『木炭を作ろう!』
「ボゴォォォォォォォォォン!」
「だめか……」
『ご主人様。今日は何を作ってます?』
「掃除機だな」
『掃除機って、掃除する為のものですよね?爆発する要因あります?』
「小型化しようと思ってな。ゴミを入れる所に圧縮機能を付けようと思ってるのだ」
『圧縮機能を失敗したら爆発してるんですか?』
「そうなるな。付けなければ爆発しないだろう。たぶん」
『危険な掃除機ですね。ほうきじゃダメでしょうか?』
「そんなにダメでもないのが困ったところだ」
『別にそんなに家が広くないですからね。みんな』
「そう。掃除する範囲が広くないから、別にほうきで足りる。金持ちにしか売れなそう」
『あんまり乗り気でなさそうですね』
「金持ち用だから、能力高いものを高く売るしかなさそうなんだよな」
『もっと普通の人に必要なものにしては?』
「うーん」
『ところで、トイレって出来たんですか?』
「ああ。ただ水が出るだけのつまらないトイレは完成した」
『それで十分でしょう……』
「問題は下水道がショボイのと、水道がショボイせいで、水を自分で出す必要があるのと、下水の処理をしないといけないのと。それで爆発していたのだ」
「あれも圧縮させていたのですか?」
「そうだ。難しいのだ。圧縮しても消滅してないから、いずれ爆発する。だから排水設備を作らないといけない。下水道整備をする必要がある。これは国の仕事なのだ。俺がするのは違う気がする」
『良く解らないですけど、難しいんですね』
「シャチョー。シャチョーを訪ねて誰か来てますよ?」
「ん?だれだろ?」
南の村の村長さんだ。バットの製造してくれてる。
「こんにちはケイさん。お世話になってます」
「ジョルチさん。こんにちは。今日はどうされましたか?」
「バットの販売も順調でありがたいことです。今日は村のお金もだいぶ溜まってきたので、次の仕事を一緒に考えてもらえないかと。私も色々考えているのですが、いい案が思いつかないのです」
「いいですけど、人手は足りますか?」
「はい。仕事があるということで、引っ越ししてくる村民もいまして、だいぶん村も育ちました」
「へぇ。それは良かったのかな?逆に仕事が足りなくなってきたんですか?」
「はい。バット工房も増やしすぎても、販売しきれなくなりますので」
「確かに。バットもそんなに折れたりしないですもんね」
「それで違うものを考えているのですが、私達では、木材を建築材にするくらいしか考え付きません。ケイさんなら何かいい案が浮かぶのではないかと。頼ってばかりですいません」
「全然かまいません。実験も行き詰ってましたから」
「木材もいくらか持ってきたので、一緒に考えてもらえませんか?」
「やりましょう」
ジョルチさんと一緒に、木材の新たな利用法を考える。
少し燃やしてみたり、色々やっていると……
「この【ザザの木】というやつ。硬すぎて加工が難しいんですね?それなら違う使い方ありそうです」
「本当ですか?この木もたくさん生えているので、利用法があればいいのですが。建築材にはちょっと使いにくい木なのです」
「一度これを木炭にしてみましょう。準備します」
「木炭ですか……良く解りませんが。お任せします」
しばらくして……
「これでよし。時間がかかりますので、今日は一旦終わりにしましょう」
「ありがとうございます」
「一緒に食事でもしましょう。もしうまくいった後の話もありますから」
「そうですね。久しぶりにこの街にも来ましたから」
いつものゴライアス食堂へ
「これは珍しい食べ物ばかりですな!」
「そうでしょう?店主が天才なんですよ」
「これなんか美味しそうです!」
「いいですね。私は魚のフライにします」
『私も食べてみます』
「お。そうだな。食べてみるといい。美味しいぞ」
食事が運ばれてくる
「いただきます」
「それは何ですか?食べる前の挨拶ですか?」
「そうです。神への感謝みたいなものですね」
「では私も。いただきます」
「モグモグ。うますぎルパード!」
『でちゃうんですね。それ』
「美味すぎだからな」
「もう一度お願いします」
「うますぎルパード!」
「うますぎルパード!」
『流行らせないでくださいよ』
「アルも」
『絶対しません!』
「美味くない?」
『美味いです。うますぎルパードですけど……』
「でもポーズは取らないと……様式美だぞ」
『しませんよ。当たり前でしょう……』
「楽しい気分になります!」
村長はご機嫌だ!
『これは村でも流行りますね……』
そんなこんなで次の日……
「さて、出来たな。これが木炭です」
「木炭。何に使うんですか?」
この世界では、魔術が盛んであり、木をくべて燃やす以外の使い方は一般的ではない
「これを使うと、高い温度にすることが出来るんですが、それは今回の目的ではありません」
「というと?」
「これです」
「何か焼くのですか?」
「まぁ見ててください」
前もって準備してあった、炭火焼用のセットで、串焼きを作り出した
「ジュージュー」
「とんでもなくおいしそうな匂いがしますが」
「ふふふ……期待していてください」
「さて、丁度焼けてきましたか。どうぞジョルチさん食べてみてください」
焼きあがった焼き鳥をジョルチに渡す
「はい。モグモグモグ……う、う、うますぎルパード!」
完璧なポーズで美味さを表現する!
「アルも食べてみな」
『はい。……これは美味しいです』
「これが流行れば、木炭販売が仕事になると思うんですよ」
「すばらしい!作り方も教えてもらえますか?」
「はい」
「利益はどうやって分ければ?」
「私の店の専売にしてもらえますか?定期的に買い上げます」
「それはもう!販売は我々では難しいので、よろしくお願いいたします」
「ありがとうございます。必ず利益が出るように手配します」
「いえいえ。いつも助けてもらってありがとうございます。何もない村でしたから」
「そんなことないですよ。まだまだ色々出来ると思いますよ」
ひとしきり串焼きを色々作ってみて食べた後、
2人は色々製造方法や必要な道具などの打ち合わせを続けた
「それでは失礼します。あ、そういえば、最近魔物が強くなってるらしいですよ。ケイさん聞きました?王国の兵士が色んな所へ派遣されていると聞きます。うちの村の近くにも、強い魔物が出たらしく、兵士も来ましたし、注意するよう言われました」
「え?そうなんですか?気になりますね。私も調べてみます」
ジョルチさんは帰っていった。
『ご主人様。何か気になりますね』
「ああ。魔物が強くなるとはどういうことだろう?エセカと話してみる必要があるな」
不穏な空気を残したまま、ケイは木炭製造の為の、魔導具製造にとりかかるのだった。
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