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やり直し悪役令嬢は、幼い弟(天使)を溺愛します 2023/7/15コミックス2️⃣巻発売!  作者: 軽井広@年下お姫様に甘えられる大正ロマン結婚生活1巻が予約受付中
第三章 学園と第二の王子

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Ⅶ フィルが心配!

直近で2話ほど更新しているので、まだの方はそちらからお読みいただければ幸いです。特に1話前のクレアvsレオンは我ながら良く書けていると思うのでぜひお読みいただけると嬉しいです!

 あれやこれやで、全学舞踏会は無事に終わった。


 友達みんなに、フィルを「わたしの最高の弟」として紹介して回るのも、忘れてはいない。

 結果として、フィルの評判はわたしの同級生の女子のあいだでは上々だった。


 みんな「可愛い」、「可愛い」と言って、フィルのことをかまおうとした。フィルは目を白黒させて恥ずかしがっていたけれど、それがなおのこと、みんなの庇護欲を煽ったようだった。


 前回の人生みたいに、フィルのことを「弟じゃない」なんて冷たく突き放すようなことはしていない。


 これで破滅は回避できたはず。

 ところが……。


「どうして腕の刻印が消えないの……?」

 

 わたしは学園の女子寮の談話室で、天井を仰いだ。

 もう夜も遅くて、わたしとシア以外には、人はほとんどいない。

 

 全学舞踏会から二週間が経った。

 もう授業は始まって、わたしやシアやアリス、二年生として普通の学園生活を送っている。


 それは順調なんだけれど……わたしの腕には、まだ赤い刻印……夜の魔女の呪いの証が残っている。

 これがあるということは、わたしは破滅への道を回避できていないということなのだと思うけど。


 でも、あれほど、フィルを一生懸命、最高の弟として紹介して回ったのに……。

 前回のような扱いを受けたときと比べても、フィルにとっても良い学園生活のスタートになったはずなのに。


 これでも、わたしは公爵令嬢かつ王太子の婚約者で、学内の有名人だから、その弟として知られるのは、悪くないはずだ。


 そうやって思い悩んでいたら、隣のシアが何か言いたそうにわたしを見つめる。

 シアはもう、寝間着姿だ。ピンク色の可愛らしいネグリジェを着ていて、いつも以上に可憐だった。


 そんなシアは、わたしにおずおずと話しかけた。


「あの……フィル様のことについて……お話したいことがあるのですけれど……。よろしいでしょうか?」


「ダメなわけないけど、でも、どんなこと?」


 シアが深刻そうに告げたのは、最近のフィルの様子だった。

 フィルは学校生活を順調にスタートさせたかに見えた。


 リアレス公爵の次期当主として、注目される存在だったし、全学舞踏会でのわたしの行動で、より一層目立つことになった。


 でも……どうも、フィルはクラスに馴染めていないのではないか、と言う。


「そ、そうなの?」


「はい。決していじめられているとか、嫌がらせされているとかそういうことはないみたいですけど……あまりご友人がいないみたいで……」


 それは……まずい。

 フィルはたしかに大人しい性格で……とても人見知りだった。

 クラスで孤立しても、たしかに不思議じゃない。


 でも、わたしが聞いた限りでは、そんな様子はなかったのに。


「レオンくんがそう言っていて……」


 なるほど。

 フィルとは別のクラスだけれど、同学年のレオンだったら、詳しい事情を知っていてもおかしくない。


 けど……それならどうしてわたしに知らせないのだ、レオンめ。

 

 シアが慌てたように付け足す。


「きっとレオンくんはクレア様を心配させないようにしているんですよ」


「そうかな。わたしが余計なことをするとか思って隠しているんじゃ……」


 レオンのことだから、わたしを姉バカ、姉バカと思って、何をするかわからない危険な存在だとでも思っているのかもしれない。

 

 ……いや。

 たしかに、わたしがやり過ぎて、舞踏会で目立ちすぎたかも、そのせいで、一年生のみんながフィルを遠ざけているのだとしたら……。


 わたしのせい、というのは嘘じゃなくなってしまう。

 そして、フィルもそう思ったら……わたしはフィルに恨まれて……破滅への道一直線では?


 顔が青ざめていく。

 わたしの顔色が変わったのを心配したのか、シアがまた慌てる。


「だ、大丈夫ですよ。そのうち、きっとフィル様にもお友達ができますし……。その……私たちが手助けすることだってできます」


「手助け?」


「はい」


「でも……どうやって?」


 シアはしばらく考えて、困ったような顔をした。

 具体的な案は思いつかないらしい。


 救いの手を差し伸べたのは、アリスだった。


「おふたりともあまり夜ふかししちゃダメですよ」


 と言いながら、アリスはまだ普通にセーラー服姿だった。白を基調としていて、鮮明な青色の襟が印象的な、学園の標準服だ。

 片手にはマグカップを持っていて、しかもなかに入っているのは珈琲のようだった。

 アリス……夜ふかしする準備万端じゃないか。


 珈琲は昔は貴重な飲み物だったそうだけど、今ではすっかり王族から庶民まで誰もが飲む飲み物となっている。


 シアが簡単に、フィルのことをアリスに説明した。

 ふむふむ、と聞いていたアリスは、にっこりと微笑んだ。


「でしたら、解決方法は一つあります」


「なに?」


「あんなに可愛いフィル様を、みなが放っておくわけがありません。ですから……」


 その後に、アリスが提案したのは効果的な方法で、そして、わたしにとっては諸刃の剣というべき、デメリットもある計画だった。


面白かった、アリスの提案が気になる という方は


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