表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンで現代の味を覚えたスライム、人の姿でいざファミレスへ ~お金が必要? じゃあダンジョンで稼ごう~  作者: 海山 鍬形


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/99

九十話 七巫、すうを見て

〇神桜 七巫


 すうちゃんに腕を掴まれて、凛ちゃんたちはヨウハイムへと入っていった。

 凛ちゃんは怒ってるみたいに見えたけど抵抗はしてなかったな。やっぱり仲はいいのかな?


 店内に入ってわいわいやり取りをしている四人を見ていると、『今出てきているダンジョンを全て潰す』と宣言していた小兵さんが歩き出す。


「じゃあ私は行ってくる」

「あ、はい」


 すうちゃんたちに気を取られたまま反射的に返事をした。

 ……いや待ってぼんやりしてる場合じゃねぇ!


「ちょーっとお待ちをぉ! まだどこにダンジョンが出たとか何も伝えてないので!」


 商店街の屋根の下から出ようとしていた小兵さんを慌てて呼び止める。

 小兵さんは首を傾げてこちらへ戻ってきた。


「そういやそうだな。どこにあるんだ?」

「え、えーっと。地図に書きますからちょっと待ってくださいね。護衛さん!」


 呼びかければ護衛さんはペンを渡してきて、荷物から地図を取り出し広げた。

 開かれた地図へと私は丸をつけていく。


「……多いな」


 丸の数が十を越えたところで小兵さんが呟いた。


「今ダンジョンはいくつ出てきてるんだ?」

「この二週間で二十件ですねー」

「待て、多くないか。昔でも一月で三十件って言ってただろ」

「今回は短期間に大量に発生したんですよねぇ。いつもはもっと長い期間で数も少ないんですが……あ、でもこれでほぼ打ち止めなんですよ! これから侵食型以外のダンジョンはほとんど発生しない予定です!」

「ああ、そりゃよかった」


 しかし、と小兵さんが顔をしかめる。


「短期間に大量に現れて討伐が追いつかないところに、侵食型か。だから人手が足りないんだな」

「ですねー、しかも三宮って基本的にダンジョンがないでしょ? 『神桜』のメンバーもいつもは別の町へ派遣してるんで、戻るのが遅れた人たちもいたりするんですよ」


 それでも他のところから探索者を呼び込んでるし、侵食型が出てくるまでにダンジョンの討伐はできるから問題はない。

 ベテランの人たちも三階層ぐらいなら一人で攻略できるし。


 そう話しているうちに丸をつけ終わった。


「よし、どうぞ! ×をつけてるところはもう討伐されたダンジョンです! もし道に迷ったら管理局の人にこの地図見せてくださいね」

「残り十件か。結構余裕無さそうだな」

「いやぁ、面目ない」


 実際ちょっとギリギリになる可能性はあったんだよね。……十年前の討伐で結構人も少なくなってしまったし。

 小兵さんの手助けは本当にありがたい。


「あ、あと! 街中での魔道具の使用も小兵さんに限り認めますんで! たしか飛べる魔道具があるんでしたよね? それで直行してもらって大丈夫です!」

「そんなことできるのか?」

「うちは神桜なので」

「すごいな権力……」


 にっこり笑ってみせればちょっと引かれた。

 いやまあ緊急事態じゃないとさすがに許されないのでね?


「じゃあ今度こそ行ってくる」

「お願いします!」


 ふわりと小兵さんの周りに風が吹いた。

 同時に小兵さんの腕辺りから輝く魔素が溢れ出している。


 魔素を見るこの目は魔道具の質もある程度は判断できる。

 小兵さんが起動したものはほぼ間違いなく深層クラスの逸品だ。


 あくまで感覚的なものだけど、深層のものほど魔素の巡り方は綺麗だし、吐き出す量も多い。


「ああ、そうだ神桜」

「おぁっはい!」


 ヤバい見惚れてた。

 咄嗟に返事をすると小兵さんは背中を向けたまま呟くように聞いてくる。


「すうちゃんの魔素はどう見える?」

「——」


 別に威圧感があるわけじゃない。

 だけど、その小さな……私よりも小さな背中からなんだか得体の知れない迫力を感じた。


 無言のまま一歩、護衛さんが私の前に出る。ついその後ろへ隠れてしまった。


「え、と」

「ああ悪い。別に脅すつもりはないんだ。ちょっとこっちも緊張しててな」


 謝られると同時に迫力が弱まる。

 緊張してる人の放つプレッシャーではないと思うんですがー……。


「いやな。神桜が初めて会った時からずっとすうちゃんに視線を送ってただろう」

「う゛っ」


 気づかれてた。挙動不審は更なる挙動不審で誤魔化せてると思ってたのに。


「なにか、見える・・・のかと思ってな」


 これ『いやプライベートなんで』とか言ったらまた頭掴まれるのかな。

 ……でも緊張してるっていうのは嘘じゃなさそう? 魔素が揺れてるし。


 少し考えてから、口を開く。


「……呪い、みたいな」

「なに?」


 ちらりと店内のすうちゃんへ目をやる。

 ガラス越しに見える小さな女の子の周りには魔素が渦巻いている。。


 魔道具ともまた違う。

 纏わりつくかのような……あるいは、手で覆うみたいな。


「巫女的な感覚なんですかねぇ。なにかが執着している、的な。そのせいであの子自身の魔素は見えづらいんですよね」

「執着ってことは、なにか悪い影響が?」

「わかりません。私もああいうのは初めて見たので。普通とは違うと思いますけど、いいものなのか悪いものなのか」

「……そうか」


 最後に『ちょっと気にかけててくれるか』と言い残して小兵さんは飛んでいった。





「……気づいてるよねぇ、小兵さんも」


 小兵さんを見送った後、護衛さんへ向けてぽつりと呟く。


「すうちゃんも魔素が見えるって」



めっちゃくちゃにお待たせして申し訳ありません


熱さで脳がダウンしていたり、単純に設定やストーリーで悩んでいたりしていました


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ