表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『スキル【時代】で領地開拓:追放された俺の開拓が原始から未来へ』  作者: あつ2
第1章 「旧石器時代」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/34

011...雨

夜中。


 雨の音で目が覚めた。


「……最悪だ」


 ポツポツじゃない。

 本降り。

 冷たい雨が森を叩いている。


 そして。


 火が消えかけていた。


「っ!」


 慌てて枝を寄せる。

 だが湿ってる。

 燃えない。

 煙だけ。


「頼む、つけ……!」


 カチッ。


 火花。


 消える。


 カチッ。

 煙。

 消える。

 焦る。

 寒い。

 手が震える。

 雨音が怖い。

 暗闇が近づいてくる。


 その時だった。


【《旧石器》適応率 18%】

【“雨の匂いで少し落ち着く”を獲得】


「いや今その進化いる!?」


 思わず叫ぶ。


 だが。


 次の瞬間。


 不思議と、少しだけ呼吸が落ち着いた。

 雨の匂い。

 湿った土。

 濡れた木。

 鼻に入ってくる。

 嫌なのに。

 どこか知ってる感じがした。


 その時。


 ふと気づく。

 木の下。

 雨が弱い場所がある。


「……あそこか」


 俺は火種を抱えて移動した。

 大木の根元。

 雨をかなり防げる。

 葉の乾いてる部分もある。

 少しずつ集める。

 細い枝。

 乾いた葉。

 息を吹く。


 パチッ。


 小さな火。

 生き返る。


「はぁ……っ」


 座り込む。

 全身が冷たい。


 でも。


 火の前だけ暖かい。


「メンタルって大事なんだな」


ここに気づかなかったかもしれない。



 その時。


 腹が鳴った。

 限界だった。

 木の実も終わり。

 干し肉もあと少し。


「……食わないと死ぬ」


 その時だった。


 鼻に匂いが入る。

 近い。

 獣。

 小さい。

 土の臭い。


「……?」


 雨音の中。

 耳を澄ます。


 ガサ、ガサ。


 茂み。

 何かいる。

 反射的に石を掴んでいた。

 怖い。


 でも。


 腹も減ってる。

 数秒後。


 茂みから、小さな影が出てきた。

 ウサギだった。


「……!」


 白い。

 小さい。

 震えている。

 雨宿りだ。

 俺は息を呑んだ。

 腹が鳴る。

 頭の中に浮かぶ。

 ……食える。

 その瞬間。


【《旧石器》適応率 20%】

【“空腹時、獲物を見ると少し集中する”を獲得】


「怖い怖い怖い!!」


 でも。


 視線が外せなかった。

 ウサギは弱い。

 俺でも石が当たれば。


 でも。


 震える。

 俺がじゃない。

 ウサギが。


 火の近くで、小さく丸まっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ