番外編 その二 乙女ゲームの世界~調教された犬同盟No.100 視点~
主人公の友人兼この世界を創った神様視点です。
私は、神様です。
神様であるからには、自分で世界を創り、その世界を管理しなければいけません。
これは、神様である義務です。
なかなか自分で世界を創らなくて、地球という世界を創りだした神様に心配されてしまいました。
分からないなら、自分が創った地球で人として生活してみないかと提案されました。
それなら私が創ってみたい世界の参考にできそうです。私は、早速その提案に乗ることにしました。
私が住むのは、地球の中にある『日本』という国です。娯楽が溢れすぎている国です。ちょっと、ドキドキします。
私はそこで人として生活して、『乙女ゲーム』というものに出会いました。
詳しく言うのはアレなので簡単に言うと、衝撃でした。すごいものに出会ってしまったという感じです。人って、神様が思うよりもすごい物を作るのですね。
その乙女ゲームのタイトルは、『Flowers Lover~小さな花の名を持つ君へ~』です。
その中のキャラクターで、悪役令嬢ことカトレア・ミルフィーユに調教されたい願望を持つ人が作った、女王様のファンクラブ『調教された犬同盟』があります。
私は女王様ルートが大好きなので、『調教された犬同盟』に入会しました。
そこで出会う変人な仲間たち。
恐ろしいわ、人間たち。神様である私より濃いキャラクターを持ってるなんて。
その中で、高校の時に同じクラスになった同級生がいたの。彼女は、No.99。大人しい子だったし、あまり話したことがなかったけれど、同志だと分かると話が弾んだの。共通の話題がないと、友人でもない限り話しにくいよね。
No.99と仲良くなることで、No.1とNo.98とも友だちになった。
No.1は、『女王様の奴隷』という同人誌を作っているの。その本、私も読んだことがあるわ。愛読本の作者に会えるなんて、不思議な感じ。
No.98は、主婦でNo.55が夫なんだって。夫婦で乙女ゲームをするなんて、すごいな。
数年後、No.99はNo.98の子どもを庇って死んでしまった。なんか、彼女らしい死に方ね。最後に、私への伝言が「黒歴史の処分を頼む」なんてしてるところも彼女らしいと思ってしまった。
No.1も、ちょっとした事故で死んでしまったのだけど、彼の名誉のためにナイショです。
そして、私は自分がどういう世界を創りたいのかが分かったので、あの乙女ゲームの世界を創ることにした。
自分が作る世界を管理すると言っても、干渉できるわけではない。自分の世界の子どもたちを見守るだけ。
No.99は、生前言ってた。「乙女ゲームの世界に転生できるのは、現実ではありえない」って。だから、私が創ることにした。
それで、同志・調教された犬同盟の仲間たちを転生させることにしたの。
もちろん、本人たちの許可済みで。
ゲーム世界のままだと思い込んでも困るので、前世の記憶とこの会話の記憶を消すことにも同意してもらった。思ったよりも、すんなり納得してもらえたので拍子抜けした。『なろうよ、小説家!』を読んでいた人が多いせいね。
「転生をしない」って言った仲間もいたわ。自分の人生に満足したから、必要ないって。私が納得いかない顔をすると、「自分の子どもたちがいれば、きっとあなたにも私が言ってることが分かるわ」と苦笑されながら言われた。
地球を創った神様に言うと、「これから、分かることだ」と言われた。
まだ分からないけれど、きっとその答えが分かるのだろう。だって、私も神様なのだから。
あの乙女ゲームの世界を創って、やっと乙女ゲーム舞台の時代が来た。
No.99は、アイリス・ガレットに転生して前世の記憶を思い出した。
No.1も、前世の記憶を思い出した。彼、いえ彼女はヒロインのスズラン・ヴァーニルに転生した。あの子は、女王様が好きすぎてヒロイン転生したいと願ったから、ヒロインに転生させたの。
あの子は、前世でも書いた『女王様の奴隷』を『女王様の所有犬』としてこの世界に出版した。その時に、「ヒロイン補正って、こういうことに使うものなのよ」って自信満々に独り言を言ったの。それ、ヒロイン補正の使い方が違うから!ヒロイン補正の影響により、『女王様の所有犬』シリーズは大ヒット。
なんか、考えていた世界と違うわね。
私が創った世界なんだけど、予想外のことが起きた。
カトレア・ミルフィーユが、悪役令嬢もとい女王様にならないような性格になってるのだ。
私はどうしようか考えた。そうだ、アイリス・ガレットの召喚獣を銀竜にしよう。彼女は自分が転生者と気付いている。なら、ゲーム通りにカトレア・ミルフィーユの召喚獣を一角獣にしても問題ないだろう。彼女なら、きっとゲーム期間ならそれなりの対処をしてくれるはずだ。
こうして、私は自分の創った世界の子どもたちを今日も見守る。
「悪役令嬢が、ロースペックすぎて悪役できない」を読んでくださり、ありがとうございました。
今回は、この番外編で「あとがき」で書くつもりだったことを書いてしまっているので、「あとがき」を書きません。




