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召喚士なのに前に居る  作者: マナ
2編 6章:首都アルヴェリア

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79話:食べ歩きって楽しいよね

 装備の新調まで時間があるので、アルヴェリアを探検することにした。城下町ってこともあって、けっこう賑わっている。屋台も色々出てるし、冒険者向けのお店も多い。召喚士向けの商品は全くないけど、テイマー向けの商品はそこそこあって面白いな。魔物のおやつとかも売ってる。つい買っちゃったよね。


「ブフゥッ」

「それにしても、見られるなぁ」

「なぁん」


 イノとミケをつれて町を歩いてると、冒険者らしい人がぎょっとした顔で見てくることがある。多分、イノの種族を知ってる人だよね。それ以外にもビックリする人がいるのは、でっかいボアを鎖もつけずに歩いているせいですね。子どもが「でっけー!!」って突撃することもけっこうあった。その度に親御さんが「危ないわ!」って引き留めている。止めきれずにイノによじ登る子どもがいたけど、イノは大人しくしてたよ。親御さんにすごく謝られたけど、イノも怒ってないし、気にしないでって言っといた。ミケに触ろうと私によじ登る子どももいたけど、それにはイノが反応してた。私を守るっていう意識が高い。鼻息ひとつで子どもを大人しくしてるのはすごいよね。

 クロと緑子とちゅんは宿屋でお休みだ。ちゅんはまだ拗ねている。レベリングの方法を考えねばな。1日に1回は頭をつんつこされてるんですよ。痛い。


「ぶぉっ」

「ん? ああ、美味しそうなの見つけたんだね」

「ぶもっ」

「うぉっ!? 首都にボア!?」


 イノが屋台に近寄っていく。グルメさんなのか、食べ物への反応がいいんだよね。覗き込まれた屋台の店主はイノにびっくりして仰け反っている。驚かせてすみません。


「嬢ちゃんの従魔か? ボアを従魔にするなんてすごいんだな!」

「あはは。ここは何屋さんですか?」

「肉焼きの店だよ。特製のスパイスに漬け込んだ肉をたんまりと串に刺してな。表面を魔法であぶって、焼けたところを削ぎ切りにして売ってんだ。うまいぞ!」


 ケバブかな。見た感じケバブっぽい。スパイシーないい香りが漂ってくる。お腹すく香りだなぁ。イノがフゴフゴと鼻を鳴らして強請っている。


「いくらですか?」

「1人前は銅貨8枚だ」

「じゃあ、5人前ください」

「嬢ちゃんがそんなに食べるのか?」

「主に食べるのはこの子ですねぇ」


 屋台のギリギリまで寄って鼻をフゴフゴさせているイノを見て、店主はなるほどとひとつ頷いた。食べやすいように木皿に盛ってくれるらしい。普通は串にさしてくれるが、イノは串だと食べづらいもんね。洗って返すのかなと聞いたら、汚れたままでいいそうだ。お礼を言って代金を手渡す。銀貨4枚、いいお値段だけど、屋台ってこういうのが醍醐味だよね。たくさん買ってくれたからってミケ用の味付け無しお肉はタダでくれた。こういうの嬉しい。

 木皿に山盛りのケバブと、私の分の串ケバブ、ミケの分の味付け無しお肉のお皿を持って、近くの場所に座る。イノにお皿を差し出すと、すぐに頭を突っ込んで食べ始めた。食べるのが早い。ミケの前にお皿を置くと、温度を確かめた後にはぐはぐと食べ始めている。猫舌だもんね。私も自分の分にかじりついた。


「うまっ!」

「フゴッ!」

「なぁん」


 香りは辛いのに、食べてみるとそんなに辛くない。ピリッとする程度だ。屋台飯ならではの塩辛い感じの中に、果物だろうか。ほんのりとした甘みを感じる。元の世界でケバブを食べたことないから、これがケバブと同じ味かって言われるとわからない。でもめっちゃうま。何のお肉かわからないけど、数種類のお肉を使ってそう。ぷりぷりとした食感のお肉と、ちょっと固めだけど噛めば噛むほど旨味が出るお肉、脂身が甘いお肉を感じる。部位の違いだったりするのかな。でも、明らかに鶏肉っぽい所と豚肉っぽい所があるんだよね。おいしい。


 私と同時にミケが食べ終わって、イノはお皿を舐めて綺麗にしたところだった。よっぽど気に入ったんだね。また買いに行こう。木皿を返しに行ったときに、みんなへのお土産に少し包んでもらった。今日の晩ごはんにみんなで食べよ。

お読みいただき、ありがとうございます。

ブックマークや評価、感想など頂けると今後の励みになります。


試験が無事に終わりました!

これで一段落……と言いたいところですが、作品もだいぶ長くなってきたので、しばらくは週1更新を継続しながら、設定資料の整理や過去話の見直しを進めていこうと思っています。

誤字脱字や表現、設定の整合性などを少しずつ見直して、より読みやすい作品にしていく予定です。

更新ペースは変わりませんが、これからも『召喚士なのに前に居る』をよろしくお願いします!

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