『あやしいおじさん現る!』
ケイはいつものように椅子を揺らして考え事をしていた。
「あー次は何を作ろうかな?新しい技術も手に入ったし、そうだなー」
『まともな物作ってくださいよ。変なものばっかりじゃなくて』
「いつも素晴らしい発明をしてるだろう?」
『大陸を破壊したり、自分の指を破壊したり……破壊するものが得意なんですか?』
「そういうわけでは……!コーラだ!コーラ作るぞ!」
『え?それはなんですか?』
「おいしい飲み物だよ!俺コーラ飲みたかったんだよ!」
『飲み物ならいくらでもどうぞ。流石にご主人様でも、飲み物爆発させないでしょう?』
「しないこともないかもな……」
『じゃあダメです』
「えーーーイヤダイヤダ!コーラ飲みたい!」
『子供ですか?まぁ作ってみてくださいよ。横で見てますから』
「よしよし。完璧なコーラを作ってやろう」
実はエセカの情報に、似たような飲み物と、製造法が書いてあったのだ。
魔獣の情報のみならず、技術全般について、綺麗に仕分けされており、食べ物も、動物の育て方など、多彩な情報が、アルゼリオに収められていた。
「炭酸水を作る機械も出来たな」
『すごいですね。シュワシュワいってます』
「これに前もって作っておいたこいつと混ぜて作るのだ」
『すごい色ですね』
「そうか。そういう感想になるか。こんな色の飲み物あんまりないもんな」
「うーむ。色は薄いが……うまい!これはこれでうまい!」
『予定したのと違うのですか?』
「やっぱり何か違う気はする。レモンがいるのかな?」
『レモン……ご主人様独特な呼び方しますよね』
「俺の出身地ではそう呼んだからな」
アルがレモンを持って戻ってくる
『これですか?』
「おう。これこれ」
レモンを数滴仕上げに混ぜる
「うまい!美味すぎルパード!」
『流行らそうとしてます?』
「アルにも飲ませてあげるよ」
『え?壊れますよ』
「それが壊れないんだなぁ」
『そういえば、この前改造しましたね?』
「そうそう。いい技術が結構見つかったからな」
『何を付けたんですか?私に?』
「マナのリンクを強化したのと、食事でマナに変換出来るシステムだよ」
『セクハラですね』
「セクハラはしてないよ。目をつぶってやったから」
『それの方が心配です』
「ははは。そんなわけでコーラ飲めるぞ。後な、徐々に味覚とか嗅覚も出てくるはず」
『え?そんな技術あったんですか?』
「ああ。偽人の技術を流用してる」
『そうなんですか。徐々になんですね?』
「元々なかったからな。理解が進むという感じらしい」
『ではもらいます……シュワシュワしますね。甘いです。爽やかさを感じます』
「まずかったか?」
『味の登録がありませんから、何とも言えませんが』
「気に入ったらまた飲んでくれ」
『味覚があるのは面白いですね。色々食べてみます』
「おう。そうしたらいい。壊れることはないぞ」
気に入ったケイはコーラシロップを大量に作り始める
『ご主人様。売る気ですか?』
「うーん全部飲むつもりだぞ?」
『死んでしまいますよ』
ガチャ!
「シャチョー!配達から戻りました!」
最近数日に1度、配達に行くようになってるのだ
結構うちの商品が売れていて、電池や修理が必要なものがある
それをトトに配達や回収させている。
「おう。お帰り。飲み物あるぞ。飲んでみろ」
「え?いいんですか?ありがとうございます!」
「ゴクゴク……ゴホッゴホゴホ。この飲み物はなんですか!シュワシュワしますよ!」
「毒だぞ。ははは。騙されたなトト!このあと、体が溶けて……」
「えっ!そんな……」
『そんなわけないでしょう。トト信じちゃいますよ』
「コーラっていうんだよ。うまいか?」
「ゴクゴク。うまいです!びっくりしましたけど、なんかクセになりますね!」
「そりゃよかった」
3人でいつものように会話をしていると……
「たのもー!」
しゃべりのわりに気品のある、フードをかぶったおじさんが、入ってきた。
剣を佩いており、高級そうな装飾品を付けている。
『いらっしゃいませ』
「いらっしゃい」
「いらっしゃいませー!」
「ここがケイ魔導具店であってるかな?」
「ええ。あってます。今日は何がご入用で?」
「よくわからんのだが、街灯やら電灯やら最近この店の商品をよく見かけるのでな!わしにも色々見せてくれんか?」
「どうぞどうぞ。今日は暑いんで飲み物でもどうぞ」
ケイは冷蔵庫から、作りたてのコーラを出した
「なんだこの黒っぽい飲み物は?」
「コーラというんですよ。私が作ったものです。おいしいですよ」
「何?おぬしが作ったのか?面白い!もらおう!ゴクゴクッ!ゴホッ!これはなんじゃ?!初めて飲むぞ!シュワシュワしとる!しかもうまい!美味すぎルパード!」
『え?もしかして流行ってます?』
「美味すぎルパードでしょう?炭酸というものです。シュワシュワしてるんで爽やかなんですよ」
「なれると止まらん!しかも冷たい!どういう原理だ?」
『自然に流さないでくださいよ』
「最近知り合いに教わったんじゃよ ウマスギルパード!」
「ウマスギルパード!」
『もうだめかもしれないこの国』
「そうそう、それでこの冷蔵庫が冷やしてくれてるんですよ」
「レイゾウコ?こんなに小さい箱でか?!信じられん!どんな仕組みになっとる?!」
「仕組みは企業秘密で、説明出来ないんですが。まぁ良く冷えるように作ってます」
「これもおぬしの所のデンチで動くのか?」
「はい。後ろに4つ程入れられます。途中で変えても1度に変えなければ止まりません」
「どれぐらいもつ?」
「2か月くらいでしょうか?まだ作ったばかりの試作品です」
「売ってくれ!今すぐ売ってくれ!」
「え?非売品ですよ。試作品ですから」
「イヤダイヤダ売ってくれなきゃヤダーーー!」
「子供か!」
『さっき見ましたね』
「いくらでもいいから売ってくれ!すぐ売ってくれ!売ってくれなきゃ帰らない!」
「なんですかそりゃ?はぁ……そんなに気に入ったなら売りますよ。どっか不具合あったら持ってきてくださいよ。試作品ですから壊れないとも限りません」
「わかった!ありがとう!」
「持って帰れます?魔法陣よりは小さいとはいえ、大きいですよ」
「馬車で来たから大丈夫じゃ!5万リルで足りるか?ここに置いておく」
「いやいや多いですよ」
「いいのじゃ!無理言ったからな!このコーラもいくつか付けてくれ!家で飲みたい!」
「いいですよ。たくさん作りましたから。トト!馬車に2箱くらい載せてあげてくれ」
「了解です!」
「いやぁいい買い物をした!また来る!すぐ来るからな!」
「まいどあり~」
『ありがとうございます』
荷物を積み込むと、すごい速さで去っていったのだった
「いやぁとんでもない客だったな」
『あれはとてもえらい方ですよ。もしかすると王様かもしれません』
「え?王様?ふーん。面倒になりそうだから、気づかないふりしとこう」
『処刑されても知りませんよ』
「ま、大丈夫だろ。そういう感じの人ではなかったぞ」
『確かに。偉そうな感じ出してなかったですね』
「王様も大変なのかもな。まぁ王様かはわからんけど」
「さて、次の開発は何しようかな~?」
『次は食べ物がいいですね』
「食べ物なぁ~」
その後……あるお城でのやりとり……
「ウマスギルパード!ですぞ!」
「ウマスギルパード!ですな!」
「そうだろそうだろ!ウマスギルパードだろ!ケイはすごいんだぞ!はっはっは!」
また謎のギャグがこの世界を浸食していくのだった……




