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【休載中】世界を救った代償に存在を消された盲目の【最強】魔術師、黒猫と静かに世界を直していたら「第二の魔王」に【勘違い】認定されました  作者: ミロク
第4章 咆哮の峰ヴォルグと孤独の黄金宮殿

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怒れる沈黙の王と、紡がれる光の弓

 ついに硝子の棺が破られ、何百年もの怒りを宿した沈黙の屍王セトが立ちはだかります。

 音をかき消す無音の暴風が吹き荒れる中、ノアはシオンに命を預け、光の弓を構えます。


「……来るわ」


 シオンの声が、静かに、けれど刃のように鋭くなった。


「セトが棺から出る。周囲のマナが急速に乱れてるわ。あいつ——私たちを排除するつもりよ」


 きゅるるるっ!


 ドスンさんが真っ赤にランプを灼いて、僕の前方に流体の防壁を展開した。


「待ってください、セトさん! 僕は戦いに来たんじゃない! あなたを助けに——」


 言葉が、途切れた。


 セトの怒りが——空間ごと僕を押し潰しにかかったからだ。


 音のない暴風。


 物理的な風ではない。理の糸そのものが、この空間から僕を排除しようとしている。棺から解き放たれたセトの意志が、音のない嵐となってこの球形の空洞を満たし始めた。


 ドスンさんの防壁が、みしりと軋む。


「お, お師匠! なんかすごいのが来てるッス!」


 フクが毛を逆立てて叫んだ。太陽の炎がぼうっと灯るが、この嵐の前では蝋燭のように頼りない。


 ——出ていけ。


 ——ここは妾の静寂だ。誰にも渡さぬ。誰にも触れさせぬ。


 セトの「声」が、怒りに震えていた。


 けれど僕には聞こえていた。


 怒りの底に沈んでいる、もうひとつの振動。


 ——本当は。


 ——もう一度だけ。


 ——誰かの声を。


 セトが、動いた。


 硝子の棺が完全に砕け散り、無音 of 嵐(無音の嵐)が爆発的に膨張する。

(おっと、日本語の「の」に修正)

 無音の嵐が爆発的に膨張する。


 結界が——押し縮められていく。僕の周囲の「音の泡」が、セトの無音の圧力にじりじりと侵食されていた。


「ノア、結界が保たなくなるわ! このまま押されたら全員音を失う!」


 シオンの声が鋭い。


「シオン、セトさんの位置は」


「正面十二歩、高さ三メートル。硝子の欠片を纏って浮いてる。——ノア、あれは会話が通じる状態じゃない」


「……分かっています」


 分かっている。


 セトの怒りは、何百年もかけて凝り固まった氷の塊だ。言葉で溶かせるほど、薄くはない。


 なら——。


「シオン。ナビゲーション、お願いします」


「……ええ。任せなさい」


 シオンの尻尾が、僕の首筋にきゅっと巻きついた。覚悟の合図。


「フク、ドスンさん。僕を守ってください」


「当然ッス!」


 きゅるるっ!


 僕は右手を持ち上げた。


 指先に意識を集中させる。理の糸を——掴む。


 目の前の空間に乱れ狂う無数の糸の中から、一本だけ。澄んだ、正しい音を奏でる糸を。


 そっと引き寄せて——弦を張るように、弓の形に編み始めた。


 光の弓。


 音のない世界に、音を届けるための弓。


 脳のリソースが、一気に調律へと吸い込まれていく。空間把握が薄れる。足元が分からなくなる。自分がどこに立っているのかすら——。


「右に一歩! 硝子の刃が来るわ!」


 シオンの声だけが、僕の世界のすべてになった。




 激怒するセトの無音の嵐に対し、ノアは『光の弓』を編み始めました。

 しかし、調律に集中するノアは周囲の状況を全く把握できなくなります。頼れるのは右肩のシオンのナビゲーションのみ。


 二人の絆と連携が試される、かつてない戦いが始まります!

 次回、ノアとシオンの放つ光の矢は、セトの呪いを解くことができるのか。お楽しみに!


【☆作者からのお願い☆】


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(ここも「の」に修正)

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