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424/433

424.

 色々片が付き、私はようやく自分のログハウスへと帰還した。


「はー、のんのん」と声に出しながら、リビングのふかふかなソファにごろっと寝転がる。

 手にはコントローラー。画面の中では、色鮮やかな反重力マシンがコースを爆走している。大人気レースゲーム『ふぁーふぃーのエアふぁいふぁー』だ。


「ぶいーん」

「あー、そこショートカットずるいですよ、ミカ様」


 隣には、一緒にコントローラーを握る真理の姿があった。

 二人で肩を並べて、ただただゲームに没頭する時間。


「平和――」

「やーいいねー、平和――」


 私たちは画面から目を離さず、間延びした声で平和の尊さを噛み締めた。

 歴史書に黒歴史を刻まれるという悲劇はあったものの、今はとにかく休みたい。

 このログハウスという絶対の安全地帯で、怠惰を貪るのだ。


 すると、真理が華麗なドリフトをキメながら、世間話でもするような軽いトーンで口を開いた。


「そういえば、神域内に神獣が転がり込んできて、今ピンチらしいですけどー」

「おいーーーーー!」


 私のマシンがコースアウトし、画面の奥で盛大に爆発四散した。

 私はコントローラーを放り投げ、ソファからガバッと跳ね起きる。


「なんでそういう超重要案件をゲームのついでに言うの!?」

「えっ、だって平和を噛み締めていたので」

「噛み砕かれたわ! ほら、助けに行くぞ!」


 真理が心底不満そうに口を尖らせ、ゲームのポーズ画面を開いた。


「えー、なんで?」

「なんでって……うちの神域で神獣が行き倒れてたら、寝覚めが悪いどころの騒ぎじゃないでしょーが!」


 こうして、私のささやかな平和は、わずか数十分で終わりを告げたのだった。

【おしらせ】

※2/20(金)


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