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こはる行政書士見習帖 〜 昭和に転生して許認可に振り回されると試験知識が骨身にしみます 〜  作者: 条文小説
〈行政法 配点112点/300点〉 行政不服審査法

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192/274

[行政不服審査法39条・審理手続の併合又は分離]法理編 こはるノート

挿絵(By みてみん)

 夕方の片桐行政書士事務所には、なぜか自転車のベルがありました。


 正確には。


 昨日からあります。


 そして。


 ものすごく邪魔です。


 チリン。


「先輩」


「何だ」


「鳴らさないでください」


「触ったら鳴った」


「三回目ですよ」


「よく鳴るな」


「ベルですからね!」


 机の端には、


 松永さんからもらった靴磨き用の布。


 西尾さんからもらった傘。


 藤井さんからもらった自転車のベル。


 三人分。


 三種類。


 事件の内容みたいに、


 共通しているようで、ちゃんと違います。


 私はベルを相馬先輩の手から取り上げました。


「没収します」


「処分か」


「行政処分ではありません」


「不服申立てする」


「申立先がありません」


「所長」


 片桐所長が帳簿から顔を上げました。


「棄却」


「まだ申立ててねえ」


「結論は同じだ」


「ひでえ事務所だな」


 私は笑いながら、自分の机へ戻りました。


 ノートを開きます。


 大きく。


 ――審理手続の併合又は分離。


 その下。


 ――行政不服審査法第三十九条。


 と書いて。


 そこで手が止まりました。


「……先輩」


「何だ」


「今日、かなりややこしいです」


「いつも言ってるな」


「今回は種類が違います」


「どう違う」


「昨日の現場が昭和六十三年で」


「今も昭和六十三年だ」


「私の頭の中の教材が令和なんです」


「いつもの病気か」


「病気じゃありません」


 でも。


 今回は本当に要注意です。


 今日整理したいのは、


 現代の行政不服審査法第三十九条。


 そこには、


 審理員が、


 必要があると認める場合、


 数個の審査請求に係る審理手続を併合し、


 または、


 併合した数個の審査請求に係る審理手続を分離することができる。


 とあります。


 問題は。


 ここ。


 昭和六十三年。


 現代法の審理員制度なんてありません。


「先輩」


「何だ」


「昨日、市役所で『審理員が併合できます』とか言わなくて本当によかったです」


「誰だよ、審理員って」


「未来にいる人です」


「帰れ」


「帰れるなら帰りたい日もあります」


「お前、たまにさらっと重いこと言うな」


 いや。


 帰りたいかと言われると。


 最近はちょっと微妙です。


 でも、それは今どうでもいい。


 私はノートに線を引きました。


 まず。


 現代法の話。


 第三十九条。


 審理手続の併合又は分離。


「すごく簡単に言うと」


 私は声に出しました。


「複数の審査請求があって、関連してるなら、必要に応じて審理をまとめてもいい」


「うん」


 相馬先輩が煙草をくわえます。


「で、まとめたあと」


「必要ならまた分けてもいい」


「それだけか」


「それだけです」


「終わりじゃねえか」


「教材的にはかなり終わりです」


 私はノートを見ました。


 本当に。


 行政書士試験だけを考えるなら、


 深く悩む条文ではありません。


 必要があると認める場合。


 審理員。


 数個の審査請求。


 審理手続を併合できる。


 併合後、分離もできる。


「そのまま覚えろ系です」


「じゃあ昨日あんなに揉める必要なかっただろ」


「現場は別なんですよ」


 そこです。


 条文は短い。


 でも。


 現場で見ると、


 なぜこんな条文が必要なのか。


 急に分かる。


 私は昨日の三枚の通知書を思い出しました。


 松永源治さん。


 靴修理。


 西尾美代さん。


 傘修理と合鍵。


 藤井勝さん。


 自転車修理。


 三人とも。


 駅前環境整備事業。


 同じ処分日。


 ほぼ同じ理由。


 共通資料まで同じ。


 だったら。


「全部まとめればいい」


 と最初は思いたくなります。


 でも。


 藤井さんには固定設備がある。


 撤去命令もある。


 松永さん、西尾さんとは事情が違う。


「先輩」


「何だ」


「昨日の三人、全部完全に一緒に扱ったらどうなってました?」


「雑になるな」


「どこが?」


「藤井さんだけ固定設備がある」


「はい」


「撤去命令もある」


「はい」


「そいつを無視して、『三人とも同じです』じゃ通らん」


「ですよね」


 逆に。


 三人を完全に別々にしたら。


「古い交通量資料を三件全部で使ってたこと」


「見えにくかったかもしれねえな」


「そうなんです」


 共通部分を一緒に見る。


 個別部分は分けて見る。


 それが昨日の肝でした。


 私はノートに書きます。


 併合の意味。


 効率化だけではない。


「ここ、結構大事だと思うんですよ」


「何が」


「三件の審査請求を併合するって聞くと、手続を省略して楽する話に見えるじゃないですか」


「違うのか」


「それもあるでしょうけど」


 私は昨日の駅前地図を思い出します。


 共通する資料。


 共通する基準。


 共通する行政判断。


 そういうものを、


 三回ばらばらに審理すると。


 同じ事実について別々の認定をしてしまう可能性もある。


 似た事件なのに、


 一件目ではこう判断。


 二件目では違う判断。


 となれば、


 行政自身の整合性も崩れます。


「だから」


 私は言いました。


「関連する審査請求をまとめて見ることで、同じ事実関係を一貫して評価しやすくなる」


「うん」


「資料も重複しにくい」


「うん」


「当事者側も同じ説明を何度も繰り返さなくていい」


「うん」


「行政側も同じ資料を何回も出さなくて済む」


「お前、役所側の心配までしてんのか」


「制度って双方が使うものですから」


 ここ。


 地味ですが大事です。


 併合。


 という言葉には、


 まとめる。


 という機械的な響きがあります。


 でも本質は。


 関連する問題を、


 関連したまま見る。


 こと。


 だから。


 共通する争点があるなら、


 一緒に審理する意味がある。


「じゃあ」


 相馬先輩が言いました。


「似てる事件なら全部まとめりゃいいんだな」


「駄目です」


「早いな」


「そこが分離です」


 私はノートに矢印を書きました。


 併合。


 ↓


 必要なら分離。


「一回まとめたら最後まで一緒じゃないんです」


「なんでだ」


「途中で事情が違うと分かることがあるから」


 昨日の藤井さん。


 まさにそれです。


 最初は。


 三人とも駅前整備のための更新不許可。


 似ている。


 でも調べると。


 藤井さんだけ固定設備。


 しかも緊急車両進入経路。


 ここは。


 松永さん、西尾さんと同じ議論だけでは処理できない。


「だから」


 私は言いました。


「共通争点だけ一緒に見て、藤井さん固有の部分は分けて見る」


「なるほどな」


「まとめること自体が目的じゃない」


「正しく見るためにまとめる」


「はい」


「正しく見るために分ける」


「はい!」


 そこです。


 私は二重線を引きました。


 併合も分離も、


 目的は手続の形を整えることではない。


 審理を適切にすること。


 だから。


 最初から全部別々でも駄目。


 全部最後まで一緒でも駄目。


 必要性に応じて変える。


「この『必要があると認める場合』って」


 私は言いました。


「かなり大事な言葉ですよね」


「審理員の判断ってことか」


「現代法ではそうです」


 第三十九条は。


 必ず併合しろ。


 とは言っていない。


 必ず分離しろ。


 とも言っていない。


 必要があると認める場合にできる。


 つまり。


 裁量的な手続整理です。


「試験だと」


 私は書きます。


 × 関連する審査請求は必ず併合しなければならない。


 これは誤り。


 ○ 審理員は、必要があると認める場合、数個の審査請求に係る審理手続を併合できる。


「そして」


 もう一つ。


 × 一度併合した審理手続は分離できない。


 これも誤り。


 ○ 併合した後でも、必要に応じて分離できる。


「だいぶそのままですね」


「だから最初からそう言ってるだろ」


「でも現場があると覚えやすいんです」


「三人組で覚えるのか」


「はい」


 松永。


 西尾。


 藤井。


 共通基準は一緒に。


 藤井固有の撤去命令は分けて。


 これで多分忘れません。


「ただ」


 私はペンを置きました。


「ここで最大の注意」


「来たな」


「何ですその反応」


「お前がだいたいここから時代を飛ぶ」


「正解です」


 現代法では。


 主体は審理員。


 でも。


 昭和六十三年。


 旧法。


 そんな制度はありません。


「昨日の事件を、そのまま現代法三十九条の適用事件みたいに説明すると間違いですよね」


「当たり前だ」


「はい」


 昨日。


 三人がしたのは。


 市長名義の処分についての異議申立て。


 旧法時代。


 しかも。


 処分庁自身が見直す構造。


 現代法のように。


 審理員が指名され、


 その審理員が、


 複数の審査請求を併合したり分離したりする。


 そういう制度設計ではありません。


「じゃあ昨日の話は、第三十九条と関係ないのか?」


 相馬先輩が聞きます。


「直接その条文を適用した話ではありません」


「じゃあ何で教材にした」


「考え方が見えるからです」


「考え方?」


「はい」


 私は昨日の沢渡課長の言葉を思い出しました。


 共通部分は一括。


 個別事情は各件ごと。


 つまり。


 現代法三十九条が制度として明文化している発想。


 関連する審査請求ならまとめる。


 でも必要なら分ける。


 その合理性は、


 旧法時代の現場でも必要だった。


 ただ。


 制度としての主体や構造が違う。


「ここ」


 私はノートに大きく書きます。


 昭和六十三年の事件。


 ≠


 現行法三十九条そのものの適用。


 でも。


 現場で生じる、


 複数事件の共通部分と個別部分をどう整理するか。


 という問題は共通。


「要するに」


 相馬先輩が言いました。


「未来の制度を昭和に持ち込むな」


「はい」


「でも未来で制度化された理由を考える材料にはなる」


「それです」


 今度は。


 片桐所長が口を挟みました。


「新法では、なぜ審理員がやる」


「公正性です」


 私は答えました。


「もう少し言え」


「はい」


 旧法では。


 異議申立ての場合。


 処分庁自身が判断する。


 昨日のように。


 市長名義の処分について、


 市側で見直す。


 これは。


 現場事情を知っている。


 迅速に修正できる。


 という利点がある。


 でも。


「処分した側が、自分で自分の判断を見直す」


「うん」


「外から見たら、公正なのか不安が残ります」


 そこで。


 現代法では、


 原則として審査請求へ一本化。


 審理員制度を導入。


 処分に関与していない職員を審理員として指名する。


 その審理員が審理手続を担当する。


「で」


 相馬先輩が言います。


「そいつが併合とか分離を決める」


「はい」


「つまり三十九条って、審理員が手続を整理する権限の一つなんだな」


「そうです」


 ここです。


 三十九条だけ抜き出すと、


 併合できる。


 分離できる。


 だけ。


 でも制度全体で見ると。


 審理員が、


 争点を整理し、


 証拠を見て、


 複数の審査請求をどう審理するかも整える。


 そのための手続権限の一つ。


「現代法では」


 私はノートに書きます。


 審理員。


 ↓


 審理手続を主宰。


 ↓


 必要に応じて、


 複数の審査請求を併合。


 ↓


 必要に応じて、


 再び分離。


「ここで試験対策」


 私は少し姿勢を正しました。


 相馬先輩が嫌そうな顔をします。


「まだあるのか」


「短いです」


「信用ならん」


「本当に短いです」


 私は三つだけ書きました。


 一。


 主体は審理員。


 二。


 必要があると認める場合にできる。


 三。


 併合だけでなく分離もできる。


「これだけ?」


「基本はこれだけです」


「珍しいな」


「何がです」


「行政法なのに罠が少ねえ」


「そういう条文もあります」


 むしろ。


 こういう条文で、


 余計に考えすぎて自滅する受験生もいます。


 例えば。


 併合には当事者全員の同意が必要。


 とか。


 必ず関連性が厳格に同一でなければならない。


 とか。


 勝手に条件を足す。


「教材に書いてない要件を作らない」


「それ大事だな」


「はい」


 三十九条は。


 必要があると認める場合。


 審理員ができる。


 それでいい。


「でも」


 私は続けます。


「物語としては、もう少しだけ踏み込みたい」


「勝手にしろ」


「併合のメリット」


 共通する事実関係を一度に調べられる。


 同じ証拠を重複して調べなくていい。


 判断の矛盾を防ぎやすい。


 当事者や行政庁の負担も減る。


「分離のメリット」


 個別事情を丁寧に見られる。


 一件だけ特殊な争点がある場合に、


 他の事件へ引きずられない。


 一件の審理が遅れて、


 他の事件まで全部止まるのを避けられる。


「昨日の事件なら」


 私は言いました。


「松永さんと西尾さんは、共通資料の問題がかなり大きかった」


「うん」


「藤井さんには、固定設備っていう固有問題があった」


「うん」


「もし藤井さんの設備調査に時間がかかって、それを全部一緒に処理しないと結論を出せないなら」


「松永と西尾まで待たされる」


「そうです」


 だから。


 必要なら分ける。


 というのは。


 単に整理好きな人のための条文じゃない。


 救済の速度にも関わります。


「併合って」


 私は言いました。


「まとめれば効率的」


「うん」


「でもまとめすぎると、一件の重さが全体を止める」


「うん」


「だから分離できる」


「なるほどな」


 片桐所長が静かに言いました。


「手続は目的ではない」


「はい」


「救済のための道具だ」


「はい」


 それです。


 私は丸で囲みました。


 手続をきれいに見せるために、


 併合や分離があるわけじゃない。


 適切で迅速な審理をするため。


 だから。


 必要に応じて形を変えられる。


「所長」


「何だ」


「法律の手続って、思ってたより柔らかいですね」


「条文は硬い」


「でも運用は柔らかい」


「必要な範囲でな」


 そう。


 好き勝手に柔らかいんじゃない。


 法律が。


 ここはまとめてもいい。


 ここは分けてもいい。


 必要性で判断しろ。


 と、ちゃんと枠を作っている。


 冷たい枠の中に、


 調整できる余地を置いている。


「だから」


 私は言いました。


「昨日の三人の事件って、三十九条のイメージにすごく近いんですよね」


「未来法のな」


「はい」


「でも昭和でその条文を使ったとは言うな」


「そこは絶対言いません」


 行政法は時代をまたぐと危険です。


 同じ言葉でも制度が変わっている。


 異議申立て。


 審査請求。


 申立期間。


 審理員。


 行政不服審査会。


 全部。


 いつの法律か。


 確認しないと事故ります。


「申立期間」


 相馬先輩が言いました。


「何日だ」


「旧法なら六十日」


「今は」


「現代法なら原則三か月」


「異議申立て」


「旧法では基本的な不服申立ての一つ」


「今は」


「一般制度としては廃止されて、原則審査請求に一本化」


「審理員」


「昭和六十三年にはいません」


「行政不服審査会」


「それも現代の制度です」


「今日は間違えねえな」


「褒めました?」


「確認しただけだ」


「気のせいじゃないんですね」


「うるせえ」


 私はノートの最後のページを開きました。


 今日の一行。


 うーん。


 併合。


 分離。


 まとめる。


 分ける。


 そのままだと弱い。


「先輩」


「何だ」


「今日の覚え書き、考えます」


「勝手にしろ」


「候補一」


 ――似た事件は、まとめて見て、違いは分けて見る。


「雑だな」


「候補二」


 ――共通点は併合、個別事情は分離。


「試験っぽい」


「候補三」


 ――正しく見るために、まとめる。正しく見るために、分ける。


 相馬先輩が少し黙りました。


「それでいいんじゃねえか」


「採用」


 私は大きく書きました。


 ――正しく見るために、まとめる。正しく見るために、分ける。


 その下に。


 試験用超短縮版。


 ――審理員は、必要なら併合・必要なら分離。


「これなら直前に見てもいけますね」


「最初からそれだけ覚えろよ」


「物語がないと定着しないんです」


「面倒な頭だな」


 窓の外。


 駅前の明かりがつき始めていました。


 あのあたりで。


 松永さんは靴を直している。


 西尾さんは傘をたたんでいる。


 藤井さんは移転候補地を探している。


 三人。


 同じ駅前整備に巻き込まれた人たち。


 でも。


 同じ人生ではない。


 同じ処分でもない。


 同じ救済でもない。


 それを。


 まとめるべきところまで、


 「別件だから」


 と切り離せば。


 役所側の共通ミスが隠れる。


 逆に。


 違う事情まで、


 「同じ被害者だから」


 と束ねれば。


 一人ずつの事情が潰れる。


 だから。


 法律は、


 一つにすることも許す。


 分け直すことも許す。


 私は少しだけ笑いました。


 行政不服審査法第三十九条。


 昨日までなら。


 ――併合又は分離できる。


 それだけ。


 赤ペン一本で終わる条文でした。


 でも今は。


 松永さんの靴。


 西尾さんの傘。


 藤井さんの自転車。


 三つとも浮かびます。


 法律の言葉は冷たい。


 数個の審査請求。


 審理手続。


 併合。


 分離。


 人の顔なんて一つも書いてありません。


 でも。


 人の顔を書かないからこそ。


 誰の事件でも、


 同じ基準で、


 まとめる必要があるか。


 分ける必要があるか。


 冷静に考えられる。


 昨日。


 三人全員を同じ結論にしなかったことが、


 結果として三人を救いました。


 松永さんと西尾さんは、


 更新を再検討してもらえる。


 藤井さんは、


 撤去そのものは避けられなかった。


 でも時間を得た。


 同じ勝ち方をしない。


 それも救済です。


「こはる」


 片桐所長が言いました。


「ベル」


「はい?」


「片付けろ」


「あ」


 机の端。


 まだ置いてありました。


「どこにしまいます?」


「道具棚」


「靴磨きの布も?」


「一緒でいい」


「傘は?」


「玄関」


「分離ですね」


 所長がこちらを見ます。


「用途が違う」


「おお」


 相馬先輩が笑いました。


「必要に応じて分離だな」


「じゃあベルと靴布は併合」


「勝手に制度化するな」


 私はベルと布を同じ箱に入れました。


 そこへ相馬先輩が傘まで突っ込もうとします。


「待ってください!」


「何だ」


「分離したばっかりでしょう!」


「箱に入る」


「入るかどうかじゃないんです」


「必要性がある」


「何の?」


「片付く」


「それだけで併合しないでください!」


 片桐所長が短く言いました。


「傘は玄関だ」


「ほら!」


 相馬先輩が舌打ちします。


「分離された」


「適切な判断です」


「不服申立てする」


「誰に?」


「所長」


「棄却」


「まだ何も言ってねえ!」


「審理不要」


「手続が雑すぎる!」


 私は笑いながらノートを閉じました。


 どうやら片桐行政書士事務所では。


 審理員制度が導入される未来を待つまでもなく、


 併合と分離だけは、


 毎日かなり自由に運用されているようです。

 以下に私の作品へのリンク貼ってます。是非、手に取って頂ければと思います。また、ついでに評価ブックマーク頂ければ幸いです。

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