『学園の天才(自称)が怒鳴り込んできたのでロマン砲でおもてなししてみた』
「魔導具の祖【アルギナ】様の方法が最適なのだ!」
「意味が分からんが?技術ってのは常に改良されていくもんだぞ?最高の方法があったとしたら、さらに最高な方法がいずれ見つかるもんだ」
「馬鹿者!アルギナ様が考えた方法が最高に決まってるだろ!すべての魔導技術の祖なのだぞ!?」
「この世に改良されない物なんかないよ」
「愚か者だな。何もわかってない。お前のような奴はこの学園にはふさわしくない。やはり平民上がりはダメなのだ」
「ま、未来が証明するだろ」
「さっさと学園をやめてどこか行くがいい!」
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「あーあ。よく寝たな。懐かしい夢を見たもんだ。あいつら今何やってんだろうな?」
『おはようございます。ご主人様。コーヒーはいかがですか?』
「お?もらおうかな?」
『はい。今日のコーヒーはいかがでしょうか?また焙煎を少し変えてみましたが』
「ふーむ。日に日に美味くなっていくな。すごいぞアル」
『ふふふ。私も成長しているのですよ』
「本当だ。成長してるな」
「さてと。今日は何を作ろうかな?」
『家が壊れない程度にお願いします』
「おう」
ケイはいつものように、椅子を揺らして考え事をしている。
「ここか!」
「ん?誰だ?」
バタン!と勢いよくドアが開いた!
金髪の男が足をドンドンと踏み鳴らして入ってくる
「貴様!ケイだな!」
「あーそうだが?どちら様で?」
「ふざけるな!」
「え?ふざけてないが?誰だ?」
「俺はアルグィンだ!」
「知らんけど?」
「知らんはずないだろ!お前と同じ学校にいた、学年主席のアルグィンだぞ!」
「へぇ。いたんだな。お前みたいなやつ」
あまりの無反応さに、顔を真っ赤にして怒っている!
「貴様が、変な【電池】とか言うものを作ったせいで、私の工房は大迷惑なのだ!」
「知らんけど。お前の所の商品がショボかったんでは?」
「伝統ある魔力供給装置に何という言い草!」
「技術に伝統なんかいらんだろ?」
「アルギナ様の開発したものだぞ!」
「あー思い出した。伝統伝統ってうるさかったやついたな」
「私はアルギナ様の作り出した魔導具はほぼすべて再現出来たのだ!」
「考古学者だな。博物館に飾っとけよ」
「人々を便利にする使命があるのだ!」
「なら技術開発しろよ。どっちなんだよ。ずっと古代人でいたいのか?」
「愚か者!アルギナ様の技術なら、あらゆるものを修理し、長く使う事が可能だろ!」
「別に愚か者でいいよ。そうやって生きていけばいいだろ?何でここに来るんだよ?」
「電池を売るのをやめるのだ!」
「欲しい人に欲しいものを売るのが罪なのか?売らない方が罪だろ?」
「アルギナ様の技術を汚すな!」
「もはや宗教だな。これは折り合えんな」
「どうすれば売らないのだ?」
「簡単なことだ。電池の技術を買えばいいんだよ」
「いくらだ?」
「7兆リルだな」
「ななちょう?!どっからその計算が出てきた?!」
「当たり前だろ。未来永劫電池を作らないんだから。作るだけ売れる電池の技術ごと買い取るって言ってるんだから、そんくらいいくぞ。さっさと金払って帰れ。譲ってやるから」
「ば、ばかな事をいうな!何処にそんな金が!国家予算超えてるだろ!」
「知らんわ。払えないなら帰れよ。営業妨害だぞ」
「仕方ない。話し合いが出来ないなら、次の手段だ」
「……もしかして、権力とか、武力に訴えるならやめとけ」
「なんだと?怖気づいたか?」
「いや、お前が死んでしまうと思うぞ」
「馬鹿なことを。私の権力を知らないのか?」
「もはや権力とか言う次元は超えてるんだよ」
「何を言ってる?」
「はぁ。まぁちょっとこっちにこい」
ケイは外にアルグィンを連れ出した
「何をするのだ?暴力を振るうと取り返しがつかんぞ?」
「いや、お前には振るわないよ。見てればいい」
ケイはフッっと息を吐き、スッと手を伸ばした。
「結界貼ってるからケガはしないと思うが、気を付けろ」
「な、何をするのだ?」
ケイの周りに見渡す限りの魔法陣が広がる。
「ななな?これはなんだ?あり得ない魔法陣が?!」
「ロマン砲だ。特別見せてやるから、覚えて帰れ」
ドゴォォォォォォオオオォォォォォォォォォオオオオオオ!
地響きと共に、目もくらむようなエネルギー波が、死の大陸に向かって飛んでいく!
「わぁぁぁあああああああ」
ダメージはないが、あまりの衝撃にアルグィンは叫ぶ!
「ビシビシビシ……」
地面に衝撃でヒビが入る……
「ガタガタガタガタ……ガタ……」
激しい揺れが止まり、白い光も消え、平穏が戻った。
ケイはフゥと一息ついて、アルグィンに話しかける
「わかるかアルグィン。俺はな、争いは嫌いだ。だから人を傷つけたことはない。だが傷つけられないわけではない。お前が敵対するなら、死ぬ気でかかってこい。相手になろう」
アルグィンはまだ、足の震えが止まらない。
「そ、そんな馬鹿な……こんなことが……」
「おい。やるのかやらないのかどっちだ?」
「い、いや。わかった。俺が悪かった。もうお前に迷惑はかけない」
「そうか。それならこれで終わりだ。急に何か仕掛けてきたら、お前の住んでいる街をロマン砲で焼き払うからな。よく考えて行動するんだぞ」
「わ、わかった。そんなことはしない。他の者にも言っておく」
「よし。あと、俺がロマン砲打てるの言いふらすなよ。漏れたらお前が言ったと思うからな」
「ああ。絶対言わない」
「ならいい。せっかくだから、仲直りのしるしに電池持って帰れよ」
「そ、そうだな。そうさせてもらおう。金は払うぞ。当然だからな」
「いいよ。久しぶりに会った同級生だろ?」
「いやいや。断っても払って帰るからな!」
アルグィンは結構な数の電池を仕入れて逃げるように帰っていった。
『ご主人様。ロマン砲見せちゃってよかったんですか?』
「面倒は嫌いなんだよ。あれで二度と来ないだろう?」
『あれで終わればいいんですが……』
「終わんなかったら、ロマン砲を実際打ち込むだけだろ」
『世界滅びちゃいますよ?』
「そしたらそれまでよ」
『適当ですね……』
ケイ魔道具店の平和は保たれた……のか?
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