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魔法特許庁ーーその魔法、違法ですーー  作者: にけ


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73/128

「十月から、冬へ」

十月になった。


捜査協力の依頼を受けてから、三週間が経っていた。


術式記録の照合は、少しずつ進んでいた。


国際連携部から届いたデータと、ハルトが持っている術式記録を照合した結果が、少しずつ積み上がっていた。


一致するものがあった。


ただ、まだ確定ではなかった。


---


十月の第二週、月曜日だった。


朝、スマートフォンのニュースを確認した。


【ロシア、バルト三国への攻勢を再開 NATO側との衝突が激化】


ハルトは記事を読んだ。


停戦交渉が決裂したという内容だった。


先月まで続いていた交渉が、合意直前で破綻した。ロシア側が条件の大幅な変更を求め、NATO側が拒否した。その二日後、ロシア軍が再び動いた。


魔法部隊の投入規模が、一月より大きいという分析があった。


---


魔法庁に着いた。


フロアが動いていた。


先月よりも、緊張感があった。


堂島部長が朝礼を開いた。


「昨夜からの報道は把握していると思う。国際連携部から、協力依頼が追加で届いている。審査連携部としては、引き続き記録の照合と情報提供を優先してほしい。各自、通常業務を継続しながら対応してくれ」


フロアが動き始めた。


---


ソウから連絡が来た。


「見たか」


「はい」


「照合作業、急いでくれ。今週中に一次報告をまとめたい」


「わかりました。進めます」


「何か引っかかるものは出てきたか」


「一点、確認中のものがあります」


「今夜、連絡する」ソウは言った。「詳しく聞かせてくれ」


---


午前中、照合作業を続けた。


引っかかっていた一点を、もう一度確認した。


今年の一月の映像データから分析された術式の特徴と、魔法庁の術式記録を照合した結果だった。


完全一致するものはなかった。


ただ、骨格として近い術式が一件あった。


登録は、十八年前だった。


火系と風系の複合術式だった。出力の安定性を高めるための改良が加えられていた。申請者は、国内の魔法研究機関だった。


記録を読んだ。


もう一度、映像データの分析結果と照合した。


骨格が一致していた。


ただ、出力が記録の標準形より大きかった。記録に載っていない改良が加えられている可能性があった。


記録と実践のギャップ、という言葉が頭に浮かんだ。


---


藤本に声をかけた。


「少し確認してもらえますか」


「はい」


「これを見てください」ハルトは画面を向けた。「十八年前の複合術式の記録と、今回の映像データの分析結果を並べたものです」


藤本は読んだ。


「骨格が似ていますね」


「はい。ただ、出力の差が大きい」


「改良されているということですか」


「可能性があります。記録に残っていない改良が加えられているとすれば、誰かから直接技術を得た可能性があります」


「人を通じた経路、ということですか」


「はい。以前、ソウさんに同じ話をしたことがあります」


「そうでしたね」藤本は言った。「それが今、実際に確認できたということですか」


「確認中です。まだ断定できません」


「倉田主任に見てもらいますか」


「はい。午後、確認してもらいます」


---


午後、倉田主任に確認してもらった。


倉田主任は、映像データの分析結果と術式記録を並べて、しばらく読んでいた。


「神崎さん、この出力の差、どのくらいだと思う」


「記録の標準形の、二倍から三倍と推定されています」


「二倍から三倍」倉田主任は言った。「これは、術式の改良だけでは説明できない」


「外部からの魔力供給があった可能性がありますか」


「ある」倉田主任は言った。「魔石の供給があれば、この出力は説明できる。骨格は記録の術式と一致する。ただ、出力を支えているのは、術式の改良ではなく、魔力の供給量だと思う」


「魔石を通じた供給、ということですか」


「それが一番自然な説明だ」倉田主任は言った。「ただ、これは俺の見立てだ。正式な判断には、もっと詳細なデータが必要だ」


「わかりました。報告書に含めます」


「神崎さん」倉田主任は言った。


「はい」


「この照合、よく見つけた。標準形との骨格一致は、細かい差異を無視しないと気づけない。それを見つけられたのは、お前が記録を正確に持っているからだ」


「ありがとうございます」


「続けてくれ」倉田主任は言った。「これは、重要な手がかりだと思う」


---


夜、ソウに電話した。


「一次報告の内容を確認してもらえますか」


「今から来い」


ソウの執務室に向かった。


報告書を渡した。


ソウは読んだ。


ページをめくる音だけがしていた。


三十分かかった。


「この骨格一致の件、確度はどのくらいだと思う」


「骨格の一致は高い確度で言えます。ただ、出力差の説明については、倉田主任の見立てを含めて記述しています。確定ではありません」


「魔石供給の可能性を加えると、アルカナテックとの繋がりが見えてくる」


「はい。ただ、記録として確認できることと、推測は分けて書いています」


「わかった」ソウは言った。「この報告書、国際連携部に提出する。いい仕事だ」


「ありがとうございます」


「ただ、一点」ソウは言った。「この内容は、外部に出すな。特に、佐久間さんには」


「はい。今の段階では伝えることがありません」


「そうだ」ソウは言った。「状況が固まったら、話す機会を作る。それまでは、記録として持っておいてくれ」


---


十一月になった。


戦況は激しくなっていた。


ロシアの魔法部隊がラトビアの主要都市に接近したという報道が出た。


NATO側も魔法部隊の増強を進めていた。


フロアの緊張感が、先月より高まっていた。


照合作業は続けた。


新しい映像データが届くたびに、術式記録と照合した。


骨格一致の案件が、さらに二件見つかった。


全部、同じ傾向だった。


記録に残っている術式の骨格と一致する。ただ、出力が標準形を大きく超えている。魔石による供給がなければ説明できない出力だった。


報告書を更新した。


国際連携部に送った。


---


十一月の第三週、土曜日だった。


サクから電話が来た。


「ハルトくん、最近どう? なんか、忙しそうで」


「捜査協力の業務が続いています」


「そうなんだ。体は大丈夫?」


「大丈夫です。やれることをやっています」


「ニュース、毎日見てる」サクは言った。「また激しくなってきたよね」


「はい」


「私の研究のこと、また話題になってないかな、とか、思って。怖くなることがある」


「今の段階では、動きはありません」ハルトは言った。「状況が変わったら、すぐ伝えます」


「うん、ありがとう」サクは言った。少し間を置いた。「ハルトくん、捜査の仕事って、具体的にどんなことしてるの?」


「術式記録の照合です。戦場で観測された術式の特徴と、魔法庁が保管している記録を比較しています」


「術式の照合か」サクは言った。「ハルトくんが記憶してきた記録が、役に立ってるってこと?」


「はい。六百件以上の術式記録と照合しています。骨格が一致するものが、複数見つかりました」


「骨格が一致するってことは、同じ術式が使われてるってこと?」


「骨格は一致しています。ただ、出力が記録の標準形を大きく超えています。外部から魔力が供給されていない限り、説明できない出力です」


「魔石を使って、出力を上げているということ?」


「その可能性が高いと見ています」


サクは少し間を置いた。


「ハルトくん、一個聞いていいですか」


「はい」


「その外部からの魔力供給って、どういう仕組みだと思う? 私、研究者として気になって」


「詳細は捜査中なので、今は話せる範囲が限られます。ただ、魔石を介したエネルギー変換の仕組みが使われている可能性があります」


「魔石を介したエネルギー変換」サクは繰り返した。「それって、私の研究に近い話だ」


「はい。方向性は違いますが、関連する技術領域です」


「そっか」サクは少し間を置いた。「ハルトくん、三谷くんのこと、覚えてる?」


「はい」


「実は、三谷くんが退職後に何をしていたか、少し調べてみたんだよね」サクは言った。「彼が繋がっていたグループの話が、業界の端の方で出てきて」


「どういうグループですか」


「魔力増強の研究をしていたグループだって聞いた。魔石を使って、魔法使いの出力を外部から底上げするっていう研究」


ハルトは少し間を置いた。


「それを、どこで聞きましたか」


「教授が、業界のネットワークで聞いてきた話だって。私の件があってから、教授が色々調べてくれていたみたいで。直接三谷くんと繋がっていた人間の話が、少し出てきたって」


「魔石を使って、魔法使いの出力を外部から底上げする研究」ハルトは繰り返した。


「うん。それって、今ハルトくんが話してた、骨格は一致しているのに出力が大きいっていう話と、繋がってるんじゃないかって思って。だから聞いてみた」


ハルトは少し間を置いた。


頭の中で、情報を並べた。


骨格一致の術式。標準形を超える出力。魔石による供給の可能性。三谷の退職後の研究。魔力増強。外部からの出力の底上げ。


全部が、一本の線の上に並んだ気がした。


「サクさん」


「うん」


「その情報、重要かもしれません。教授が聞いてきた話の詳細を、確認することはできますか」


「できると思う。教授に聞いてみる」


「はい。聞いてもらえますか。三谷さんが繋がっていたグループの名前、関係者の情報、どんな経路で研究を進めていたか。わかる範囲で」


「わかった」サクは言った。「なんか、私が気になって調べてみたことが、ハルトくんの仕事に繋がった感じがして、不思議だな」


「はい。繋がったと思います」


「三谷くんのこと、ずっと引っかかってたんだよね」サクは言った。「なんで魔力増強の研究なんかに関わったんだろうって。誰かに引き込まれたんじゃないかって」


「はい。その可能性は高いと思っています」


「アルカナテックが関係してるの?」


「捜査の焦点の一つです」ハルトは言った。「アルカナテックが発表した特定された元社員の件、記憶していますか」


「うん。スケープゴートの可能性があるって話だったよね」


「はい。その後の調査で、アクセスされたデータが東欧のサーバーに転送されていたことが確認されました。さらに、そのデータへのアクセスには、社内でも限られた人間しか持っていない権限が必要だったこともわかっています」


「つまり、アルカナテックの内側に、協力した人間がいるってこと?」


「その可能性が高いと、国際連携部は見ています。ただ、まだ特定には至っていません」


「三谷くんが関わっていた魔力増強の研究と、アルカナテックの魔石技術が繋がっているとしたら」サクは少し考えながら言った。「今回の戦争で使われた術式の出力増強も、その繋がりの中にあるってこと?」


「まだ確定ではありません。ただ、今サクさんが言ったことは、私が今持っている記録の中で、一番整合性が高い説明だと思います」


サクは少し間を置いた。


「私、気づいてしまった、ということ?」


「気づいたのではなく、繋げたんだと思います」ハルトは言った。「別々の場所にあった記録が、今日の電話で繋がりました」


「そっか」サクは言った。静かな声だった。「三谷くんが、そういう流れの中にいたんだ」


「はい。ただ、三谷さんが自分の意志でそうしていたかどうかは、まだわかりません」


「わかってる」サクは言った。「三谷くんが悪い人間だとは、今も思えない。ただ、何かに利用されたんだと思う。誰かに、何かをされて」


「はい」


「その誰かが、今回の件の中心にいるんだよね」


「はい。そう思っています」


「早く、わかるといいね」サクは言った。「三谷くんのためにも」


「はい」


---


少し間があった。


「ハルトくん、教授に確認してみる。三谷くんが繋がっていたグループのこと、わかる範囲で調べてもらう」


「お願いします。ただ、サクさん自身が動く必要はありません。教授を通じて、わかる範囲でいいです」


「うん。自分では動かない。教授に任せる」サクは言った。「ハルトくんに伝えるだけでいい?」


「はい。それだけで十分です」


「わかった」サクは少し間を置いた。「なんか、今日の電話、普通に話していたつもりが、すごい話になったね」


「はい」


「ハルトくんが照合していた記録と、私が気になっていたことが、繋がるとは思わなかった」


「記録は、予想外の場所で繋がることがあります」


「そうだね」サクは言った。「ハルトくんが言うと、それが本当のことに聞こえる」


少し間があった。


「研究は続けてる。変換効率、六十パーセントになった」


「また上がりましたか」


「うん。少しずつだけど、確実に上がってる」サクは言った。「論文も、少し手を入れた。教授と相談して、来年の春には提出できそうかなって」


「来年の春、ですか」


「うん。状況を見ながらだけど」サクは言った。「約束、近づいてきてるよ」


「はい。楽しみにしています」


「ハルトくんって、毎回そう言ってくれるよね」サクは言った。「嬉しいよ、毎回」


「本当のことです」


「うん」サクは言った。「また来週、電話する。無理しないでね」


「はい。サクさんも」


---


電話が切れた。


ハルトはデスクに残ったまま、少し動かなかった。


三谷が退職後に関わっていた研究。魔力増強。外部からの出力の底上げ。


それが、骨格一致の術式の出力差と、一本の線で繋がった。


サクが気づいた。


別々の場所にあった記録が、今夜の電話で繋がった。


ハルトは頭の中で、全部を並べた。


三谷の研究。魔石を介した出力増強。骨格一致の術式。東欧のサーバー。アルカナテックの内部権限。


全部が、一つの流れの上にあった。


ただ、中心にいる人間は、まだ見えていなかった。


---


十二月になった。


戦況が変わった。


アメリカが、正式にNATO側への軍事支援を拡大すると表明した。


魔法部隊の派遣を含む、大規模な支援だった。


一週間後、アメリカの魔法部隊がヨーロッパに展開した。


その二週間後、ロシアが停戦交渉の再開を求めた。


---


ハルトはニュースを見ながら、少し間を置いた。


アメリカが動いた。


ロシアが停戦を求めた。


状況が、動き始めていた。


---


翌週、サクから連絡が来た。


「教授に確認してもらえた」


「はい。どうでしたか」


「三谷くんが繋がっていたグループ、名前はまだわからないけど、国内の魔法研究者と、海外の資金提供者が混在していたらしい。資金は、どこかの企業から流れていたって聞いたけど、どこかまではわからなかった」


「企業からの資金、ですか」


「うん。教授も、それ以上は確認できなかったって。ただ、資金の流れに外国のサーバーが使われていたとも聞いたって」


ハルトは少し間を置いた。


「東欧のサーバー、という可能性があります」


「やっぱり、繋がってるね」サクは言った。「これ、ちゃんと伝えた方がいいよね」


「はい。捜査の参考になります。教授が直接、連絡できる窓口を作ることはできますか」


「できると思う。教授に聞いてみる」


「お願いします」


「わかった」サクは言った。「三谷くんのこと、少しでも明らかになるといいな」


「はい。そう思います」


---


十二月の第三週になった。


停戦交渉が、今度は急速に進んだ。


アメリカが仲介に入り、ロシアとNATOが合意の枠組みを作り始めた。


クリスマスまでに合意する可能性があるという報道が出た。


魔法庁のフロアが、少し空気を変えた。


緊張が続いていたが、わずかに緩み始めた感じがした。


---


堂島部長が声をかけてきた。


「神崎くん、ここ数ヶ月の照合作業、国際連携部から高い評価をいただいている」


「ありがとうございます」


「骨格一致の三件は、今回の捜査の重要な根拠の一つになった」堂島部長は言った。「お前が記録を正確に持っていたから、見つけられた」


「倉田主任の分析と、藤本さんの協力があってのことです」


「それでも、照合したのはお前だ」堂島部長は言った。「お前の記憶が、今回の捜査で役に立った。それは事実だ」


「はい。記録として受け取ります」


堂島部長は少し笑った。


「記録として受け取ります、か。お前らしい返し方だな」


---


十二月二十四日だった。


停戦合意が成立した。


ロシアとNATOが、合意文書に署名した。


即時停戦。バルト三国からの撤退。今後の交渉の枠組みの設置。


ニュースが一斉に報じた。


---


ハルトはフロアでニュースを見ていた。


藤本が声をかけてきた。


「終わりましたね」


「はい」


「長かった」藤本は言った。「一月から、一年近くか」


「はい」


「神崎さん、この間ずっと照合し続けましたよね。体、大丈夫でしたか」


「大丈夫でした」


「本当に?」


「本当に」


「神崎さんって、疲れた顔を見せないですよね」藤本は言った。「それが、たまに心配になります」


「疲れていなかったわけではありません。ただ、やれることがあった」


「それが神崎さんだな」藤本は言った。「よかったです。本当に、よかった」


---


夜、サクから電話が来た。


「ハルトくん、ニュース見た?」


「はい。停戦合意、見ました」


「よかった」サクは言った。「本当に、よかった」


「はい」


「なんか、肩の荷が下りた感じがする」サクは言った。「戦争が続いている間、研究していていいのかなっていう気持ちが、ずっとあって」


「はい」


「終わったわけじゃないけど、止まった。それだけで、少し楽になった」


「はい」


「ハルトくんは、この一年、ずっと捜査の仕事もしてたんでしょ」


「はい。照合作業を続けていました」


「大変だったよね」


「やれることをやっていました」


「うん」サクは言った。「ハルトくんって、いつもそう言うんだよね。やれることをやっていた、って」


「それしか言えません」


「それが全部だと思う」サクは言った。「ハルトくんがやれることをやっていてくれたから、色々なことが動いた。私の件も、そうだった」


「はい」


「先月、三谷くんのことを教えたけど、あれ、ちゃんと役に立てた?」


「はい。捜査の中で、重要な繋がりとして確認されました」


「よかった」サクは言った。「三谷くんのことが、少しでも明らかになることに繋がったなら」


「はい。繋がりました」


「そっか」サクは言った。少し間を置いた。「ありがとう、ハルトくん。今年一年、ありがとう」


「こちらこそ」


「来年、また動きがあると思う」サクは言った。「論文のこととか、約束のこととか」


「はい」


「楽しみにしていてください」


「はい。楽しみにしています」


「おやすみ、ハルトくん」サクは言った。「メリークリスマス」


「おやすみなさい。メリークリスマス」


---


電話が切れた。


十二月二十四日の夜だった。


二年前のクリスマス、佐久間さんとイタリア料理店で食事をした。


サクが振り返って笑った。


その記憶が、今も頭の中に残っていた。


来年の春、論文を出すと言っていた。


約束が、また近づいた。


---


ハルトは今年のことを、頭の中で整理した。


四月、大学で最初の講義をした。青山の罵倒。記録で示すと言った。


七月、アカリに断った。サクに報告した。


九月、最終回の授業。青山が謝りに来た。アルカナテックの続報。捜査協力依頼。


十月、戦争再開。照合作業。骨格一致の三件。


十一月、照合継続。サクの電話。三谷の研究が繋がった夜。


十二月、アメリカ介入。停戦合意。


全部、残った。


今年も、多くのことがあった。


ただ、全部、記録として積み上がっていた。


窓の外に、冬の夜空があった。


雲が少なかった。


星が見えた。


寝た。


---


第七十三話 了

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