77話:召喚獣の装備費用とする
私の手にずっしりと重い布袋が渡された。中身を確認したら金ピカの硬貨が30枚入っている。オズワルドさんから渡された受領証明書にサインした。
「けっこういい額になったな」
「しばらくは困らないわね」
「宿泊費もかかるからな」
「拠点が欲しいよなぁ」
バックラーへの報酬もタークスさんが受け取った。いつも通り、チーム貯金に少し入れてから皆に分配している。
「これはウラナの取り分な」
「はい?」
そういって手に乗せられたのは金貨4枚。いやいやいやいや。
「受け取れませんよ! 私、ゴブリンをほとんど倒してませんし!」
「イノが沢山ひき殺してただろう」
「それなら私の報酬も皆さんに分配するのが筋じゃないですか!?」
「それはダメだ。俺たちは手も足も出なかったしな」
金貨を6枚取って残りを渡そうとすると手でガードされた。タークスさんがダメならと、ヴィンセントさんやキャシー姉さんに渡そうとするけど受け取ってもらえない。なんでなんですかね!?
「それはウラナ個人宛ての報酬だからダメよ」
「それに、お前は召喚獣の装備をそろそろ整えた方が良い。物入りになるぞ」
「魔物の装備はだいたいオーダーメイドだから、割高だ。金貨30枚なんてあっという間になくなるぞ」
そう言われて「うっ」と言葉に詰まる。たしかに、ミケや緑子やちゅんはともかく、クロやイノの防具は欲しい。2匹は性能的にタンク役だし、近接系の技が多いからどうしても被弾が怖いよね。イノは自前の耐久力でゴブリンたちの攻撃を何とか耐えていたけど、今後も何とかなるとは限らないしな。ミケや緑子、ちゅんも魔法攻撃や移動に補正のかかる装備品が欲しいと言えば欲しいです。
「それに、ウラナ自身も装備を更新した方が良いぞ。いつまで初期の布の服のままでいる気だ」
「これはこれで軽くて気に入ってるんですけどね」
「あら、ダメよ。みて、ズボンの所とか、脇の所。擦れて薄くなってるわ。換え時よ」
「どうせなら魔物の素材でオーダーメイドしてこいよ。ほら、グレートボアの素材があったろ」
たしかに、ゴブリンキングの一件で布の服がちょっとボロボロになってきていた。3人に言われて、たしかに私の防具を真剣に考えないといけないなと思う。イノから譲り受けた、(おそらく)同胞の素材。大猪の革が2枚、牙が1本が手元にある。これで防具と武器を新調できるならやってもらおうかな。
「でもクリーンのスクロールも欲しいんですよね」
「それはチームで買ってやるよ。ウラナがクリーン使えるようになれば、キャシーのMPを温存できるしな」
「そうね。必要経費だわ」
「ウラナはあまりMPも使わないし、理にかなってる」
「手持ちがなくなった時はお願いしますね。だからチームで買うのはちょっと待って」
優先順位としては、私とイノとクロの防具>召喚獣の装備品(攻撃や素早さの補助系)>私の武器>クリーンのスクロールかな。なるべく自分のお金で買いたいです。チームのお財布はチームのために使うお金の貯金だから、あんまり私のことに使ってほしくない気持ち。いや、チームに利点があるからいいよって言ってくれるのはありがたいんですけどね。負担になりたくない日本人のサガ。装備系は素材の持ち込みで安くなったりしないかな。ちょっとツインズの兄弟に聞いてみよう。
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