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召喚士なのに前に居る  作者: マナ
2編 6章:首都アルヴェリア

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76話:報酬がこんなに貰えるってマジっすか

 しばらくすると、オズワルドさんがカウンターにやって来た。眉間に皺を寄せて、「あのわからず屋どもが」と怖い声で呟いている。ストレスが溜まってるなあ。


「オズワルドさん、バックラーとブルーリムの皆さんがお待ちですよ!」

「よぉ、オズワルドさん。いちゃもんつけられてるんだって?」

「タークスさん。えぇ、差別するつもりはないんですが、あの国に所属する連中はどうしてああも他責思考になるのか。理解に苦しみます」

「魔物の発生はどうしようもないよなぁ。お疲れ様」


 どうやら、ゴブリンキングの発生について文句を言われまくったらしい。えぇ、オズワルドさんなんも悪くないじゃん。なんで文句を言われてんだろ。


「国が原因で魔物が発生することってあるんです?」

「魔物の幼体を持ち帰ったとか、何かしらの儀式をして魔物を呼び寄せた場合だな。稀にある。しかし、基本的に魔物の発生は自然現象。ゴブリンキングの発生は基本的に自然災害に該当する。他国から責められるいわれはない」

「今回のゴブリンキングの発生は確かにイレギュラーだけど、そんなの、冒険者してれば良くあることよ。現場には人為的なものも無かったし、オズワルドさんは完全に貧乏クジを引いた形ね」

「オズワルドさん、本当に可哀想」


 人為的にアルヴェリアの誰かがやったならともかく、今回の件はマジで言われ損じゃんね。ミケも哀れみの目でオズワルドさんを見てる気がする。とても強く生きて欲しい。


「生きたウォー・ボアをこの目で見ることができるなんて、貴重な体験ですね」

「報告書の絵姿か、素材になったものくらいですよね」

「テイマーの人が連れてたりしないんですか?」

「気性が荒くて、とても人里のいるところに連れてこれませんよ。基本的には、拠点で待機させてるはずです」

「イノさんが大人しすぎるんですよ」


 オズワルドさんが興味津々にイノを眺めている。イノは「ブフゥーッ」と時折鼻息を強めるが、嫌がっている様子はない。人間がなんか見てんな、程度の反応である。ミケはリズさんにぶりっ子してますよ。私の後頭部で「にゃあん」って可愛い声でアピールしてます。猫ターバンそろそろ止めない?


「触ってみてもいいですか?」

「イノ、オズワルドさんが触ってもいい?」

「ブモッ」

「良いそうです」

「なぁおん」

「ミケも触っていいそうです」


 聞かれてないのに主張してくるあたりお猫様である。オズワルドさんはニコニコして2匹を撫でていた。あの、私の頭もついでに撫でるの何でです? ミケを撫でる時にちょうどあったから撫でたと。なるほどなぁ。


「さて、ゴブリンキング討伐及び集落掃討の報酬について話しましょうか」

「急にキリッとするね」

「アニマルセラピーで気力が戻りました」


 ミケはともかくイノはアニマルセラピーに該当するのだろうか。……なるか。本人がなってるって言ってるもんね。なるなる。


「今回のゴブリンキング討伐はイレギュラーである分を加味してあります。まずはチームへの配当です。バックラー、ゴブリン集落の掃討と被害者の救助、金貨20枚。ブルーリム、バックラーの補佐、金貨12枚になります」


 オズワルドさんの目の前に布袋が2つ並ぶ。金貨って初めて見た。銅貨は100円くらいで、銀貨は1000円くらいだから、金貨は1万円くらいの金額何だろうか。あとでキャシー姉さんに聞いてみよ。


「続いて、個人への配当です。ここにはいませんが、フレデリクさんがゴブリン集落掃討の戦力貢献により金貨8枚。そして、ウラナさん。イレギュラー個体のゴブリンキング討伐報酬として、金貨30枚になります。金貨を銀貨や銅貨に両替したい方は申し出てください。対応します」


 ……え、金貨30枚? わ、私ひとりに!?

お読みいただき、ありがとうございます。

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