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『スキル【時代】で領地開拓:追放された俺の開拓が原始から未来へ』  作者: あつ2
第2章「縄文時代」

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39/42

039...境界

次の日。


 ジンは、森の周囲を見回っていた。


「足跡が増えてる」


 戻ってくるなり、低く言う。


「ハードウルフ?」

「それもあるが。。人の足跡もだ」



 嫌な空気になる。

 奴隷商。

 追放者。

 盗人。

 森には“生き残れなかった側”が集まる。


 そして。


 食料を持ってる奴は狙われる。

 俺は燻製肉を見る。

 土器。

 石壁。

 火。

 全部。

 少しずつ積み上げた物だ。

 失いたくない。



【《縄文》適応率 28%】

【“縄張り意識 微上昇”】



「急に獣っぽい進化するなぁ……」


 でも。


 本当にそんな感覚だった。

 ここは俺たちの場所。

 取られたくない。


 その時。


 ミナが地面へ線を引いた。


「?」

「ここから中、あったかい」


 火の近く。

 石壁の内側。

 屋根の下。

 ……確かに。

 ここだけ空気が違う。

 外は冷たい。

 危ない。


 でも。


 内側は落ち着く。

 その瞬間。



 頭の中へ感覚が流れ込んだ。

 杭。

 石。

 縄。

 囲う。

 境界。



【《縄文》知識】

【“囲い”を理解】

【対価: 木材 or 保存食】



 その瞬間。

 積んでいた薪が、一部ボロッと崩れた。



「うわっ!?」

 数本が使い物にならなくなる。


【対価支払い完了】


「また勝手に食われた……」


 でも。


 頭の中には残っていた。

 獣避け。

 境界線。


 “ここから内側は群れ”って示す感覚。


 俺は周囲を見る。



「囲うか」

「囲う?」



 ジンが眉をひそめる。

「石だけじゃ足りない」

 枝。

 尖らせた木。

 並べる。

 簡単な柵。

 真正面から止めるためじゃない。

 “入りにくくする”。



 それだけ。



 三人で木を運ぶ。

 削る。

 刺す。

 並べる。

 地味。

 ひたすら地味。



 でも。



 少しずつ形になる。

 夕方。

 簡単な囲いが完成した。

 隙間だらけ。

 弱そう。



 だが。



 “ここ”ができた。



 その時。

 ミナが小さく言った。


「村みたい」


 俺は少し黙る。

 村。

 その言葉を聞いた瞬間。

 胸の奥が妙に熱くなった。

 俺は。

 追い出された側だった。


 でも今。


 自分で“居場所”を作り始めてる。

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