[民法・共有]法理編 こはるノート
四分の三を持っている人が、四分の一を持っている人に負ける。
そんなことが、本当にあるのでしょうか。
答えは。
あります。
ただし、正確には、勝ち負けの問題ではありません。
大切なのは。
何をするのか。
屋根を直すのか。
家を貸すのか。
家を壊すのか。
同じ家に対する行為でも、民法は必要な同意の範囲を変えているのです。
そして。
一緒に所有し続けられなくなった場合には、共有関係を解消する方法まで用意しています。
昭和六十三年。
夕方の片桐行政書士事務所。
私は机に向かい、ノートを開いていました。
表紙には大きく、
――こはるノート・民法編。
と書いてあります。
「……共有って、算数みたいで算数じゃないんですよね」
私が呟くと、相馬先輩が新聞から顔を上げました。
「何だ、藪から棒に」
「四分の三ですよ?」
「何がだ」
「四分の三って、四分の一より大きいですよね!」
「そりゃそうだ」
「普通、多数決なら勝ちますよね!」
「そうだな」
「なのに、家を壊せないんですよ!」
相馬先輩は、呆れたように私を見ました。
「お前、昨日の事件から何も学んでねえのか」
「学んだから混乱してるんです!」
昨日の事件。
水野千鶴さん。
三十四歳。
亡くなった父親から受け継いだ家に住んでいる女性。
その家は、兄の隆一さんとの共有でした。
兄の持分は、四分の三。
妹の持分は、四分の一。
兄は不動産会社に土地を売るため、家を取り壊そうとしました。
そして言ったのです。
「俺が四分の三を持っている。だから俺が決める!」
でも。
共有物の管理と変更は違います。
建物を全部取り壊すには、共有者全員の同意が必要。
千鶴さんは同意していませんでした。
そこで私たちは、民法二百五十一条を根拠に、千鶴さん本人名義の内容証明郵便を作成しました。
さらに、解体業者にも共有関係と同意がない事実を通知。
解体業者は工事を見合わせました。
兄も弁護士に相談した結果、解体を中止。
家は守られたのです。
「でも、先輩」
「何だ」
「兄にも四分の三の権利があるんですよね」
「ああ」
「妹にも四分の一の権利がある」
「そうだ」
「どっちも所有者なのに、どうして行為によって決め方が違うんでしょう」
相馬先輩が新聞を畳みました。
「なら、そこから整理しろ」
「はい!」
私は鉛筆を握りました。
今日のテーマ。
共有。
持分。
使用。
保存。
管理。
変更。
費用負担。
持分放棄。
分割。
担保責任。
……。
「多すぎません?」
「自分で並べたんだろ」
「民法って、どうしてこんなに覚えることが多いんですか!」
奥から片桐所長の声がしました。
「丸暗記するな」
「はい?」
「水野家を思い出せ」
私は顔を上げました。
「水野家……」
「一軒の家について、二人が違うことを望んだ。それだけの話だ」
所長は静かに言いました。
「その対立をどう解決するか。そこから考えればいい」
なるほど。
条文を一つずつ暗記するのではなく。
あの家を思い浮かべながら考える。
よし。
今日こそ。
共有を完全攻略します!
◇
「まず、共有とは何か!」
私はノートに大きく書きました。
――共有。
一つの物を、複数の人が共同で所有すること。
「例えば、水野家ですね」
「ああ」
「兄の持分が四分の三。妹の持分が四分の一」
私は家の絵を描きました。
四角い屋根。
二階の窓。
小さな玄関。
そして、庭の椿の木。
「絵が下手だな」
相馬先輩が言いました。
「そこは法律と関係ありません!」
「椿が大根に見えるぞ」
「椿です!」
私は気を取り直しました。
「ここで重要なのが、持分です」
持分。
共有物に対する所有権の割合。
例えば。
五千万円のマンションを夫婦で購入したとします。
夫が二千五百万円。
妻が二千五百万円。
取得した持分がそれぞれ二分の一なら、二人は半分ずつ共有しています。
「じゃあ、夫が四千万円、妻が千万円出したら?」
相馬先輩が聞きました。
「出資額に応じて持分を決めたなら、夫が五分の四、妻が五分の一です!」
「そうだな」
「ただし、実際の持分は取得時の合意や登記なども確認する必要があります。出したお金だけで、何でも自動的に決まるわけではありません」
「よし」
私は頷きました。
大切なのは、所有権の割合。
そして。
「先輩。共有者が何人いるかと、持分の割合は別ですよね」
「当然だ」
ここが一つ目の落とし穴です。
例えば。
兄A。
妹B。
弟C。
三人が一軒の家を共有している。
持分は。
兄Aが五分の三。
妹Bが五分の一。
弟Cが五分の一。
「管理事項を決めるとき、BとCが賛成すれば多数決で勝てますか?」
「どう思う?」
「人数では二対一です。でも……」
私は少し考えました。
「持分を合計すると、五分の二!」
「そうだ」
「五分の三のAには負けます!」
「正解」
民法二百五十二条。
共有物の管理に関する事項は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。
つまり。
人数の過半数ではありません。
持分の価格の過半数です。
「これ、試験で引っかかりそうですね」
「お前は引っかかりそうだな」
「ひどい!」
私はノートに赤線を引きました。
――共有の管理は、頭数ではなく持分の価格で決める。
「ちなみに」
片桐所長が口を開きました。
「持分の割合が分からない場合は?」
「え?」
「共有者が二人いることは分かる。しかし、それぞれの持分が不明だ」
私は六法を開きました。
民法二百五十条。
――各共有者の持分は、相等しいものと推定する。
「あ!」
私は顔を上げました。
「等しいものと推定されます!」
「そうだ」
「二人なら、原則として二分の一ずつと推定するんですね」
「ああ。ただし、証拠があれば、その推定と異なる持分が認められることもある」
私は書きました。
――持分不明なら等しいと推定。ただし、反証可能。
なるほど。
共有は、まず誰がどれだけ所有しているのか。
そこを確かめるところから始まるのです。
◇
「さて、次は使用だ」
相馬先輩が言いました。
「はい!」
「水野千鶴さんは、四分の一しか持ってなかったな」
「はい」
「じゃあ、家の四分の一しか使えねえのか?」
「違います!」
私は勢いよく六法を開きました。
民法二百四十九条。
――各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。
「各共有者は、共有物の全部について使用できるんです!」
「そのとおり」
私は家の絵を指差しました。
「千鶴さんは四分の一の持分です。でも、玄関だけとか、台所だけとか、家の一部分しか使えないわけじゃありません」
「そうだな」
「家の全部について、共有持分に基づく使用権があるんです!」
これは、最初に勉強したとき、少し混乱したところです。
四分の一の所有権。
だから四分の一の面積。
そう考えたくなる。
でも、違います。
共有持分とは、物理的に切り取られた場所ではありません。
一つの物全体に対する、観念的な割合なのです。
「じゃあ」
相馬先輩が聞きました。
「千鶴さんが家全部に住んでいて、兄を絶対に入れないと言い張ったら?」
「……それは」
私は止まりました。
「全部について使用できるんだから、いいんじゃ……」
「本当にそうか?」
「……あ」
そうでした。
家の全部について使用できる。
でも。
他の共有者にも、同じように共有物全体に及ぶ権利があるのです。
「じゃあ、千鶴さんが兄を完全に排除して、好き勝手に使ってもいいわけではありません」
「そうだ」
「使用関係について合意があるか、持分を超える利益を得ていないか、そうした事情も考える必要があります」
相馬先輩が頷きました。
「水野家では、兄が妹の居住を認めた確認書があっただろ」
「はい!」
昭和六十一年付の確認書。
――妹千鶴が本件家屋に居住することを認める。
あの紙です。
「だから、千鶴さんの居住には、単なる無断占有とは違う事情があったんですね」
「そういうことだ」
私は大きく丸をつけました。
――持分が少なくても共有物全体に使用権が及ぶ。ただし、他の共有者の権利を消せるわけではない。
「所長!」
「何だ」
「四分の一だから家の四分の一しか使えない、というのは間違いですね!」
「そうだ」
「でも、四分の一あれば全部独占できる、というのも間違い!」
「そのとおり」
なるほど。
両極端に考えないこと。
民法って、そこが難しいんですよね。
◇
「さて」
相馬先輩が机を指で叩きました。
「いよいよ昨日の本題だ」
「保存、管理、変更ですね!」
「そうだ」
私はノートに三つの言葉を書きました。
――保存。
――管理。
――変更。
「この三つ、名前だけだと覚えにくいんですよね」
「なら水野家で考えろ」
「はい!」
まず、保存行為。
これは、共有物の現状を維持する行為です。
例えば。
台風で水野家の屋根が壊れた。
雨漏りが始まった。
放置すれば、柱も床も腐ってしまう。
「そこで千鶴さんが、壊れた屋根を元の状態に修理する」
「うん」
「これは保存行為です!」
「誰の同意が必要だ?」
「他の共有者の同意は不要です!」
民法二百五十二条ただし書。
保存行為は、各共有者がすることができる。
「つまり、千鶴さんは四分の一しか持っていなくても、必要な保存行為なら単独でできるんですね」
「そうだ」
「兄が反対していても?」
「適法な保存行為ならな」
私は頷きました。
なるほど。
屋根が壊れているのに、共有者全員の同意がそろうまで放置しなければならない。
そんな制度だったら、家が傷んでしまいます。
「だから保存行為は、一人でもできるんですね!」
「そういうことだ」
私は赤鉛筆で書きました。
――保存行為は、共有物を守るため、単独でできる。
「じゃあ、管理行為です!」
次に、私は水野家の絵に小さな看板を描きました。
――貸家。
「例えば、兄妹があの家を誰かに貸そうとする場合です」
「うん」
「通常の賃貸借を決めるなら、共有物の管理に当たります!」
管理行為。
共有物の性質を変えずに、利用したり改良したりする行為。
昭和六十三年の民法二百五十二条。
管理に関する事項は、持分の価格の過半数で決めます。
「つまり」
私は言いました。
「兄の隆一さんが四分の三を持っているなら、管理事項については原則として一人で過半数を満たせます」
「そうだ」
「妹が反対していても、通常の管理事項なら決定できる場合がある」
「そのとおり」
ただし。
賃貸借なら何でも管理行為になるわけではありません。
期間や内容によって、共有者の権利を強く制約することもあります。
「だから、賃貸借の条件まで確認する必要があるんですね」
「そうだ。『貸す』の一言だけで判断するな」
「はい!」
そして。
三つ目。
変更行為。
私は水野家の絵に、大きなバツ印を描きました。
「家を全部取り壊す!」
「そうだ」
「これは、共有物の変更です!」
民法二百五十一条。
――各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。
「だから、全員の同意!」
「そうだ」
「持分の割合は関係ありません!」
私は勢いよく言いました。
「兄が四分の三でも、百人中九十九人が賛成していても、変更には原則として全員の同意が必要です!」
「そういうことだ」
ただし。
ここで、私は思い出しました。
「あっ!」
「何だ」
「現代の民法だと、少し変わっていますよね!」
相馬先輩の眉が動きました。
「また未来の話か」
「重要なんです!」
そう。
令和五年に施行された共有制度の改正。
現代の民法二百五十一条では、形状または効用の著しい変更を伴わない変更について、扱いが整理されています。
軽微な変更は、全員同意ではなく、持分の価格の過半数で決められる範囲に入ったのです。
「でも」
私は言いました。
「昭和六十三年の条文には、その例外が明文化されていないんですよね」
「そうだ」
「ただし、当時でも通常の管理・改良の範囲に収まる行為まで、何でも全員同意だったわけではない」
私はノートに書きました。
昭和六十三年。
保存は単独。
管理は持分の価格の過半数。
変更は全員同意。
令和の改正後。
軽微な変更について、管理として決定できる範囲を明確化。
「でも、家を全部壊すような重大な変更は?」
相馬先輩が聞きました。
「現代でも、原則として全員の同意が必要です!」
「正解」
私は大きく頷きました。
つまり。
現代では、共有物の管理を円滑にする方向で制度が整えられた。
でも。
共有者の所有権を根本から変えてしまう重大な行為まで、簡単な多数決で押し切れるようにしたわけではない。
「法律の改正って、何でも自由にするためじゃないんですね」
「そうだな」
片桐所長が言いました。
「必要な決定をしやすくすることと、少数者の権利を守ること。その両方が問題になる」
私は頷きました。
水野家でいえば。
屋根を直すなら、早く直せる方がいい。
通常の管理なら、多数決で決められる方が便利。
でも。
家を丸ごと壊すなら、少数持分の千鶴さんにも拒む権利がある。
その違いには、ちゃんと理由があったのです。
◇
「じゃあ、費用負担だ」
相馬先輩が言いました。
「はい!」
「千鶴さんは、家の屋根を修理してたな」
「はい」
「修理代が二十万円だったら、誰が負担する?」
私は少し考えました。
「共有物の保存に必要な費用なら、原則として持分に応じて負担します!」
民法二百五十三条。
各共有者は、その持分に応じ、管理費用その他共有物に関する負担を負う。
「水野家では、兄が四分の三。妹が四分の一です」
「そうだ」
「二十万円を持分どおりに負担するなら、兄が十五万円、妹が五万円です!」
相馬先輩が頷きました。
「よし」
「妹が修理代を全部立て替えたなら、兄の負担分について精算が問題になります!」
「そうだ。ただし、必要な修理だったか、誰が支払ったか、当事者間の合意はどうだったか。そこを確かめろ」
「はい!」
私は、昨日の家計簿を思い出しました。
千鶴さんが持参した、父親の古い帳面。
屋根修理。
雨樋交換。
固定資産税。
その横に、千鶴さんの名前。
「だから、領収書や修理内容を確認したんですね」
「そうだ」
「全部をまとめて請求すればいいわけではない」
「当たり前だ」
相馬先輩は言いました。
「千鶴さんが個人的に使った電気代まで、共有物の保存費用に混ぜるなよ」
「はい!」
私はノートに書きました。
――共有物の負担は、原則として持分に応じる。ただし、費用の性質と当事者間の合意を確認する。
「でも先輩」
「何だ」
「兄がずっと費用を払わなかったら?」
「いいところに気づいたな」
私は身を乗り出しました。
民法二百五十三条二項。
共有者が一年以内に負担義務を履行しないときは、他の共有者が相当の償金を支払って、その者の持分を取得できるという規定があります。
「えっ!」
私は改めて条文を見ました。
「費用を払わなかった人の持分を、取得できる場合があるんですか?」
「そういう規定だ」
「すごいですね!」
でも。
相馬先輩は、すぐに私を睨みました。
「勘違いするなよ」
「はい?」
「一回修理代を払わなかっただけで、翌日から勝手に持分を奪えるって話じゃねえ」
「……ですよね」
「条文の要件を満たすか、償金はいくらか、権利関係はどうなるか。慎重に見る必要がある」
私は頷きました。
特に今回の水野家では、確認書に、
――修理その他の費用については、その都度協議する。
と書かれていました。
負担の内容や履行期について、個別に確認する必要があるのです。
「所長」
「何だ」
「じゃあ、昨日の時点で兄の持分を取得できるなんて、断定しなくてよかったですね」
「そうだ」
所長は静かに答えました。
「使える条文と、使いたい条文を混同するな」
私はその言葉に二重線を引きました。
これは覚えておこう。
法律の知識が増えるほど。
自分に都合のよい条文を見つけたくなる。
でも。
条文が存在することと、目の前の事件で要件を満たしていることは、別なのです。
◇
「さて、こはる」
相馬先輩が言いました。
「はい!」
「水野家は、どうして最後に話し合えるようになった?」
「共有物の分割という方法が分かったからです!」
「そうだ」
私はノートをめくりました。
――共有物分割請求。
民法二百五十六条。
各共有者は、原則としていつでも共有物の分割を請求できます。
「つまり」
私は言いました。
「共有者は、永遠に一緒に所有し続けなければならないわけではありません」
「そうだ」
「共有関係を終わらせたいと思ったら、分割を求める道がある」
そこで、私は水野家の兄妹を思い出しました。
兄は家を売ってお金にしたい。
妹は家に住み続けたい。
このままでは、ずっと意見が対立します。
でも。
分割によって、共有関係を解消できれば。
それぞれが、自分の財産を自分で管理できるようになる。
「所長!」
「何だ」
「共有物の分割って、喧嘩した共有者のための出口なんですね!」
「そうだな」
「もちろん、喧嘩していなくても請求できますけど!」
「そのとおりだ」
私は笑いました。
そして、続けて書きました。
――分割の方法。
一、現物分割。
二、代金分割。
三、価格賠償。
「まず、現物分割です!」
私はノートに土地の絵を描きました。
長方形。
真ん中に一本の線。
「例えば、兄妹が広い土地を共有していたとします」
「うん」
「土地を物理的に分けて、それぞれ単独所有にする方法です!」
「そうだ」
現物分割。
土地なら、分筆して分けることができます。
もっとも。
四分の三と四分の一だからといって、単純に面積をその割合で切れば公平になるとは限りません。
道路に接している場所。
日当たりのよい場所。
建物を建てられる場所。
土地の価値は、場所によって違うからです。
「だから、価格も考えないといけないんですね」
「そうだ」
「次は、代金分割!」
私は土地の絵の横に、お金の絵を描きました。
「共有物を売って、その代金を分ける方法です!」
例えば。
百万円の時計を二人で二分の一ずつ共有している。
その時計を売却し、百万円になった。
そうすれば、それぞれ五十万円ずつ分けられる。
「時計を物理的に半分にしたら壊れますからね」
「そりゃそうだ」
「だから、お金に換えて分ける!」
ただし。
私はノートに注意書きを加えました。
――任意売却には権利者の合意が必要。裁判による競売とは区別する。
共有物分割のための売却と、共有者の一人が勝手に物全部を売却することは違います。
ここを混同すると。
また水野家のような問題が起きてしまいます。
「そして、価格賠償!」
私は大きく丸をつけました。
これが、水野家で検討している方法です。
千鶴さんが家と土地を単独で取得する。
その代わり。
兄の隆一さんに、四分の三の持分に見合う代償金を支払う。
「例えば、家と土地の評価額が二千万円だったら?」
相馬先輩が聞きました。
「単純に持分割合で考えれば、兄の四分の三は千五百万円です!」
「そうだ」
「妹が兄の持分を千五百万円で買い取る合意をすれば、妹が単独所有者になれる可能性があります!」
もちろん。
実際には、不動産の評価。
支払方法。
その他の調整事項。
税金。
登記。
慎重に検討する必要があります。
でも。
共有の家を壊さなくても、共有関係を終わらせることはできる。
これが、千鶴さんにとって大きな希望になったのです。
「ところで、こはる」
所長が口を開きました。
「はい!」
「昭和六十三年の民法二百五十八条を読んでみろ」
「はい!」
私は六法を開きました。
共有物の分割について協議が調わない場合には、裁判所に分割を請求できます。
そして。
現物分割ができないとき、または分割によって価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所が競売を命じることができます。
「つまり、裁判による分割ですね」
「そうだ」
「でも、現代の二百五十八条とは違います」
「どう違う」
私は一瞬、言葉を止めました。
現代では、裁判による共有物分割の方法が、条文上さらに整理されています。
特定の共有者に物を取得させ、他の共有者に金銭を支払わせる方法も、明文で定められています。
「でも昭和六十三年には、現在のような全面的価格賠償の明文規定はありません」
「そうだ」
「だから、将来の判例や改正後の条文を、この時代の裁判所で当然に使えると考えてはいけないんですね」
片桐所長が頷きました。
「そういうことだ」
私はノートに大きく書きました。
――昭和六十三年の裁判上の分割は、当時の条文と判例・実務によって判断する。
そして。
心の中で付け加えました。
未来の法律を、過去の裁判に持ち込むべからず。
転生者にとっては、これが一番難しいのかもしれません。
◇
「ところで」
私は手を挙げました。
「共有物って、いつでも分割を請求できるんですよね?」
「原則はな」
相馬先輩が答えました。
「原則……?」
「例外があるだろ」
私は六法を見直しました。
民法二百五十六条ただし書。
五年を超えない期間内は、共有物を分割しない旨の契約をすることができます。
「あ!」
私は顔を上げました。
「不分割特約!」
「そうだ」
「共有者同士で、しばらく分割しないと約束できるんですね!」
「ああ」
例えば。
兄弟三人で土地を共有している。
そこを共同で使う計画がある。
今すぐ誰かに分割請求されたら困る。
そんな場合。
一定期間は分割しないという約束をすることができます。
「ただし、五年を超える期間は定められません!」
「正解」
「十年間分割禁止! という約束を、そのまま十年間有効な不分割特約として扱うことはできません!」
「そうだな」
「更新は?」
「できる」
「でも、更新後も五年以内!」
私は勢いよく書きました。
――不分割特約は最長五年。更新できるが、更新時からも五年以内。
「これ、絶対に試験に出そうです!」
「また試験か」
「重要です!」
相馬先輩は苦笑しました。
「しかし、よく考えてみろ」
「はい?」
「何で五年なんだと思う?」
私は少し考えました。
共有者が、分割しないと約束する。
それ自体は、自由な意思に基づくものです。
でも。
何十年も、永遠に分割できないとしたら。
事情が変わっても、共有関係から抜け出せなくなる。
「……長期間、財産を自由に処分できなくなるのを防ぐためですか?」
「そういうことだ」
片桐所長が頷きました。
「約束を尊重することと、所有権を過度に拘束しないこと。その調整だ」
なるほど。
五年という数字。
ただ暗記するだけなら、すぐ忘れてしまうかもしれません。
でも。
なぜ五年を超える特約を認めないのか。
その理由を考えると、覚えやすい。
私はノートに書きました。
――共有から抜け出す自由を、長期間奪わないための制限。
「所長」
「何だ」
「水野家に不分割特約はありましたか?」
「提出された資料からは、確認できなかったな」
「はい。だから、兄も妹も原則として分割を請求できる立場なんですね」
「そうだ」
私は深く頷きました。
家を勝手に壊すことはできない。
でも、共有物分割を求める道はある。
その二つを区別できたことが、昨日の事件の大きなポイントだったのです。
◇
「さて、最後の方だ」
相馬先輩が言いました。
「まだあるんですか!」
「お前が全部覚えるって言ったんだろ」
「言いましたけど!」
「持分放棄だ」
私はノートに書きました。
――民法二百五十五条。
共有者の一人が持分を放棄したとき。
その持分は、他の共有者に帰属します。
「例えば、水野家で兄が四分の三の持分を放棄した場合ですね」
「そうだ」
「他に共有者が千鶴さんだけなら、その持分が千鶴さんに帰属することになります!」
「うん」
私は首をかしげました。
「でも、それって、贈与と同じですか?」
「違う」
相馬先輩が即答しました。
「贈与は、相手に財産を与える契約だ」
「はい」
「持分放棄は、共有者が自分の持分を放棄する行為だ」
「なるほど」
ただし。
不動産であれば登記の問題があります。
また、税金が生じる可能性もあります。
持分を放棄したから、何も手続せずに安心してよいという話ではありません。
「じゃあ、共有者が亡くなった場合は?」
私は続けました。
「相続人がいない場合には、民法二百五十五条によって、他の共有者への帰属が問題になります!」
「そうだ」
ただし。
ここにも注意が必要です。
まず、本当に相続人がいないのか。
相続財産の債務はどうなっているのか。
受遺者はいるのか。
特別縁故者への財産分与が問題にならないのか。
そうした事情を確認しなければなりません。
「所長、特別縁故者って、例えば亡くなった人を長年看護していた人ですよね」
「そうだ」
「相続人でなくても、家庭裁判所による財産分与の対象となる場合がある」
「そのとおり」
私は頷きました。
亡くなった人と一緒に暮らしていた。
長い間、療養看護に尽くした。
そういう特別な関係がある人です。
もちろん。
単に親しかっただけで、必ず財産をもらえるわけではありません。
家庭裁判所の判断が必要です。
「じゃあ、相続人がいないからといって、共有持分がすぐ隣の共有者のものになると考えるのは危険ですね」
「そうだ」
相馬先輩が言いました。
「人が亡くなった後の財産は、簡単に取り合っていいもんじゃねえ」
私は静かに頷きました。
財産には。
亡くなった人の生活があります。
残された人との関係があります。
法律上の持分だけを見て、すべてを決められるわけではない。
「ちなみに」
私は小さな声で言いました。
「将来、この点について最高裁が重要な判断をするんですけど……」
「何だって?」
相馬先輩が顔を上げました。
「あっ、いえ!」
危ない。
平成元年十一月二十四日。
相続人のいない共有者の持分と、特別縁故者への財産分与との優先関係について、最高裁が判断するのは、まだ来年のことです。
今は昭和六十三年。
未来の判決を、既に確定した先例のように語ってはいけません。
「こはる」
片桐所長が言いました。
「はい!」
「判例を調べるときは、判決日を確認しろ」
「……はい!」
「事件が起きた時期と、判決が出た時期も区別するんだ」
私は深く頷きました。
転生者だからこそ。
ここは絶対に気をつけなければなりません。
未来の法律。
未来の判例。
その知識を持っていても、昭和六十三年の現場では、当時使える法律と裁判例を基準に考えなければならないのです。
◇
「さて」
相馬先輩が時計を見ました。
「これで終わりか?」
「まだ一つあります!」
「何だ」
「共有物の分割における担保責任です!」
私は六法を開きました。
民法二百六十一条。
各共有者は、他の共有者が分割によって取得した物について、売主と同じく、その持分に応じて担保の責任を負う。
「これ、ちょっと難しいですよね」
「なら例を出せ」
「はい!」
私はノートに、二つの土地を描きました。
A土地。
B土地。
二人の共有者が、これらを共有しているとします。
持分は、二分の一ずつ。
そして。
共有物分割によって、甲がA土地を取得し、乙がB土地を取得することになりました。
「これで、二人とも単独所有になりました!」
「うん」
「でも、後からA土地に重大な問題が見つかったら?」
「どうなると思う?」
私は考えました。
例えば、分割時に考慮されていなかった法律上の問題があり、A土地の価値が大きく下がってしまった。
そんな場合。
甲だけが一方的に不利益を負うとしたら。
公平ではありません。
「そこで、民法二百六十一条ですね!」
「そうだ」
共有物分割によって、それぞれが財産を取得する。
でも。
取得した物に担保責任を生じさせる問題があった場合。
他の共有者にも、持分に応じた責任が生じ得る。
「つまり、分け終わったから全部他人事、とはならないんですね」
「そのとおり」
私は書きました。
――共有物分割では、取得した物について、他の共有者も持分に応じて売主と同じ担保責任を負う。
「ところで、こはる」
相馬先輩が言いました。
「はい?」
「売主と同じ担保責任って、今の民法では何だ?」
「瑕疵担保責任などの規定ですね!」
「そうだ」
……あ。
ここも、現代との違いです。
現代では、売買の目的物が契約内容に適合しない場合の責任として、契約不適合責任という考え方が整理されています。
でも。
昭和六十三年には、現在の契約不適合責任という用語はありません。
「先輩」
「何だ」
「ここでも、未来の知識をそのまま使うと危ないですね」
「お前は毎回危ないな」
「民法が何度も改正されてるんです!」
「法律のせいにするな」
私は苦笑しました。
でも。
根本にある考え方は、理解できます。
共有物を分割する。
みんなで持っていた財産を、それぞれに分ける。
そのとき。
片方だけが予想外の不利益を抱え込むのは、不公平になることがあります。
だから、民法は分割後の担保責任まで定めている。
「共有って、分けて終わりじゃないんですね」
「そうだ」
「分け方だけじゃなくて、分けた後の公平まで考える」
片桐所長が頷きました。
「それが民法だ」
私はノートを見つめました。
なるほど。
共有。
ただ複数人で所有している状態を表すだけの言葉ではありません。
一緒に持つとき。
一緒に使うとき。
意見が割れたとき。
そして、別々に所有することになったとき。
そのすべてに、法律上の問題があるのです。
◇
窓の外は、すっかり茜色になっていました。
私はここまでのノートを見直しました。
共有持分。
共有物の使用。
保存。
管理。
変更。
費用負担。
持分放棄。
共有物分割。
担保責任。
「……よし!」
私は鉛筆を置きました。
「整理できました!」
相馬先輩が新聞を畳みました。
「じゃあ、確認問題だ」
「望むところです!」
「水野家の兄は、四分の三の持分を持っている」
「はい!」
「妹は四分の一だ」
「はい!」
「兄が、壊れた屋根を元どおりに修繕する。妹の同意は必要か?」
「保存行為なら、原則として不要です!」
「正解」
「次!」
「兄が、通常の管理として共有物を賃貸することを決める。持分の過半数は?」
「兄だけで四分の三あるので、過半数を満たします!」
「よし」
「次!」
「兄が、建物を全部取り壊す」
「変更行為! 全員の同意が必要です!」
「正解」
「次!」
「妹が、四分の一しか持っていないから玄関しか使えないと兄が言った」
「間違いです! 共有物の全部について、持分に応じた使用ができます!」
「よし」
「次!」
「共有者が五人いる。持分五分の四のAが管理行為に反対し、残る四人が賛成した」
「人数では四対一ですが、持分では五分の一しか賛成していません! 過半数に足りません!」
「正解」
「次!」
「共有物を分けたい」
「原則として、いつでも分割請求できます!」
「ただし?」
「五年以内の不分割特約がある場合には、その効力が問題になります!」
「更新は?」
「できます! 更新時から五年以内です!」
「よし」
私は得意になりました。
完璧。
今日の共有は、もう怖くありません。
「じゃあ最後だ」
相馬先輩が、にやりと笑いました。
「はい!」
「兄と妹が、共有する家を分割したいと言っている。でも家は二つに切れねえ」
「はい!」
「どうする?」
「まず、協議です!」
「うん」
「兄が家を取得して妹に代償金を払う方法も、妹が家を取得して兄に代償金を払う方法も考えられます!」
「うん」
「売却して代金を分ける方法もあります!」
「そうだ」
「協議がまとまらなければ、裁判による分割も問題になります!」
「正解」
相馬先輩が頷きました。
「で、昨日の水野家では?」
「妹が兄の持分を買い取る方法を検討しています!」
「そうだ」
「つまり、兄の財産権を尊重しながら、妹が家を守る道を探しているんですね!」
そこで。
片桐所長が静かに口を開きました。
「こはる」
「はい!」
「共有の事件で、一番やってはいけないことは何だ」
私は少し考えました。
保存。
管理。
変更。
どの条文だったでしょう。
でも。
所長が聞いているのは、きっと条文番号ではありません。
私は、昨日の兄妹を思い出しました。
家を壊そうとした兄。
家を守ろうとした妹。
どちらにも、所有権があった。
でも。
兄は、自分の持分が大きいことだけを見ていました。
妹も、最初は自分が住んでいることだけを考えていました。
そして、互いの権利を見なくなった。
「……自分の持分だけを見て、相手の権利を無視することです」
私は答えました。
所長が頷きました。
「そうだ」
私は続けました。
「持分の割合だけで、すべてが決まるわけではありません」
「うん」
「自分が正しいと思っていても、相手にも権利がある」
「そうだ」
「だから、どんな行為をするのか、相手の同意が必要なのか、共有を解消する方法があるのか、順番に考える必要があります」
所長は短く言いました。
「それでいい」
私は、少し嬉しくなりました。
民法は。
ただ、強い人から弱い人を守るための法律ではありません。
権利がぶつかったとき。
それぞれの権利を認めながら、どこに公平な線を引くか。
それを考える法律なのです。
◇
私はノートの最後のページを開きました。
今日の一行。
今回も。
短く。
分かりやすく。
そして、忘れないように。
鉛筆の先を整えました。
ゆっくり書きます。
――共有は「全体を使える、保存は一人、管理は持分過半数、変更は全員同意」。困ったら分割という出口がある。
「……できた!」
私はノートを掲げました。
「どうですか!」
相馬先輩が覗き込みました。
「長えな」
「ええっ!」
「一行に詰め込みすぎだろ」
「でも、全部大事なんです!」
先輩は笑いました。
「まあ、覚えられるならいいんじゃねえか」
「褒めましたね!」
「気のせいだ」
私は笑いました。
でも。
この一行を見るたびに、きっと思い出すでしょう。
水野家の古い家。
玄関の柱に残された、兄妹の身長の跡。
庭の椿。
そして。
四分の一しか持っていないからと、家を諦めかけていた千鶴さん。
あの人の権利は、四分の一でした。
でも。
それは、四分の一しか価値がない権利ではありません。
共有物全体に及ぶ、立派な所有権です。
それを、兄の四分の三で押し潰すことはできなかった。
一方で。
兄の四分の三も、無視してよいわけではありません。
兄にも、財産を管理し、処分し、共有関係から抜け出す道があります。
だから。
二人は、家を壊すか守るかという対立から。
共有関係をどう解消するかという、新しい話し合いへ進めたのです。
「……法律って」
私は小さく呟きました。
「何だ」
相馬先輩が聞きました。
「壊さないための法律でもあるんですね」
「家をか?」
「家もですけど」
私は少し考えました。
「人間関係も、です」
先輩は黙りました。
「もちろん、法律だけで仲直りできるわけじゃありません」
「そうだな」
「でも、相手が勝手に奪えないと分かれば、落ち着いて話す時間ができます」
「……ああ」
「その間に、お互いの権利を考えられる」
相馬先輩は少し笑いました。
「まあ、悪くねえ考え方だ」
「褒めましたね!」
「調子に乗るな」
私は笑いました。
◇
「ところで、こはる」
相馬先輩が言いました。
「はい?」
「今日の勉強会は終わりか?」
「終わりです!」
「じゃあ、机を片付けろ」
「はい!」
私はノートを閉じました。
そして。
ふと、事務所の机を見ました。
大きな木製の机。
私と相馬先輩が向かい合って座っています。
その上には、六法。
原稿用紙。
インク瓶。
電話。
鉛筆立て。
「先輩」
「何だ」
「この机、二人で使ってますよね」
「そうだな」
「共有ですか?」
「違う」
即答でした。
「ええっ!」
「事務所の備品だ」
「でも、二人で使っています!」
「使ってるだけだろ」
私は止まりました。
……あ。
そうでした。
複数人で使っていることと、複数人で所有していることは違います。
「つまり」
私は言いました。
「共同使用と共有は別ですね!」
「当たり前だ」
「じゃあ、私がこの机を毎日使っていても、持分があるわけではないんですね」
「ねえよ」
「……残念」
「何を期待してたんだ」
私は少し考えました。
「もし共有だったら、保存行為は私一人でできるのになって」
「掃除しろってことか?」
「そうです!」
「共有じゃなくても掃除はできるだろ!」
しまった。
完全に墓穴です。
「こはる」
奥から片桐所長が言いました。
「はい!」
「机の掃除を頼む」
「……はい」
「それから」
「はい?」
「原稿用紙を補充しておけ」
「……はい」
相馬先輩が笑いました。
「良かったな。共有じゃなくても保存できるぞ」
「先輩!」
「何だ!」
「それ、保存行為じゃなくて掃除です!」
「さっさとやれ!」
私は渋々、雑巾を手に取りました。
机を拭きながら、窓の外を見ます。
夕暮れの町。
遠くで、工事の音が聞こえました。
駅前には、新しい建物が増えています。
古い家がなくなり。
新しい道路ができ。
町は少しずつ変わっていく。
でも。
変えるべきものと。
守るべきもの。
その判断は、誰か一人の都合だけでは決められないことがあります。
共有も、きっと同じです。
一つの物に、複数の人の権利が重なっている。
だから。
自分だけで決めてはいけないことがある。
逆に。
自分一人でも、守れることがある。
その違いを知っているだけで。
守れる暮らしがあります。
私は雑巾を絞りながら、ノートの一行をもう一度読みました。
――共有は「全体を使える、保存は一人、管理は持分過半数、変更は全員同意」。困ったら分割という出口がある。
よし。
完璧。
「こはる!」
相馬先輩の声が飛びました。
「はい!」
「雑巾持ったまま、何をぼんやりしてる!」
「共有の本質について考えてました!」
「もう十分考えただろ!」
「先輩!」
「今度は何だ!」
「私、一つ分かりました!」
「何だよ!」
「この机が共有じゃなくて、本当によかったです!」
「は?」
「だって、共有だったら、先輩と毎日、管理方法で揉めそうですから!」
相馬先輩は一瞬、黙りました。
そして。
「……違いねえ」
と笑いました。
私も笑いました。
昭和六十三年。
片桐行政書士事務所。
今日の民法の勉強は、これでおしまい。
共有とは、一つの物を複数の人が所有すること。
でも、それだけではありません。
誰が使えるのか。
誰が決められるのか。
誰が費用を負担するのか。
そして。
いつ、どのように共有関係を終わらせられるのか。
そこまで理解して、初めて共有という制度が見えてきます。
たった四分の一。
そう言って、権利を軽く見てはいけない。
たとえ小さな持分でも。
そこには、一人の人間の財産と暮らしがあるのです。
そして。
民法は、その小さな持分にも、ちゃんと居場所を用意している。
私は雑巾を置き、最後にもう一度、ノートを閉じました。
今日の教訓。
共有は、持分の大きさだけで決まらない。何をするかによって、必要な同意が変わる。
これなら。
次の行政書士試験でも。
もう、四分の三という数字に騙されずに済みそうです。
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