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『あるマッド魔導具職人の日常 〜死の大陸に核ミサイルを撃ち込んでレベル6311になった件〜』  作者: すわ


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『野球で世界を救おう!』

「バルトさんどうしましたか?」

「実は、ヴァルカナス騎士団の問題なのです」

「騎士団の?私に何か出来る事が?」

「最近モンスターが強くなってきておりまして、騎士団の集中運用をしております」

「数で押してるわけですか?」

「そうです。普段の倍の人員を1か所に投入している状態です」

「数足りないでしょう?」

「そうなんです。どうやっても、抑えきれない場所が出てきております」

「中央はなんと?」

「そちらも騎士団が出払っており、手伝う事が不可能だと……」

「うーむ。被害が増えてそうですねぇ」

「そうなのです。騎士団不足の地域が軒並み襲われております。このままでは……」

「とはいえ、しがない魔導具職人に何を頼むのです?軍用食とかですか?」

「せめて、何か防衛に便利な魔導具を制作してもらえないでしょうか?騎士団が向かうまでの時間を持たせられれば十分なのです」

「うーん」


ケイは国の問題にかかわるのが嫌いだ。

ケイが解決出来たとしても、それは違うと考えている。

だが、無駄に襲われて人が死ぬのもかわいそうだと思っている。


「よし!野球で救いましょう!」

「え?ヤキューですか?」

「強いボールを作りますので、村人をボール投げが上手になるよう育てます」

「強いボール?」

「はい。ボールが当たれば勝てるようなボールです」

「可能ですか?」

「可能です。ただ、軍で使用しないでください。あくまで村人に渡します」

「なぜでしょう?」

「軍人は人数が限られているので、もし来ることが不可能な時に自分で守れるようにです。まさに今の状態です」

「ふーむ。国は許可するでしょうか?」

「しないなら村人が死ぬだけですよ」

「うううむ」


「初めの数個だけ、国か領主が買って配ってください。まだ必要となれば、村が買います」

「村に料金支払えますか?」

「野球で倒した敵から魔石や素材を取って、売って金にするのです」

「冒険者のようですな」

「そうです。敵がたくさん来るなら、倒せるだけ稼げます。場所ごとに必要な数も違うでしょう」

「確かにそうですな」

「ヴァルカナス領だけでもやってみては?」

「取り敢えずギルバート様に進言してみますので、ケイ殿はボールの準備お願いします」

「了解しました」


商売の話に出来てほっとするケイ。

政治に関わりたくないが、放置しておくわけにもいかない。難しい選択だ。

まずはボールを作らないとな。


♦♦♦


しばらくして……


「ジャキン!ジャキン!」


ボールから周りに針が出たり入ったり続けている


「ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!」


『あのー。ボールからする音ではないと思うのですが』

「攻撃スタイル考えてる。これは【スーパーハリネズミ君】だ」

『確かに聞けばわかりますけど、どうなんです?』

「今の所、村人を串刺しにするだけのボールだな」

『最低なんですけど……』

「どのタイミングでハリネズミになるかを調べてる」

『いいタイミングとは、敵に当たった瞬間ですね?』

「そう。難しいのよ」

『針はだめかもですね』

「そうなぁ。もうちょっと頑張ってみる。せっかくだからな」

『うまくやってくださいよ』


数時間後……


「あはははは!」

『何か面白い要素ありましたか?』


急にケイが笑い出したので、アルが部屋から出てきた


「見てくれ!面白いぞ!」


どこから連れて来たか、モンスターにボールがくっついて、ジャキンジャキンしてる。


『グロくないですか?』


「何か面白くてな。どんどん連れてきて投げつけてる」

『それみて笑ってたら、サイコパスですよ』

「そうかな?いやー久々に笑ったわ」

『……どう表現すれば……』


ボールを投げつけると、近くに来るとひっつく。そしたら、敵方向に針がたくさんジャキンジャキン繰り返す。単純だが強い。


『魔法とかじゃないんですね?』

「魔法をな、誰でも使えるのは、批判が多いのだよ。この国は」

『そうなんですか?』

「そう。俺は魔導具の学園に行ってるから知ってるのよ。魔法使いの面倒さを」

『魔導具師と同じようなもんではないのですか?』

「あいつらは選民思想を持っててな、選ばれてない者が、選ばれしものと同じことが出来るのを許さないやつらなの。だから魔法が簡単に撃てる棒とか売ってないだろ?」

『確かに。妬まれるという事ですか?』

「妬まれるどころか、狙われるよ。命を」

『それはひどい。そんな思想もあるんですね。学びました』

「そういうやつらがいるなかで、モンスターから国を守るのは難しいぞ」

『確かに。流石に、魔法使いも選民思想があるとはいえ、今はモンスター退治に協力してるのでは?』

「してるだろうが、エリートを守るのに必死ではないかな。そういうやつらだ」

『民は?』

「見捨てるだろうな」

『ひどい』

「ひどいね。まぁ」

『まぁって。そういう事ではないのですか?』

「なんて言うか、この世界は基本的に自力救済だからさ。(仕方ない)ですませちゃうのよね」

『この世界は。とは独特な言い回しですね』

「そう。そんな世界なのよ」


「さ。このボールで勝てない敵がいないか確認していこう」


色々な敵を捕獲。動けなくなる魔導具で捕まえて、実験。


村にたくさん出る、LV50程度の敵を楽勝出来る程度の強さに調整。

これでも村が滅びる強さしてるんだから、困ったもんだ


いざという時の為に、バットの先にブースターのついた、ロケットバットも作成

強敵が出てきた場合、近距離でホームランしてやる武器。

最悪の場合のみ使用するもの。目盛りを付けて、最大LV100くらいまでに設定しておく。


「もうこれ以上しらんぞ」

『うまくできてます?』

「こういう時は……トトー!」

「はいシャチョー!」

『また……ケガさせないでくださいよ』

「このロケットバットを振ってみろ!」

「かっちょいいですね!普通のバットと何が違うんですか?」

「振る速度が違う。全部ホームランになるぞ!」

「インチキバットですね!面白そう!」

「試合では使えないぞ。モンスターに使う」

「モンスター打ってホームラン!楽しそうです!」

「よし、素振りしてみろ。目盛りはこうやって……」

「ふむふむ……」


「わかりました!見ててくださいシャチョー!」

「気分のせる為に、ボール投げてやる。思いっきり最大レベルで打ってみろ!」

「はい!絶対ホームランしますよ!」


トトはとても乗り気だ!


ちょっと離れて遠くからケイが投げる


「ピッチャー振りかぶって!投げました!」


「カキーーーーーーーーーーーーン!ゴウンゴウンゴウンゴウンゴウンゴウン!」


速度は加速を続け、竜巻を巻き起こした!


『やっぱり!威力高すぎますよ!』

「おかしいな?ボールなんか打たせたらダメだったか。重たい、レベル100の敵で反作用によって止まる予定だったから」

『ご主人様!トトが!』


「わぁあああああああぁぁぁぁぁ」


竜巻に巻き込まれてる上、まだグルグル回っている為、勢いよく飛んで行った。


「ふむ。バットでもそら飛べるんだなぁ」

『トトを助けないと。どこ行ったんですかトトは』

「さすがに宇宙ってことはない。安心しろ」

『いや、宇宙じゃなくても落ちたら死ぬでしょ』

「確かにな。こんなこともあろうかと、トトには発信機を付けてる」

『どんだけ実験台にするのを前提にしてるんですか。それでどこに?』

「すごいぞ!もう10ルーン(10Km)も飛んで行った!」

『何に対してのすごいですか。早く助けてあげてください』

「そうだった。死ぬ前に急げ急げ」


ケイは黒龍号に飛び乗り、トトを探しに行った


「ぁぁぁぁぁぁぁ……」

「お?気絶したな?それは好都合」


下手に意識があると、暴れたりして危険なのだ


トトの下に来たら、黒龍号から飛び降り、ジャンプ!


「よいしょー。キャッチ成功」


ケイは何があってもノーダメージだから、気にせず着地


「ドーーーーン」


地面が少しへこんだだけ。


「帰るか。トト」


肩にトトを抱えて黒龍号で帰る。


『ご主人様。知らない人が見たら、人さらいですよ』

「ま、大丈夫だろ」


「大体完成だな。あとはバルトさんとの相談だ」

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