7/9
水の字の 土蔵に柿の 朱が眩し
『水の字の 土蔵に柿の 朱が眩し』
昭和四十六年十月、秋子先生・差迷先生の御供をして葉牡丹会で二泊三日の吟行会を致しました。
初めて先生の故郷へ御供をして行くので、みな大はしゃぎでした。先生の故郷は福井県です。今、いろいろ問題の原子力発電所が初めて出来、盛んに工事中でした。差迷先生はバスの窓より眺めながら、大変な工事だと喜んでおりました。
真白い土蔵に大きな水の字が書かれている。先生に伺うと、火が来ないようにとの風習だそうだ。真っ赤に実った沢山の柿があり、眩しく思ひました。
秋子先生の先祖は平家で、その証の古文書を見せて頂きました。また、京都東大寺二月堂のお水取りは此処より水を汲み行われるという湧き水の瀞も見学。先生の先祖代々の墓地にも御参りしました。墓地に続く道の両側には、すすきが一面に白くゆれ、それをかき分けて行きました。南に面し静かに沢山お墓が並んでいて、秋の陽射しを浴びて、極楽浄土のように思われました。 今は秋子先生もその墓地に埋葬されています。




