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箱庭シミュレーター


 どーも私です。

 ヤンキー神に宿題を出されました!

 内容は領域畑の強化です。しかも領域エネルギーを使わずにやれだそうで……。


「さっさと取り掛かれよって言われちゃったんだよね」


 まるで宿題を後回しにして遊んでた時の母親みたいなセリフだな! ヤンママめ!


「つってもまぁ……別に直ぐにやんなくても、問題はなさそうなんだよねぇ」


 怒られる? いいや怒られないね。

 ヤンキー神と会話して感じてたことあるんだよ。あのヤンキー神ね……


「時間感覚ガバガバな気がするんだよな……」


 いや、そもそも時間なんていう概念すらガバガバなんじゃねぇのかな? 神のような超越者という存在だからなぁ。さっきだって久しぶりに会話したのに、本人はそんな感覚なさそうだったし。

 そんな時間すら止めれるような存在に『急げよ』って言われても焦りようもねぇわ。


「まぁそれでも早めに取り掛かるかなぁ?」


 状況的に忙しいんだけど、希望的観測でサボったりなんかしたら、ヤンキーの語尾が『消滅させんぞ』になりそう。


「さて、とは言ってもどう取り掛かったもんかな?」


 説明が抽象的すぎんねん。いや、ヤンキー神が言ってたことが正しいんだろう。個体によってやり方や感じ方が違うから抽象的なことしか言えないとか。

 う〜ん、どうしよ。


 まぁ領域畑を強化するのには、私にとっても利点も多いんだよね。

 ほら、ドリームランドで祈りの巫女さんをルール破りさせて強制的に退場させた方法……。アレに近いことができるようになるんじゃねぇかな? つまり……


「他者に対するルールの押し付け」


 ルールというからには、私に一方的な物はできないだろうけど、これが出来るようになれば領域畑は凶悪な遊び場になるわな。


 まぁ今は領域畑を強化する方法だ。少し考えてみよう。

 

 他者からの感情エネルギーを使用せずに、領域畑を強化する……。

 領域畑を強化する……領域を強化する……

 領域を………………


「…………育てる?」


 うん、『育てる』ってのがシックリくる。

 強化するのにエネルギーが必要なら、領域が勝手に育つ『機構』を作ればいい。


「むむむむ……」


 私は目をつぶってベッドで座禅を組む。

 領域畑という能力に理解を深めるために、深く深く精神を潜らせる……。


 現状、領域畑に何か手を加えるならエネルギーが必要な気がする……。となると領域畑内に現実ではない、仮想のエリアを作って領域に繋げるってのはどうだ?


「ふむ……」


 両手を前に出して四角く形を作る。

 こんな感じかな?


「『箱庭』」


 私の目の前に、PCモニターサイズの箱の枠が現れる。上が空いていてお中元のギフトボックスみたいな感じ。


 よしよし、いい感じ……。

 この箱はいわば『シミュレーター』だ。

 現実ではない、どちらかと言えば『私の領域』に近い万能空間と似て非なる物。

 現実ではないから、ある程度は自由に弄れる空間とでも思ってもらえればいい。私の妄想の箱だ。


「ただし、領域畑と繋がりがある……『箱庭シミュレーター』とでも呼ぼうか?」


 この箱庭シミュレーターの内部で、領域が育つ機構を作ることができれば、それを領域畑に転写することが出来るはず……。


「後はどうやってその機構を生み出すかだよね……」


「う〜ん、例えば『闘技場』」


 箱庭シミュレーターの中に、円形のステージがニュンと形成される。にゅほほ、ジオラマみたいでちょっとオモロい。


「この闘技場で戦いをさせたら領域は育たないかな?」


 闘技場に二人の戦士が現れてポコポコ殴り合う。

 イメージは蠱毒の壺なんだけど……う〜ん違う……けど惜しい感じがするね。

 私は箱庭を揺らして全部まっさらにする。


「もっと循環させる機構が必要だね」


 領域自体が生み出し、育ち、循環させる機構……。

 領域の自給自足……

 バランス……

 エコ……


 グルグルグルグルと思考を回す……


 そして……ピンと来た。



「…………生態系?」


 これだ……箱庭の中で『生態系』を作り上げる。

 生み出し、育ち、循環させる『機構』だ。


 箱庭で生態系をシミュレートすることで、領域畑は育つと私は感じた。


「んふふ、ちょっと面白くなってきた……」


 なんかシミュレーションゲームみたいだよね。

 生態系ってことで必要なもんは何かな?


「え〜と確か『生産者』『消費者』『分解者』だったか?」


 え〜と、食物連鎖とか言うんだよね。やっべ微妙に知識に抜けがある気がする……。これ私の領域で資料を見ながらの方が捗るか?

 いやまぁいい……今は外だし領域畑も外だからこのまま行こう。


「よし、箱庭の中に植物ドーン!」


 箱庭シミュレーターにニョキニョキと森が出来上がる。おっと山とかあるとオシャレじゃん。


「次に草食動物をウェイ!」


 鹿みたいな動物が森の草木を食べ始める。おお! リアルな動きするね。

 まぁあくまでシミュレーターだから、本当に生きてるワケじゃないよ。


「ついでに肉食動物イェイ!」


 鹿を狙うオオカミを実装。

 そして分解者の要素を箱庭に実装!


 お、おお! 見てるだけでも面白いね。

 オオカミに追いかけられる鹿が野山を駆け回る。


 たぶんこれで簡単な生態系が出来たはず……。

 食物連鎖も作った。

 こうやって箱庭シミュレーター内を活発に運営させれば、領域畑の強化がなされるはず……。


「少し様子をみてみよう」


 ――――――――――――――――――――――――


 

「……滅びたんだけど」


 動物は鹿もオオカミも絶滅……。森は荒れ果てた様相ですね。

 う、うん。なんでこうなった?


「あ、水場作ってねぇや……」


 そりゃ滅びるよね。

 すまん動物達よ。神ちょっと失敗したみたいです。

 そもそも二種類だけの動物ってのが無理あんのか?


「うわ、鹿だけ絶滅した! それと同時にエサの無くなったオオカミまで!」


 その後何回か繰り返して、滅亡を繰り返しております。


「簡単に滅亡すんじゃん……」


 この生態系システム……意外と難しいぞ……。

 箱庭シミュレーターに私の知識が追いついてないのか?


「よし、こんな時こそゲームですよ!」


 私に出来ないなら、ゲームにシステムをお借りしちゃおうじゃないですか。生態系シミュレーターゲームとか探せばあんだろ。


「動物なんかも、やったことあるゲームからリンクさせちゃえば種類も増えるし」


 例えばスーパー妖怪殲滅2のゲームから妖怪を出してみても世界観的に面白いかもしれない。

 たぶんヤンキー神の言ってた『要素を増やす』ってこう言うことなんじゃねぇかな?

 

「とりあえず今は、生態系を整えるためのゲームを探してみるか……」


「……」

「…………」


 ん〜とね。

 この箱庭シミュレーターをやってて、ちょっと思ったことがあるんだよね。


 

 私やヤンキー神は超越者だよね。

 んで『超越者』って何だと思う?


 ヤンキーいわく『農家』

 私の感覚に近いところで『神』

 世界という『外側』の存在


 ヤンキーは複数の世界を畑と見做して、エネルギーを回収しているらしい。

 そして私は、壊した次元の壁の修理をするために超越者として育たないといけない。


 そして領域畑は超越者としての『基礎』らしいんだけどね。


 ここまで来てある疑いが出てきたんだよね……。

 超越者の方向性というかなんというか……。


 超越者ってさ、最終的にエネルギー収集の効率を突き詰めたらアレをやる事になるんじゃねぇかな〜ってさ。

 超越者が領域畑を弄ったりするのってさ、練習に見えてこない?




「『世界の創造』とかね……」


 だとしたら、まんま神やんけ……。

 

書籍では……

ついに主人公の名前が……

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― 新着の感想 ―
まぁ、『次元の壁』を何枚もバリバリ壊したり修復したりする存在だからね〜
オバケ姉ちゃんが神(仮)な事に気付いちゃったかも?
私ちゃん名前あったの!?Σ(゜∀゜ノ)ノ
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