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葉桜の 隠し所に 水奔《はし》り
『葉桜の 隠し所に 水奔り』
昭和四十六年水明春の全国大会が浦和の玉蔵院の裏手の浦和公民館で開催されました。
受付を入ると黒板に「葉桜」と題名が書かれて居りますが、何も句が浮ばずに悩んでいました。突然トイレに行きたくなり、会場のむんむんする熱気から開放され思わず深呼吸をして窓から階下を眺めると、葉桜の下に玉蔵院が見えました。まさかこんな所に句の糸口があるとは夢にも思いませんでした。
会場に来る時通った道を階下に眺めていると葉桜が何かを隠しているように見え、この句が出来ました。下の句の「はしり」の漢字が「走り」ではないと思い、会場に戻り句友に聞いて廻り、暁村さんがこの字ではと「奔り」を教えてくれた。そのまま出句すると秋子先生の特選と他の先生の特選、合わせて五枚も頂き、その日一番の幸せ者になりました。暁村さんは、私が字を教えてやったからだと、嘆いておりました。暁村さんには感謝しております。




