第8話 英検(r)が、日本人に「パラグラフ・ライティング」の作法を叩き込む
■ 英検が、日本人に「パラグラフ・ライティング」の作法を叩き込む
日本人の中にも、知らないうちに「パラグラフ・ライティング」の訓練を受けている人たちがいる。
英検受験者のみなさんだ。
英検は、近年の改訂により、ライティングが2問になった。
そのうちの1問は、実質的に「パラグラフ・ライティング」の訓練になっているように見える。
3級からステップアップしながら、1級で「パラグラフ・ライティング」を書けるように橋渡しをしている。
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■ 英検の「パラグラフ・ライティング」指導の仕組み
英検における「パラグラフ・ライティング」の指導には、大きく二つの段階がある。まず最初は、1段落だけで意見をまとめたり、序論・本論・結論の型を体験する。
英検3級からスタートして、2級までは「パラグラフ・ライティングの準備段階」、準1級からは改行を伴う本格的なパラグラフ・ライティングへ移行する。
◆ 「設問」に対し「理由を2つ」1つのまとまり (1段落)で書く形式
① 3級 → 短い語数の中で「意見+理由」をシンプルにまとめる
② 準2級 → 語数は増えるが、改行せずに1つのブロックの中で「序論・理由・結論の要素 」をコンパクトにまとめる。「パラグラフ・ライティング」のミニチュア
③ 2級・準2級プラス → 指定語数が一気に増える。
論理構成(序論・本論1・本論2・結論)の型がよりはっきりしてくる。中身は本格的なエッセイの構造を持っている。
◆ 明確に複数段落に分ける「本格的なパラグラフ・ライティング」
序論、本論「理由の数だけ段落がある」、結論を、それぞれ独立したパラグラフ (段落)にハッキリと分ける。
段落ごとに改行して、序論、本論、結論を書き分ける。
④ 準1級 「理由は2つ」序論1、本論2、結論1、合計4段落
⑤ 1級 「理由は3つ」序論1、本論3,結論1、合計5段落
準1級で本格的なパラグラフ・ライティングに到達し、1級で Five-Paragraph Essay の典型的な形に近づく。
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以下は英検ライティングのうち、「英作文・エッセイ」のルール
◆ 3級
語数目安 : 25~35語
形式 : 設問に対し「理由を2つ」1つのまとまり(1段落)で書く形式
特徴 : エッセイは、短い語数の中で「意見+理由」をシンプルにまとめる形式
◆ 準2級
語数目安 : 50~60語
形式 : 設問に対し「理由を2つ」1つのまとまり(1段落)で書く形式
特徴 : エッセイは、 語数は増えるが、改行せずに1つのブロックの中で「序論・理由・結論の要素(ミニチュア版)」をコンパクトに書き上げる
◆ 2級・準2級プラス
語数目安 :
・ 準2級プラス : エッセイ 50~60語
・ 2級 : エッセイ80~100語
形式 : 設問に対し「理由を2つ」1つのまとまり(1段落)で書く形式。論理展開の基礎がある
特徴 : 指定語数が一気に増えるため、論理構成(序論・本論1・本論2・結論)の型がよりはっきりしてくる。
模範解答などでは改行なしの1段落として掲載されることもあるが、中身は本格的なエッセイの構造を持っている。
◆ 準1級・1級
語数目安 :
・ 準1級 : 120~150語
・ 1級 : 200~240語
形式 : 明確に複数段落に分ける本格的なパラグラフ・ライティング
・ 準1級 : 「理由は2つ」
・ 1級 : 「理由は3つ」
特徴 : 序論・本論「理由の数だけ段落がある」・結論を、それぞれ独立したパラグラフ(段落)にハッキリと改行して書き分ける。
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■ 「3つの理由」がアカデミック・英語圏の王道「ファイブ・パラグラフ・エッセイ」
◆ 英語圏の学校教育や一般的なエッセイ = Five-Paragraph Essay
英語圏の学校教育で広く用いられる基本的な型の一つが「5段落構成=Five-Paragraph Essay」だ。
下のように本論を3つに分ける構成が、Five-Paragraph Essayの代表的な形とされている。
第1段落: 序論 (Introduction)
第2段落: 本論1 (Body 1:理由①)
第3段落: 本論2 (Body 2:理由②)
第4段落: 本論3 (Body 3:理由③)
第5段落: 結論 (Conclusion)
つまり、英検1級のエッセイの書き方にたどりついて、ようやく、英語圏で一般的な標準である「理由を3つ並べる形 =5段落構成」の書き方を学ぶことになる。
英検では、3級から準1級までの長いステップで丁寧に、「理由を2つ」で論理展開する練習を積み上げ、1級になって初めて「理由を3つ」で論証する典型的な Five-Paragraph Essay の形に近づく。
「パラグラフ・ライティング」を書けるようになるために、ステップアップしてライティングの設問に出すことで、習得を促しているということが実態に近い。
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英検の英作文は、単なる英語力テストというより、「英語圏の文章作法」を身につける訓練でもあるように見えてくる。
結果的に、自学自習になっているところが、スパルタだと思う。
だって、公教育では、英検対策は授業に組み込まれていないはず。
だからこそ、大学入試などで英検が評価される背景には、語彙や文法だけではなく、大学で書く世界的に標準な論文やレポートの文章構成力を体験済みだという期待もあるのかもしれない、という背景もあるのではないかと感じている。




