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第2話 終わったはずの人生の続き
施設の扉が閉まる音で、何かが終わった気がした。
部屋は、きれいで、静かで、何もない。
ベッドと、棚と、椅子。
それだけ。
「ここで、暮らすのだ」
そう思っても、実感は湧かない。
夕食。
同じような食事。
同じような沈黙。
味が、よくわからない。
ただ、食べるだけ。
誰も何も求めない。
それは楽なはずなのに、
どうしてか、胸が冷えていく。
夜、天井を見る。
白い。
何もない。
——このまま、終わるのかもしれない。
その感覚だけが、静かに残った。
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施設の扉が閉まる音で、何かが終わった気がした。
部屋は、きれいで、静かで、何もない。
ベッドと、棚と、椅子。
それだけ。
「ここで、暮らすのだ」
そう思っても、実感は湧かない。
夕食。
同じような食事。
同じような沈黙。
味が、よくわからない。
ただ、食べるだけ。
誰も何も求めない。
それは楽なはずなのに、
どうしてか、胸が冷えていく。
夜、天井を見る。
白い。
何もない。
——このまま、終わるのかもしれない。
その感覚だけが、静かに残った。