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『スキル【時代】で領地開拓:追放された俺の開拓が原始から未来へ』  作者: あつ2
第2章「縄文時代」

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038...怖さのあと

ハードウルフが消えたあとも。



 俺の震えは止まらなかった。

 ガタガタ震える。

 寒さじゃない。

 怖さだ。

 心臓がまだ痛い。


「レクト」


 ミナが隣へ来る。


 だが。


 俺はすぐ返事できなかった。

 さっきの感覚が残ってる。

 頭だけ冷たい。

 身体は怖い。


 なのに。


 投げる瞬間だけ、  妙に狙いが分かった。


「……最悪だ」


 ジンが火へ枝を足しながら聞く。


「何した」

「知らん」


「嘘つけ」

「本当に知らん」


 でも。


 頭の中には残っていた。



【“狩猟投擲”】

【対価: 恐怖】



 あれを使った瞬間。

 怖さが何倍にもなった。

 代わりに。

 狙いだけ異常に冴えた。



「……対価」

「?」



 ミナが首を傾げる。

 俺はゆっくり説明した。


「知識を使う時は、物が減る」


 燻製。

 土器。

 保存。

 全部そうだった。


「で、さっきのは違う」

「違う?」


「怖くなった」


 ミナが少し黙る。

 ジンは理解が早かった。


「感情を食ったのか」

「……多分」


 火が揺れる。

 パチッ。

 その時。

 胸の奥に、妙な嫌悪感が残っていた。

 怖い。


 でも。


 もう一回やれば、  もっと上手く投げられる気もする。

 その考えが気持ち悪かった。



【《縄文》適応率 25%】

【“群れを守るためなら感情を使いたくなる”】



「やめろその進化……」


 だが。


 完全には否定できない。

 もし今の石が外れてたら。

 ジンが死んでたかもしれない。

 ミナも。

 火も。

 全部終わってた。

 その時。

 ミナがぽつりと言った。


「でも、守った」


 静かになる。

 俺は火を見る。

 怖かった。

 本当に。


 でも。


 石を投げたのは、  自分が生きたいだけじゃなかった。

 火。

 群れ。

 ここ。

 守りたかった。

 その感覚が。

 少しずつ強くなってる。

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