒に勝負して遊んだ
「陛下。少しよろしいですか?」
最近内政官として頑張っている「ベント」だ。
「なんだ?何か足りないものがあったか?」
「はい。堤防建設の話なのですが」
「おう。川があふれてるっていう話だな?」
「はい。モンスターが徘徊するせいで、川岸が破壊されている箇所があります。それの修理です」
「部下たちではだめか?」
「出来るんですが、相当な時間かかるのと、多大な危険性がありまして相談しにまいりました」
聞くと、どうも雨が降ると、一気にあふれてすぐ人を飲み込んで洪水になるという話らしい
「俺の出番か。まぁ行こう」
何でもケイが解決しない理由は内政官には伝えている。
結局自分で出来ないと、国家は続いていかない。
一人で出来たとしても、やらないのが国の為だ。
「さぁて、作業に戻りますか」
次は掃除機に自動モードと手動モードを付ける。
「よしよし。これでさらにレースが面白くなったぞ!」
次に「加速」ボタンを追加して、面白さを加速!
「ギュイーーーーーーン!」
「完璧だ!」
『だから速くなくていいと言ったでしょう?』
「ダメだよ。レースなんだから」
『掃除機なんでしょう!』
「掃除機は速ければ速いほどいいって。死んだ爺さんが言ってたよ」
『本当に言ってたかもしれないから怖いし、確かめる術もない……。ところで、ご主人様のお爺さんいつ死んだんです?』
「元気に農業やってるよ」
『死んでないじゃないですか!』
「よし!これはこれで完成と」
『流された……』
研究室に移動するケイ。
呆れた目で見つめるアル。
これが最近の日常なのだ……
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