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『あるマッド魔導具職人の日常 〜死の大陸に核ミサイルを撃ち込んでレベル6311になった件〜』  作者: すわ


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20/32

『レンジという名のバケモノ』

『ご主人様どうでしょう?』

「うーむ。これは素晴らしい出来だな!アルも飲んでみな」

『頂きます……ふぅ。美味しいですね』


最近「コーヒー」を作れるようになった。

死の大陸で自生していると知って、持って帰って庭で栽培している。

焙煎などを調整していたら、アルが興味を持ち、

今もやたらと凝り始めている。おかげでおいしいコーヒーが飲めるようになった

アルも味や匂いがわかるようになって、色々凝っている。


『これは売れるのでは?』

「売れると思うが、そんな売るほど作れない。俺たちで楽しむだけにしよう」

『そうですね』


「さて、レンジの作成を続けるか」

『外でやってくださいよ。もう何回爆発したと思ってるんですか?』

「ああ。外でやるよ。なんで爆発するんだろうな?」

『知りませんよ。どうせ出力が強すぎるんでしょう?』

「そうなのかな?そもそも魔導回路が間違ってる可能性もあるな」

『それだと本当にわからないですね。今無い物を作ってるんですから』

「天才はつらいぜ」

『天才なら完成させてくださいよ。安全に。』

「はーい」


店外にも、製作所を作っている。そもそも別にした方がいいとアルに言われた。

それはそうかもしれんと思って、別にしてある。

爆発することが多いんで、結界も張ってある。


「…………よし。これならどうだ」

『気を付けて下さいよ』

「アンパンを入れて、スイッチオン!パカッ!」

『開きましたけど?』

「あれ?閉めて。スイッチオン!パカッ!」

『それ開くボタンなのでは?』

「そんなはずは……。蓋を押しながらスイッチオン!」

「ガタガタガタガタガタ……」

『ヤバそうな雰囲気ですけど……』

「ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ!パカッ!!!!!!」


開いた勢いで、カベにぶち当たって、突き抜いて行った!

こっちにはすごい勢いでアンパンが飛んできた!


「うおっ!あぶな!」


アルのバリアに当たって止まる


『やっぱり開くボタンなんですよ』

「開くボタンでも、あーはならんだろ」

「パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!」


外に出ていったレンジ?は地面に向かってパカパカしながら飛び跳ねてる


『これは新種の生き物ですね』

「もはやレンジではないな」

『どうするんです?壊します?』

「うーん。しばらく放置しておこう。何かに使えるかもしれん」

『「何か」って何ですか……』

「何かって何かだよ……」


「パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!」



わけわからないレンジ風バケモノは置いといて、逃げ出さないように結界で包んだ

店舗に戻る2人


「こんにちは!」

「おおー。フェルさん。今日は何を仕入れに?」

「電池です。ケイさん。電池とんでもない売り上げになってますよ」

「そうなんですか?」

「はい。他の魔導具屋も、電池を作ろうと頑張ってたみたいですけど、とうとう諦めて、ケイさんの電池を使う魔導具に考えを変えたんですよ。それでほとんどの魔導具がケイさんの電池を使うようになって、信じられない程売れてます。あるだけ欲しいです」

「そうなんだね。なかなか効率がいいからねうちの電池は」

「すごいですよ。大手魔道具店もまったくまねできないんですから」

「ふっ……実はすごいのだよ。私の電池は」

「ははは。そうです!すごいですよ!今いくつ売ってもらえますか?」

「たくさんあるんで、乗るだけ買ってもらっていいですよ」

「それはすごい!あるだけ売れるドル箱商品です!」

「どんどん儲けてください。私も儲かりますから」


ケイの魔導電池は前世の電池をイメージして作ってある。

全く同じ大きさ、同じ電圧。どの魔道具にも同じ電池を使用するように。

元々、魔石は形がバラバラで使いにくい。それを同じ形にして使いやすくするという発想自体が、この世界にはなかったのだ。


「連結器どうです?便利でしょう?」

「すごいですよあれは。もっと伸ばせるんですか?」

「伸ばせますけど、重たくなるんで馬に負担がかかりますよ」

「馬に負担……あの不思議な馬も売りものなんですか?」

「黒龍号ですか?注文販売してます。ギルバート様が結構買ってくれましたよ」

「すごい!ギルバート様が買ってるなんて!いくつか売ってもらえます?」

「いいですよ。必要な頭数作ります。次来るまでに作成しておきます」

「ありがとうございます!」

「では契約書を交わしましょう」

「はい!」


契約も終わり、フェルは今日は一泊して帰るという事で、ゴライアス食堂へ


「おーっす!6人頼む!」

「いらっしゃいませ!6名様ご案内です!」


馬を引く従者も一緒に食事に来ている

今日もゴライアス食堂は賑わっている。が、何か様子がおかしい


「ん?デカくね?こんなデカかったか?」

『いえ、前来たときはこれの半分くらいだった気がします』

「どういうことだ?儲かってるから大きくするのはわかるが、料理作れるか?雇ったのかな?」

『どうなんでしょう?』


厨房の奥はたくさんの人が動いている。

料理を作ってる人もたくさんいるようだ。


「おーいナグモさーん」


最近よく店に来る店員のナグモさんを呼んでみた


「あ!ケイさん。来てくれたんですね!」

「おう。なんか店も大きくなってるし、料理人も増えてるな?」

「はい。メニューも増えて、たくさんお客さんも来ていただいてるので、大きくしたんですよ」

「すごい流行りようだ」

「はい。ありがたい事です。あ!あと、ケイさんからいつも売ってもらっていた牛乳ですけど、新商品完成したようですよ。試作品食べていかれますか?」

「何!とうとう完成したのか?信じられん。やっぱりゴライアスは天才だ」


6人は見たことなかったメニューを頼んで食べる


「トンカツまであるとはな。驚きだ」

『サクサクですね』

「いやーすごい。いつ来ても違う料理が増えてて飽きませんね」


フェルもご満悦だ。


「みんなもうまいか?」

「「はい!」」

「よかった」


フェルの部下たちも、ゴライアス食堂で食事するのを楽しみにしているらしい

食事も大体終わり、会話をしていると、ナグモが近づいて来た


「ケイさん。新商品持ってきます?」

「みんなの分もあるかな?」

「大丈夫です。材料はあります」

「じゃあお願いするよ」

「はい。お待ちください」


ナグモが新商品を準備しに戻る


『何がくるんですか?』

「来てからのお楽しみだな」

「気になりますねー」


しばらくして……


「当店の新商品。【アイスクリームです】」

「マジだ。すごいな!」

「ケイさんの冷凍庫が可能にしました」

「いやいや。冷凍庫を作ったのとアイスクリームの作り方を想像で語っただけだぞ。ゴライアスが天才なだけ」

「ぜひ感想をお願いしますとゴライアスも言ってました」

「オッケー!食べてみるよ」


6人はアイスを1口食べてみると……


「「「「「「「うまい!」」」」」」

一斉に同じ言葉を発する!


「これはすごいぞ。えらく滑らかだしな。どうなってる?初めて作ったと思えん」

「とんでもない商品ですよ!こんなのめちゃくちゃ売れるに決まってます!」

『冷たいのに、なめらかな舌触り。最高です』


奥からゴライアスが出てきた


「よお!ケイさん。どうだいアイスクリームの味は?」

「ヤバイよ。こんなの最高だろ!」

「そりゃよかった。想像で作ってたからな。せっかくだからなめらかさに凝ってみたんだ」

「そのこだわりどうなってんだよ?すごいことになってるぞ?」

「ははは。料理にはこだわりがあるからな」

「やっぱ天才だな!」

「そんなに褒めないでくれ!」


褒められてまんざらではない様子


「また来てくれよな!注文多くてよ。また戻らないと」

「ああ。ありがとう。頑張ってくれな!」

「おう。また何かひらめいたら教えてくれ!必ず料理にしてみせるぞ!」

「オッケー!思いついたら必ず伝える!」

「じゃあ戻るな。ありがとう」


奥の厨房に戻るゴライアス。


「ご満足いただけてよかったです」

「ありがとうなナグモ。必ずまた来るよ」

「はい。また牛乳を仕入れに行きます。出来たら量も増やしていただけると助かります」

「出来るだけ増やしとくよ」

「お願いします」


「ありがとうございました!」


ゴライアス食堂を後にする


「いやーうまかったな」

『はい。最高でしたね』

「満足です」


ケイ魔道具店の前まで来ると、


「パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!」

「何の音です?」

「あれか?新種の生き物だ」

「えっ?」


フェルが音のする方を見ると、箱がドアをパカパカしながら跳ねていた


「あれが新種の生き物ですか?」

「ああ。変なものを作り出してしまった」

「作ったんですか?なんかカッコイイですね!」

「へ?あれが?」

「はい!」

「カッコイイの定義とは……」

「なんか見た目は武骨なのに、ピョンピョン跳ねてて可愛い感じもあります」

「まったく理解出来ない」

『可愛い……ですか』

「はい。うちで飼いたいですね」

「飼いたいだと?!本気か?」

「はい。いくらでしょう?」

「さすがに売れないな。売りたくないとかではなく、安全性が保証出来ない」

「あいつ噛みつきます?」

「そういうことではなくてだな……」

『でも、噛みついてきそうですよ。ドアで』

「まぁ確かに。近づくとドアで噛みついてきそうではあるな」

「!それはあぶないですね!嚙まれても痛くないように改造したらいいかも」

「そっち方面で売るのか?????」

『あれ動物として売るんです???』

「いいと思いますよ?」

「はぁ……検討します」

「ありがとうございます!」


フェルが謎の感性を持つことがわかった。

だからと言って、あれが売れるとは全く思えないケイ達であった。


「パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!パカッ!」




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