『ほうきの妖精ポチ』
『そ、それは何です?怖いんですけど?』
「発想の転換というやつだ。ほうきだ」
サッサッ!サッサッ!
ほうきが自動で掃いてる。
『いやいや。自動で動くのはいいとしても、何ですかその見た目は』
「やぁ。僕はほうきの妖精さ」
『シャベッタ!』
「妖精だからしゃべるだろ?」
『いやいや、妖精じゃないでしょ』
「妖精だよ。本人が言ってるんだから」
『……』
ほうきに目と口がついており、勝手に掃いている状態。
『子供が泣きますって。怖いですよ』
「そうかな?かわいくないか?」
『かわい……くないです』
「残念だなぁ」
「これはかわいいですね。ほうきですか?」
セレスがやってきた
『セレス様。かわいいですか?目がどうかしてしまったのでは?』
「はっはっは。かわいいだろー」
「はい。キュートですね」
『古代は怖いをキュートと呼んでいたんですね……』
「まだ納得しないか。トト呼んでみよう。オーイ!トトー!」
倉庫に行ってたトトがやってくる
「シャチョー呼びました?……ってなんですそれ?」
「僕はほうきの妖精だよ!」
「ほうきの妖精?おかしな見た目してますね。顔があります」
「おかしいか?怖いか?」
「怖くはないですけど、見慣れないですね。勝手に動くんで驚きますね」
「そういう反応か。売れそうではあるな」
「勝手に掃いてくれるんでしたら、売れるんじゃないですかね?」
驚きながらもトトが答える
「ふむふむ。専用チリトリも作ろう」
『それは必要かもしれませんね。もし売れるのであれば』
「取り敢えず売ってみて、ダメならまた考えよう」
「僕はほうきの妖精だよ!」
『また言葉1つですか?』
「コスト削減だよ」
『手抜きでしょ』
販売してみると、結構売れている
『う、売れてる……』
「ふむ。成功だな。だがまだ足りないな」
『そうですか?十分だと思いますけど』
「まだ、何か足りない」
『絶対いらない機能を付けるつもりですね』
研究室で何かを始めたケイ
「ヴォンォンォン!」
『何か走り出しそうな音がしてますけど』
アルが入ってきた。
「ゴォォォオオオオオオ!」
『何してるんですか?!』
音がすごくてよく聞こえない
「なんだって?」
『何をしたらこんな事に?』
「回転の中心は、ほうきの上の部分。握る所の少し上にあるのだ」
『???それで?』
「という事は、速度を上げると、それを中心に回り始める」
『?????何の説明をしているのですか?』
「回転が無限に上がっていくと、どういう結果になるか?」
『それがこの状態だと?』
「そうだ。思いのほか丈夫に作りすぎたようで、折れそうな感じはない」
『バリアなかったら吹き飛ばされてますよ』
「そろそろ部屋ごと飛ばされそうだな?」
『止めてくださいよ』
「止めようにも、どうやって近づけばいいんだ?」
『どうして私に聞くんですか!作る前に考えといてくださいよ!』
ベキベキベキ!バリバリッ!
『か、壁と天井が……』
「ふむ。威力は十分だな」
『武器だったんですか???』
ブォォォォォォオオオオオンン!ォォォォォ……
『どこか飛んでいきましたよ』
「行ったな。行きたい場所があったんだろうな」
『絶対ないと思いますけど。行った先で止まるんでしょうね?』
「さぁ。またいつか帰ってくるんじゃないか?お腹がすいたら」
『お腹すきますかね?』
「内蔵マナ電池が切れたら止まるかもな」
『人がケガをしなければいいですけど』
「あの角度なら大丈夫だろう」
『いいかげんすぎるでしょう?』
爆音で空を飛ぶモンスターが現れたと噂になったが、すぐ忘れ去られた。
♦♦♦
数日後……
「ん?これはなんだろう?シャチョーのほうきかな?」
トトは店の外で何かを拾った
「シャチョーほうき落ちてました」
「おー返ってきたかポチ」
『それにも名前付いてたんですか』
「やっぱりお腹すいて戻ってきたんだなヨシヨシ」
『お腹関係あります?』
「よーし。餌をやろう」
『やったらまた飛んでいきますよ』
「放し飼いというのも味があるだろう」
『迷惑だからやめなさい』
店の方からセレスがやってきた
「ケイ様。バルト様がいらしてますよ」
「ん?なんだろう」
珍しく難しい顔をしたバルトがやってきたのだった。
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