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藁沓《くつ》だけが 知ってゐる民話 雪の宿
『藁沓だけが 知ってゐる民話 雪の宿』
蔵王に樹氷を見に行った時、詠んだ句。
土間にわら靴がひとつ脱いである。持ち主と共に厳寒の風雪に耐えて働き、今、土間で休息している。
わら靴は、夜ごと炉端で語られる物語を囲炉裏の煙と共に吸い込んで、話の数だけ飴色に変色してゆくのだろう。
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蔵王に樹氷を見に行き、その一つひとつの巨大さと広大な雪原を無数に埋めつくすスケールの雄大さに圧倒され、俳句を始めて数年の私には、とても句にできる光景ではありませんでした。
観光を終え宿に戻り、耐え難いほどの寒さから開放されて、土間で靴を脱いでいると、わら靴が一足置いてあるのが見えた。その瞬間、この一句がひらめきました。
その後俳句の研鑽を積み、再度蔵王に来た時には樹氷の句を作ることが出来ました。




