第三十七話 荷を運ぶ手
宗助を呼んでこいと言われたものの、肝心の居場所は誰も知らなかった。
加兵衛は旅籠の方だろうと言っていたが、蕨宿に旅籠は一軒しかないわけではない。そもそも居場所が分かっているなら、自分で呼びに行けばいいのだ。
「ったく、何で俺なんだよ……」
勇吉はぶつぶつ言いながら中山道へ出た。
背後では、まだ男たちの声が飛び交っている。ようやく五台分の荷を収めたと思ったら、予定にない六台目がやって来た。しかも今度は荷を預かるのではなく、浦和から運んできた荷を蕨で別の運び手へ渡してほしいという相談らしい。
清兵衛たちは難しい顔をしていたが、勇吉には何がそんなに大変なのか、いまひとつ分からなかった。
荷を持ってくる人間がいて、それを持っていく人間がいる。それなら渡してやればいいだけではないか。
もっとも、そんなことを口にすれば、また何か手伝わされるに決まっている。勇吉は余計な考えを振り払い、旅籠の並ぶ方へ足を向けた。
ちょうどその時、向こうから見慣れた男が歩いてきた。
「おう、宗助!」
勇吉が手を上げると、宗助は少し驚いたように足を止めた。
「何だ、勇吉。まだ納屋にいたのか?」
「いたくていたわけじゃねえよ。加兵衛さんが呼んでる」
「何かあったのか?」
「六台目が来たんだよ。それで、今夜泊まりたい奴が二人増えた」
「ああ、さっき聞いた話は本当だったのか」
「聞いてたんなら、来てくれよ」
「噂だけで走ってたら、こっちの仕事が終わらねえだろ」
宗助は笑いながら納屋の方へ目を向けた。ここからでは荷車の姿は見えなかったが、騒ぎがまだ続いていることは遠くから聞こえる声で分かる。
「二人なら何とかなると思うけど、馬はどうするんだ?」
「知らねえ」
「荷は?」
「それも清さんたちが話してる」
「……お前、何しに来たんだ?」
「だから、お前を呼びに来たんだよ!」
宗助はとうとう声を上げて笑った。
「分かった、分かった。じゃあ戻るか」
「最初からそう言ってくれよ」
「お前がもう少し説明してくれりゃ、早かったんだけどな」
「俺だって聞いてねえんだから、しょうがねえだろ」
そんなことを言い合いながら歩き始めた二人だったが、通りの先から聞こえてきた威勢のいい声に、勇吉は足を緩めた。
「だからよ、痛えなら痛えって言やいいじゃねえか。何で隠すんだよ!」
声の主は、縞の着物を着た男だった。
三十を少し越えたくらいだろうか。胸元を少し開け、帯には使い込まれた煙草入れを下げている。肩で風を切るような歩き方はいかにも威勢がよさそうだが、その隣を歩く若い人足は、すっかり困り果てた顔をしていた。
「辰兄ィ、本当に大したことねえんですって」
「大したことねえ奴が、何でそんな手ぇしてんだよ」
「ちょっとひねっただけで……」
「そのちょっとで仕事ができなくなったら、どうすんだって話をしてんだろ」
若者は右手を腹の前へ引き寄せたまま、俯いている。
勇吉はその手を見るなり、二人の前で足を止めた。
「おい、ちょっと」
縞の着物の男が振り向く。
「あん? ……何だ、勇吉じゃねえか」
「あれ、辰さん?」
「何だよ。今頃気づいたのか?」
「いや、声は聞こえてたけどさ。随分怒ってるから、何事かと思って」
「怒ってるんじゃねえ。こいつが言うこと聞かねえんだよ」
辰五郎は隣の若者を顎で示した。
勇吉も辰五郎の顔は以前から知っている。町の人足や職人たちの間で顔が利き、何かあれば若い連中を引き連れて歩いている男だ。ただ、これまでまともに話したことはほとんどなかった。
「その手、どうした?」
勇吉が尋ねると、若者は少し迷ってから答えた。
「今朝、荷を下ろしてる時に、箱を落としかけちまって……」
「手ぇ突っ張ったのか?」
「へい」
「ちょっと見せてみろ」
差し出された右手には擦れた跡があり、親指の付け根から手首にかけて腫れが見える。勇吉は痛めた時の様子を聞きながら、まず指先がどこまで動くのかを確かめた。
親指を開こうとした途端、若者の顔が歪む。
「そこか」
「へい。何か、奥の方がずきっとするんです」
「朝からずっと痛かったのか?」
「最初はそうでもなかったんですけど、荷を持ってるうちに……」
勇吉は若者の右腕へ目を向けた。
先ほどから腕を身体の脇へ下ろそうとせず、歩く時にもほとんど振っていなかったのは、動かすたびに痛むからなのだろう。
腫れたところへ無理に力を掛けず、手首の動きを確かめたところで、勇吉は手を離した。
「今日はもう重いもん持つな。手ぇ休ませろ」
「でも、まだ仕事が……」
「仕事したいなら、なおさら悪くしねえ方がいいだろ。骨まで痛めてねえとも言い切れねえし、腫れがひどくなるようなら医者にも診てもらえよ」
若者は返事に困ったように辰五郎を見た。
すると辰五郎は、待ってましたとばかりに口を開いた。
「ほらな! 俺が朝から言ってたのと同じじゃねえか!」
「辰兄ィは怒鳴るから……」
「何だと?」
若者はしまったという顔をしたが、勇吉は思わず笑ってしまった。
「そりゃそうだよ。辰さん、そんな怒鳴ったって手ぇ治らねえよ」
「誰が怒鳴ってるって?」
「今も怒鳴ってんじゃん」
宗助まで笑い出したので、辰五郎は面白くなさそうに鼻を鳴らした。
もっとも、若者へ向き直った時には声を落とし、今日はもう帰って休むように言い聞かせた。
「でも、辰兄ィ……」
「親父さんのこともあるんだろ。分かってるよ。だから今、無理すんなって言ってんだ」
若者はしばらく迷っていたが、やがて勇吉に頭を下げ、何度も振り返りながら通りを歩いていった。
辰五郎はその背中を見送りながら、腰の煙草入れへ手を伸ばした。しかし煙草を取り出すでもなく、留め具を指先でいじっている。
「あいつの親父、去年から身体が悪くてな」
勇吉が何も尋ねないうちに、辰五郎が口を開いた。
「家の稼ぎがほとんどあいつ一人なんだよ。だから、少しくらい痛くても仕事に出ようとしやがる」
「そっか」
「休ませてやりてえけど、休めばその日の銭が入らねえ。困ったもんだよ」
勇吉は若者が消えた通りの先を眺めた。
手を診れば、今は休ませるべきだと分かる。しかし、休めば明日の飯に困るという事情まで、身体に触れただけで分かるわけではない。
「辰さんも大変なんだな」
「何だ、急に」
「いや、怒鳴ってるだけかと思ってたから」
「お前なあ……」
辰五郎は呆れた顔をしたが、今度は怒らなかった。
宗助が二人の様子を眺めながら、話題を変えた。
「ところで辰さん、今日は何か用事があったんじゃないですか?」
「ああ、そうだった」
辰五郎は手を打った。
「権蔵の旦那に、ちょいと聞きたいことがあってな。道を直した若い衆が、今度はあそこで荷の積み替えまで始まるって言ってたんだよ」
「荷の積み替え?」
宗助が聞き返す横で、勇吉は嫌な予感がしていた。
「……それ、今まさに清さんたちが話してるやつじゃねえの?」
「何だ、お前も関わってんのか?」
「俺は関わってねえよ。宗助呼びに行かされただけだって」
「だったらちょうどいい。一緒に行こうぜ」
辰五郎はそう言うなり歩き始めた。
宗助も笑いながらその後を追ったので、勇吉だけが取り残された。
今度こそ帰るつもりだったのだが、せっかく宗助を見つけたのに連れて帰らなければ、また加兵衛に何か言われるだろう。
勇吉はため息をつきながら、二人の後を追った。
*
納屋の前へ戻ると、六台目の荷車はまだ道の脇に止まっていた。
荷台には縄で縛られた木箱が積まれたままで、男たちは清兵衛たちの返事を待っている。
納屋へ続く道には、新しく入れた砂利がところどころ顔を出していた。権蔵たちが二日がかりで深い轍を埋め、荷車が通れるように補修したものだが、五台分の荷を運び入れた後には、浅い車輪の跡が残り始めている。
権蔵はその跡を確かめながら、足元の砂利を木切れで寄せていた。
「権蔵さん、宗助連れてきたよ」
「おう、ご苦労」
「泊まるの二人だって」
「そりゃ宗助に言え」
「だから連れてきたんだって!」
宗助が笑いながら浦和の男へ向かっていくと、権蔵は勇吉の後ろにいる辰五郎に気づいた。
「……辰か」
「ご無沙汰してます、権蔵の旦那」
「どうした、今日は」
「いや、ちょいと気になる話がありましてね」
辰五郎は納屋へ目を向けた。
数日前まで古い俵や木箱が置かれていただけの建物には、今では荷が整然と積まれている。人足たちが行き来し、馬の鼻息と男たちの声が絶えない。
「へえ、随分賑やかになったじゃねえですか」
「まだ始めたばっかりだ」
「道もよくなりましたねえ。うちの若い衆も手伝った甲斐があったってもんですよ」
「人手を出してくれたのは助かったぞ」
権蔵の言葉に、辰五郎は少し嬉しそうな顔をした。
「そりゃよかった。あいつらにも聞かせてやりてえですね」
「ただな、辰」
権蔵は足元の轍を示した。
「補修したからって、いつまでもこのまま使えるわけじゃねえ。雨が降りゃまた傷むし、荷車が増えりゃ手入れも必要になる」
「そりゃそうでしょうね」
「最初は二十日ほど使う約束だ。それ以上のことは、また持ち主たちと話さなきゃならん」
辰五郎は納得したように頷いた。
「そういや、荷も増えるって聞いたんですがね」
「どこで聞いた?」
「うちの若い衆ですよ。何でも、ここで荷を別の運び手へ渡す仕事が始まるとか」
「まだ決まった話じゃねえぞ」
「そうなんですかい?」
「清兵衛たちが今、相談してるところだ」
権蔵が納屋の方へ顎を向けると、辰五郎は少し考えてから頭を下げた。
「じゃあ、俺も話を聞かせてもらっていいですかね」
「構わんが、先に怒鳴るなよ」
「旦那まで俺を何だと思ってるんですかい」
「お前を知ってるから言ってるんだ」
勇吉が横で吹き出すと、辰五郎は面白くなさそうにこちらを見たが、何も言い返さず清兵衛たちの方へ歩いていった。
*
「清兵衛さん、ちょいとよろしいですかい」
辰五郎が声を掛けると、清兵衛は書付から顔を上げた。
「辰五郎か。どうした?」
「この荷のことで、少し話を聞きたくて」
辰五郎はいつもの威勢のよさを抑え、浦和から来た男にも軽く頭を下げた。
「すみませんね。話の途中に割り込んじまって」
浦和の男は戸惑った様子を見せたが、清兵衛が辰五郎は地元の人足たちの世話をしている男だと説明すると、納得したように頷いた。
「新しい仕事が始まるのは結構なことです。蕨に荷が集まりゃ、町も賑やかになるでしょう」
辰五郎はそう切り出してから、一度納屋に積まれた荷を見た。
「ただ、清兵衛さん。荷を運ぶ人間まで全部よそから連れて来られちゃ、こっちの若い衆は困るんですよ。別によそ者を追い返そうってんじゃありませんが、蕨で仕事をするなら、こっちの人間にも多少は仕事を回してもらえねえかと思いまして」
清兵衛は腕を組み、辰五郎の話に耳を傾けていた。
「なるほどな。気持ちは分かる」
そう答えたものの、すぐに約束はしなかった。
「ただ、辰。まだこの仕事を引き受けると決めたわけじゃないんだ」
「えっ、そうなんですかい?」
「ああ。荷を預かるだけならともかく、別の運び手へ渡すとなると、決めなきゃならんことがいくつもある」
敬之助が手元の書付を広げた。
「浦和から来た荷をこちらで受け取るなら、次に川口の方へ渡すまでの責任をはっきりさせたいんです。数が違ったり、荷が傷んだりした時に揉めないようにするためです。それに、この納屋は最初の五台分を預かる約束で借りていますから、勝手に別の荷まで入れるわけにもいきません」
辰五郎は黙って聞いていた。
商売の話なら、清兵衛たちが勝手に決めているのだろうと思っていた。しかし、どうやら相手の荷を受け取るだけでも、いろいろな約束が必要らしい。
「こちらとしては、荷を確かに次の運び手へ渡していただければ、それでよいのですが」
浦和の男がそう言うと、加兵衛は帳面から顔を上げた。
「それは分かります。ただ、蕨で荷を動かすとなると、今までの宿場の仕事にも関わってきます」
「と、おっしゃいますと?」
「人足を使えば賃金もいる。馬を出すなら手配が必要になる。それに、今まで荷を扱ってきた者たちとの取り決めもあるんです。新しい仕事だからといって、何でも勝手に始めるわけにはいきません」
岡田家は長く蕨宿で本陣や問屋を務め、人馬の手配や荷の扱いに関わってきた家である。
加兵衛にとって、新しい商売は町に仕事を増やす機会であると同時に、これまで築いてきた仕組みを変えてしまうかもしれない話でもあった。
浦和の男は事情を理解したらしく、少し考えてから頷いた。
「なるほど。こちらも急いで話をまとめるつもりはありません。必要な取り決めがあるなら、相談させてください」
「それならありがたい」
加兵衛が答えると、辰五郎も少し表情を和らげた。
「岡田さん、そこまで考えてくれてたんですかい」
「考えないわけにいかんだろ。蕨の仕事なんだから」
加兵衛の返事は短かったが、辰五郎には十分だったらしい。
「……なら、俺から言うことはあんまりねえかもしれませんね」
「いや、辰五郎。お前らの話も聞かなきゃならんよ」
清兵衛が言うと、辰五郎は顔を上げた。
「俺らの?」
「そうだ。荷を運ぶ人間のことは、お前らの方がよく知ってるだろ。使える人手がどれくらいいるのか、誰に何を頼めるのか。それが分からなきゃ、こちらも話を進めようがない」
辰五郎は腕を組み、しばらく考え込んだ。
これまでは、よその人間に仕事を取られるのではないかと心配していた。ところが話を聞いてみれば、今までになかった仕事が生まれる可能性もあるらしい。
「……なるほどねえ」
辰五郎が唸ったところで、横から話を聞いていた勇吉が口を開いた。
「だったら、蕨の人足に荷を降ろしてもらえばいいじゃん」
加兵衛が勇吉を見た。
「お前はまた簡単に言うな」
「何が?」
「だから、それを誰が頼んで、銭をどう払うかって話をしてるんだろ」
「ああ、そういうこと?」
「そういうことだよ」
勇吉は少し考えてから、辰五郎へ向き直った。
「でも、辰さんとこの若いのも仕事ほしいんだろ?」
「そりゃそうだ」
「じゃあ、荷を降ろす仕事が増えたら助かるじゃん」
「だから、そんな簡単な話じゃ……」
辰五郎はそこまで言って口を閉じた。
勇吉は商売の仕組みを深く考えているわけではない。ただ、仕事がなくなるのを心配しているなら、仕事を増やせばよいのではないか。それだけの話だった。
「まあ、仕事が増えるなら悪かねえけどよ。ただ、銭が出なきゃ意味ねえだろ。それに荷を壊したらどうすんだ」
「それは加兵衛さんたちが考えるんじゃねえの?」
「おい、勇吉!」
加兵衛が思わず声を上げると、周囲から笑いが起きた。
「何で俺に全部押しつけるんだよ」
「だって加兵衛さん、そういうの得意じゃん」
「得意だからって、何でもやっていいわけじゃないんだぞ」
清兵衛が笑いながら二人の間へ入った。
「まあまあ。勇吉の言ってることも、間違っちゃいない。ただ、引き受けるならちゃんと条件を決める。それは別の話だ」
敬之助も頷いた。
「地元の方へ荷の扱いをお願いすることは、一つの方法でしょう。ただ、その場合でも、どこからどこまでを誰の責任にするか、はっきりさせる必要があります」
勇吉は分かったような顔をしたが、実際にはあまり分かっていなかった。
商売の話は、聞けば聞くほど面倒になる。
それなら自分は、目の前の患者を診ている方が性に合っている。
そんなことを考えていると、敬之助が浦和の男へ向き直った。
「一つ、もう少し伺ってもよろしいでしょうか」
「何でしょう?」
「蕨で荷を扱えると、どなたからお聞きになったのでしょう」
「ああ、それですか」
男は少し笑った。
「浦和でも、もう何人か知っていますよ。中山道を通る荷の話は、商人同士でよく出ますからね」
「そうですか」
「それに、このところ役所へ出入りする者からも、どこなら荷を置けるかと聞かれることがありまして。まあ、今はいろいろ変わる時分ですから」
敬之助の指が、書付の端で止まった。
「役所の方から?」
「ええ。ただ、今回の荷とは別の話ですよ」
男はそう言って笑ったが、敬之助はすぐには笑い返さなかった。
その横で加兵衛も、帳面を閉じる手を止めている。
浦和から運んできた荷を、蕨で別の者に渡す。ただそれだけの相談のはずだったが、誰からその話を聞いたのかと尋ねただけで、商人でも荷主でもない人間の話が出てきた。
敬之助は手元の書付へもう一度目を落とした。
そこに書かれているのは、荷の数と運び賃、それに受け渡しの条件だけである。
それなのに、何か一つ、まだ聞いていない話があるような気がしてならなかった。
勇吉だけは、そんな様子に気づいていない。
納屋の外へ目をやり、ようやく人の出入りが落ち着いてきたのを確かめると、清兵衛の袖を軽く引いた。
「なあ、清さん」
「何だ?」
「俺、もう帰っていい?」
「宗助も連れてきてくれたし、今日はもういいぞ」
「本当?」
「ああ」
あまりにあっさり許されたので、勇吉は少し拍子抜けした。
「……何だよ。今日はやけに優しいじゃん」
「お前がいると、話が先に進まねえからな」
「それ、ひどくね?」
清兵衛が笑いながら浦和の男へ向き直ると、勇吉は面白くなさそうに口を尖らせたものの、すぐに帰り支度を始めた。
その時、加兵衛が敬之助へ小さく声を掛けた。
「敬さん。今の話、どう思う?」
敬之助は少し考えてから答えた。
「……まだ分かりません。ただ、荷を預ける場所を探しているのは、商人だけではないようですね」
加兵衛は納屋の外へ目を向けた。
六台目の荷車は、まだそこに止まっている。
「そうだな」
加兵衛は短く答え、閉じたばかりの帳面へもう一度目を落とした。
荷を置く場所を探しているのは、いったい誰なのか。
その問いに答えられる者は、この場にはまだいなかった。
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