78話:装備品って、高いんだなぁ
「しめて金貨50枚だな」
「ヒュッ」
「ほぁああ!?」
「まぁ、そんくらいするよな」
召喚獣を引き連れてツインズに来ました。ヴィンセントさんも一緒なのは装備について相談に乗ってもらうためです。ちょっと武器で変更したいものがあってさ。
それで、ツインズの店主に見積もりをお願いしたら、金貨50枚と言われてる。あまりの金額に息が止まったよね。ミケもびっくりして叫んでるしさ。ヴィンセントさんは予想ができていたのか、でっかい布袋を魔法鞄から出していた。私、それ知ってる。チームの共通貯金の袋。しまってください。
「イノとクロの防具が割高だ。体もでけぇし、タンク役ってなると、どうしても素材費用がかさんじまう」
「素材費用かぁ」
「ウラナの防具と武器みたいに素材持ち込みすりゃあ、もうちょい下げてやれるぞ」
たしかに、明細を見ると私の防具と武器は加工費だけ取られてる。クロとイノの防具素材は、鉄と革かぁ。
「この革って馬から取れる粗革でも大丈夫ですか?」
「大丈夫だぞ」
「粗革を持ち込んだ場合、お値段はどんくらいになりますかね……」
「粗革が大量に必要だから、全部持ち込んでくれるなら革代は引いてやる。そうだな、他の素材費と加工費でしめて金貨30枚だ」
「馬の赤身肉や肝、脂肪を納品してくれるならもっと下げてもいい」
「マジっすか。必要な量を教えてもらっていいですかね」
店主から言われた必要数をメモして、さっそく馬を狩りに行く。ヴィンセントさんも手伝ってくれるようだ。ありがたい。
1日中、馬を狩った結果、ギリ粗革の必要数を集められた。ヴィンセントさんは半日で集め切れる量って言ってたのになぜ1日もかかったのか。
私が剥ぎ取ると脂肪と肝しか出ない。
ほんと、困った。目的の粗革が出なさすぎて、急遽キャシー姉さんとタークスさんも召喚したもの。『豪運』のせいなんだろうけど、ほんと、勘弁してほしいよね。
なんとか粗革の必要数を揃えて、翌日の朝いちにツインズに持ち込んだ。赤身肉はあんまり取れなかったけど、脂肪と肝も多めに手渡す。脂肪と肝の多さに店主たちはびっくりしてた。
「今回の代金、金貨24枚でいいぞ」
「すっごく値段が下がりましたけど店主たち大丈夫なんですか?」
「馬鹿野郎。お前、こんなにレア素材を持ち込んでくれたんだ。多少の色はつけてやるよ」
「馬の脂肪って結構使えるんだよ。あと、肝は最高の酒のあてだぞ」
「おっさんたち、酒飲みだもんな」
装備品は1週間ほどで出来上がるようだ。楽しみに待ってよう。余った金貨でクリーンのスクロールと魔法鞄も買った。魔法鞄は猫の肉球マークが可愛いやつ。
「そういえば、ウラナは武器を変えたのか?」
「ガントレットになってたわよね」
「ゴブリンたちと戦った時に、受け流しは手が危ないなと思いまして」
「ああ、トゲが刺さったりしてたな」
素手はさすがにキツかったです。ガントレットにしたのは手を守りながら攻撃できそうだなって思ったからだ。刃物をつけてもらえば、アサシンエッジも使える。いちいち取り出す手間がないから楽だよね。
「できあがりが楽しみね」
「1週間、待ちきれないなぁ」
「わかるぞ。俺も大盾を新調する時はそんな感じだ」
「冒険者あるあるだな」
帰りは浮いたお金で少しだけ買い食いした。イノがボアの串焼きをねだってきたんだけど、あの、お兄さん。それ、共食いにならない? ボアとグレートボアは種族違いだからセーフなの? 不安になるわぁ。
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