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焼けくそレーシック  作者: あまやま 想
第7章 紫のその後
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10月20日(土)①

 桜田紫と稲森美和は最近話題の緩い婚活を潜入取材するべく、会場のカフェ・デ・オロへ向かった。会場に着くと男女五名ずつと聞いていたのには、集まっていたのは男女三人ずつしかいなかった。


 まあ、明日は月曜だし、ここではお酒が入らないので、お茶飲みのお友達を増やしましょう…と言う草食男女向けの優しい会であるようだ。


 目がギラギラとした肉食女性がうろつく婚活だと、田井島とかと名乗っていた小柄で弱々しい男性では、ただ狩られるかスルーされるだけだろう。案外、このような草食のまったりとした会は彼のような男性にあっていると言えるだろう。


 また、女性三人もどちらかと言えば弱々しい感じである事にしておこう。それにしても一般参加の女性が一人もいないなんて…。これには紫と美和はいささか焦っていた。予定では、一般参加の男女の様子を眺めながらの潜入取材のはずだったのに…。これでは二人とも体張って男性と良い感じにならなければいけないではないか。


 会場には桜田紫と稲森美和の女性二人組に、藤枝ふみ江と言う稲森の学生時代からの友人。男性陣は山嵐靖司と潮崎四郎と言う二人組に、田井島と言う男性の三人がいた。男性は先ほどから田吉某と言う男の名前をしきりに出していた。どうやら田吉某は三人を婚活の世界へ誘った巨匠のような男性と推察される。


 田井島が山嵐と潮崎に田吉某と知り合った経緯を話すと、二人も似たような形で知り合ったと言うではないか。しかも、三人とも亥年で同級生と分かったので、意外な形で話が弾んでいた。「非モテ男子も彼女が欲しくて切実」と言うタイトルで描く構想を紫は練っていた。



「こんな形で同級生三人が知り合うとは…。これも何かの縁ですな…」


「まあまあ、田井島さん。同級生なんだし、堅苦しい敬語は無しでいこうぜ。なあ、山嵐」


「潮崎の言う通りだ。これも田吉のおっさんが取りなしてくれた縁だ。あの人は遠慮なく、一番いい子を持って帰るけど、それを除けば、実に面倒見のいい人よ」


 まあ、こんな感じで、男三人だけで会話が盛り上がってしまい、女性三人からの冷たい目線に気づかないようだ。まあ、女性陣も途中までは勝手に盛り上がっていたので、ある意味おあいこか…。そんな状況なので、お互いに恨みっこなしである。


 しかし、こんなことでは何のために、日曜日の夕方にわざわざ婚活カフェに出る意味が無くなってしまう…と美和が小声で呟いているではないか…。やはり、それぞれが何となくもやもやしている。


 こんな時、一般参加に近い立ち位置の藤枝が動いてくれれば…。美和が同級生のよしみでけしかけるも、内気な藤枝は小さく首を降るばかり。思わず、美和は肩をすくめていた。

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