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焼けくそレーシック  作者: あまやま 想
第7章 紫のその後
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10月20日(土)②

「ちょっと、これじゃ、いい記事が書けんじゃなかね…」


「ちょっと、美和ちゃん…。それを言ったら、潜入取材じゃなくなるでしょう。怪しまれないように、二人で行こう…って、いろいろ対策を練ったのに…」


「美和、やっぱり仕事やったとね? それなら、そうと言ってくれとったら、私がいい記事を書けるように盛り上げたとに…」


「なんか、潜入取材って、かっこいいですね。私、山嵐靖司と申します。ぜひ、実名で記事に載せて下さい」


「俺は、潮崎四郎と申します。俺もぜひ実名で絶賛彼女募集中…と記事に載せて下さい」


 ここで他の五人が田井島を見つめる。まあ、流れからして、改めて田井島が名乗ることになるだろう。だが、仕事柄、実名で載るのはあまりよろしくない。さて、どうしたものか…。ここで確か桜田と言う記者が声をかける。


「これでは、やらせ記事になってしまいますね。さて、どうしましょうか? 匿名希望の方…」


「私は田井島と申します。私も絶賛彼女募集中ですが、仕事柄、実名が載るのは困ります。もし、実名でないと記事が書けないと言うなら、私はここで帰りますよ」


 田井島がそのように言うと、男性陣がため息を着いていた。まあ、男性陣が必死なのは分かるけどさ…。それにしても田井島は何でこんなに引っ込み思案なのか?


 紫は個人的に田井島に興味を持っていたが、美和はどうにか潜入取材を盛り上げたかったようで、もはや田井島はアウトオブ眼中であった。山嵐も塩崎のがっつき振りはベタすぎて、取材は盛り上がっても記事にはしづらいのではないかとさえ思えた。


「いやいや、実名で載せることは、まずありえません。逆に実名で載せることができませんので…」


「美和ちゃん、二人を読者モニターと言うことにしたらいいんじゃない? 藤枝さんと田井島さんは何も知らずに参加した一般の方と言う設定なら、案外いけるでしょう?」


「まあ、そうだけど…。でも、そうすると、潜入取材でなくなるから、チーフに怒られるんだけど…」


「仕方ないでしょう? だって、美和ちゃんが口を滑らせたのだから…。どっちにしても怒られるなら、どうにかして記事にした方が、まだマシでしょう?」


「分かったよ。紫がそう言うなら、そう言うことにしましょう。そのかわり、社内でうまくフォローしてよ…」


 結局、山嵐と潮崎を読者モニターにして実名で出す代わりに、藤枝と田井島は匿名にする事を条件を飲んでもらう事に成功。そのおかげで誰一人帰ることなく、婚活について語る座談会として取材を進められる僥倖。まさに災い転じて福となすと言ったところか…。

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